2005年6月1日号

Last updated on May 24, 2005

特報

 ナムコの連結決算は主事業が順調で、増収増益だった。

 コナミは「遊戯王」の後退で、大幅減益となった。

海外

 コナミは米国ロクサーゲームズ社を連邦地裁に提訴した。

 米国テクモはネットフォーラムの「ニンジャハッカー」と和解したもようだ。

国内

 アルゼの決算は大幅減収で、アドアーズは赤字だった。

 バンプレストは好調で、大幅増収増益だった。


2005年6月1日号のニュースダイジェスト
写真は5月に開かれたタイトーの新作展で、上は「タイプXプラス」に基づく「バトルギア4」。下は前作から進化した「ゾイドインフィニティEX」。いずれもNESYS対応で6月発売予定(新作展については次号で)。

10年前の主なニュース


 米国ACME95(3月下旬、ネバダ州リノ)は大雪のため空路を含め交通機関がまひするという事態に直面した。TWI社ゲーム部門の社長にダンバン・エルダレン氏が昇格した。国内ゲーム場の市場規模は2年連続して減少、とレジャー白書がまとめた。セガ社モデル2による「バーチャストライカー」が発売された。(1995年6月1日号)

20年前の主なニュース


 米国AAMAはコピー基板をオリジナル基板と比較して判断するためのマニュアルを作成した。国際的なゲーミング機器展、IGBEにシグマが出展した。模倣防止表示に関する新日本企画の特許についての各社対応が判明した。TVゲームのコピーで知られるショウエイが倒産した。セガ社「UFOキャッチャー」が出荷された。(1985年6月1日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.ナムコは5月19日、05年3月期連結決算を発表、売上高は前年比3.5%増の178,551百万円、経常利益は1.1%増の14,588百万円、最終利益は25.4%増の9,464百万円と増収増益だった。うち業務用はCGゲームなど堅調で、パチスロ用ユニットも貢献し、売上高が2.9%増の27,771百万円、営業利益が6,691百万円。家庭用は好調で、売上高が6.1%増の47,488百万円、営業利益が12.3%増の7,888百万円。ゲーム場運営は売上高が2.4%増の81,788百万円だったが、国内で猛暑と台風の影響を受け、また米国でも厳しく、営業利益が11.7%減の6,086百万円となった。06年3月期は1,900億円の売上高、141億円の経常利益、89億円の最終利益を見込んでいる。

 2.コナミは5月10日、米国基準の05年3月期決算を発表、売上高は前年比4.7%減の260,691百万円、営業利益は30.9%減の28,136百万円、純利益は47.8%減の10,486百万円と減収で大幅減益になった。うち業務用AM機の売上高は6.1%増の36,699百万円、営業利益が8.2%減の10,832百万円、家庭用ゲームソフトの売上高は2.1%増の94,444百万円、営業利益が6.4%減の15,068百万円、トイ&ホビーの売上高は28.6%減の41,008百万円、営業利益が63.5%減の7,148百万円、カジノ用の売上高は6.4%増の11,643百万円、営業利益が108.3%増の1,442百万円、フィットネスの売上高は0.3%増の79,105百万円、営業利益が26.2%減の2,047百万円で、「遊戯王」などトイ&ホビー事業の後退が目立っている。06年3月期は売上高2,700億円、営業利益285億円、純利益180億円を見込んでいる。

 3. アルゼは5月16日、05年3月期決算を発表。単独では売上高が37.7%減の49,526百万円、経常利益が66.0%減の3,313百万円、当期損失が7,019百万円と大幅減収赤字だったが、連結では売上高が28.3%減の72,458百万円、経常利益が75.2%減の2,083百万円で、最終利益は1,022百万円の黒字だった。ウィンリゾート関係の持分変動益15,810百万円があったため、赤字を免れた。部門別のうちアドアーズが担当するゲーム場運営の売上高は4.5%減の16,205百万円、営業利益は47.2%減の1,939百万円だった。5店新設、3店閉鎖しており期末は67店で、さらに大型店を増やすとしている。アドアーズ自体の売上高は前年比17.8%減の18,911百万円で、909百万円の当期赤字だった。またアルゼの「ゲーム機器」(業務用、家庭用、ゲーミング)は売上高が12.8%減の4,672百万円、営業損失は1,250百万円と振るわなかった。

 4.バンプレストが5月10日発表した05年3月期連結決算は、売上高が23.1%増の34,434百万円、経常利益が403.0%増の1,835百万円、最終利益が428.7%増の770百万円と、好調な家庭用ゲームソフトに支えられて大幅な増収増益になった。部門別では、アミューズメントの売上高が15.7%増の17,952百万円、営業利益が43.6%増の986百万円、家庭用ゲームソフトの売上高が53.1%増の10,248百万円、営業利益が353.1%増の867百万円、その他の売上高は7,464百万円、営業利益は258百万円だった。

 5.アトラスは5月9日に連結決算を発表しており、売上高は4.0%増の17,846百万円だったが、23百万円の最終赤字だった。写真シール機など業務用は売上高が4.7%減の4,841百万円、営業利益が72.7%減の86百万円と振るわず、ゲーム場運営も4店新設して売上高が4.6%増の7,446百万円となったが、営業利益は36.7%減の779百万円だった。スガイ・エンタテインメントは20日に単独決算を発表し、売上高は5.8%減の6,519百万円、当期利益は87.5%減の22百万円と減収減益だった。うちゲーム場の売上高は0.1%減の3,312百万円だった。アリサカも同日、単独決算を発表。売上高が前年比24.1%増の6,762百万円だったが、当期利益は57.2%減の91百万円と大幅減益だった。固定資産除去損など251百万円の特別損失を計上したため。直営4店、共同2店を新設し、6店を閉鎖、直営31店、共同4店になった。売上高のうちゲーム場は24.2%増の5,633百万円だった。

 6.新日本製鉄の子会社でテーマパークを経営するスペースワールドは5月13日、福岡地裁小倉支部に民事再生の手続きを申請した。負債総額は351億円。スペースワールドは88年7月に設立され、約300億円かけて同名テーマパークを90年4月に開業したが、入場者数は98年度の230万人をピークに減少し、04年度は180万人に落ち込み、累積赤字351億円、債務超過332億円を抱え込むに至った。新日鉄は自力再建を断念し、北海道の加森観光と事業譲渡のための交渉をしていた。民事再生手続きにより、負債は新日鉄が全額負担した上で債権放棄し、スペースワールドは100%減資をした上で加森観光が出資し、その完全子会社となる。営業は継続される。

 7.コナミは5月9日、「ダンスダンスレボリューション」(DDR)の知的所有権を侵害されたとして、米国のロクサーゲームズ社をテキサス州東部にある連邦地裁に提訴した。コナミが5月11日に発表したもので、ロクサーゲームズ社は「イン・ザ・グルーブ」(ITG)により、98年10月に日本で出荷されて成功した業務用「DDR」に含まれるコナミの特許、商標を侵害するとともに不正競争行為を行なっており、その禁止命令と損害賠償を求めるとしている。「ITG」には完成品もあるが、「DDR」からの改造キットもあり、また「ITG2」が近く発売される予定。なお家庭用のPS2用もある。ロクサーゲームズ社はまだ、この訴訟についてコメントしていない。

 8.米国テクモはインターネット・フォーラム「ニンジャハッカー」を相手に著作権訴訟を起こしていたが、シカゴにある連邦地裁(チャールズ・ニコラス判事)は5月上旬、双方の和解を条件に、テクモの訴えを棄却したもようである。テクモが2月9日に発表したところによると、「ニンジャハッカー」はテクモのXbox用ゲームソフトを無断で修正するプログラムを交換するもので、とくに「DOR−XBV」で露出度の高い女性キャラクターを全裸にしたりしていたという。しかし、そのサイトは1月25日に閉鎖されている。和解内容は不明で、双方とも何も明らかにしていないが、実質的に何も争われることなくこの訴訟は終わったと見られている。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。