2005年5月1日号

Last updated on April 26, 2005

特報

 警察庁調べで「8号営業」営業所は減少続きだが、設置台数は増加に転じた。

 ナムコとカプコンがそれぞれ新作展を開催した。

海外

 セガ社の米国子会社、セガアミューズメントUSA社はシカゴに移転し、サミーUSA社と統合した。

 「ビジネスウィーク」ウェッブ版でスターン社が取り上げられた。

国内

 コナミはタカラの株式を売却し、インデックスが買い入れた。

 ナムコがUSENに日活の株式を譲渡する案が検討されている。



2005年5月1日号のニュースダイジェスト

写真上はナムコの内覧展で「コブラ・ザ・アーケード」を試しているようす。下はカプコンの新作展で「機動戦士ガンダムシード連合vsZAFT」を試しているようす。


10年前の主なニュース


 7月施行の電気用品取締法施行令改正により、乗物機を除きゲーム機は乙種に移行することになった。警察庁調べによると、「カジノバー」が全国288ヵ所に急増した。豪州でTVゲーム機の並行輸入をめぐる訴訟が再び起こされた。マスクROMを巡る問題で任天堂は三星電子と和解した。ローラートロンが不渡りを出し、業務閉鎖した。(1995年5月1日号)

20年前の主なニュース


 データイーストの告訴に基づき、米国FBIはコピーヤー4名を逮捕した。新日本企画の提起した特許問題で、JAMMAはメーカーが個別対応することにした。ナムコは新作展でアタリゲームズ社「マーブルマッドネス」などを紹介した。セガ社は米国子会社社長にジーン・リプキン氏の起用を決めた。セガ社はエスコ貿易を吸収合併した。(1985年5月1日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.警察庁・生活環境課は、風営法で規制される「8号営業」(ゲームセンター等)の営業所数は04年12月現在、10,109ヵ所で、その設置台数は438,986台だったとまとめた。4月15日に公表した04年1−12月の「風俗警察の現状」の中で明らかにしたもので、営業所数と設置台数はともにここ数年減少傾向にあるが、設置台数だけは今回増加に転じた。また遊技機を使用した賭博犯については04年中に127件検挙しており、709人を検挙し、2億9千万円の賭け金を押収した。この種の賭博犯検挙も4年連続して減少していたが、増加に転じた。主な検挙例として、神奈川県の駄菓子屋店経営者らが03年8月から04年2月にかけて、店内に「エイトライン」を設置し、客の高校生らを相手に常習賭博をした事件など、具体例が挙げられている。警察庁では基本的にどのようなゲーム機も賭博に使用されるおそれがあると見ている。

 2.ナムコは4月中旬、東京、大阪などで内覧会を開催し、11月出荷予定のTVガンゲーム機「コブラ・ザ・アーケード」と、12月出荷予定のTVカーレースゲーム「マリオカート・アーケードグランプリ」を紹介した。前者はトライフォース、後者はシステム256に基づくCGゲームで、両機種ともなお開発中。いずれも通信機能を持ち、カードを使用する。またカプコンは4月13日に東京、15日に大阪で新作展を開催し、メダルゲーム機とプライズゲーム機のほか、システム256に基づくTV格闘ゲーム機「機動戦士ガンダムシード連合vsZAFT」を紹介した。基板4枚(4台分)セットは7月中旬に出荷予定で、「機動戦士Zガンダム」または「同DX」を元にしたバージョンアップDVD−ROMキットは8月上旬の予定。

 3.コナミは4月25日、所有するタカラの株式2千10万4千株(全体の22.2%)を売却し、資本関係を解消すると発表した。売却価格は約110億円で、売却益は約61億円。00年7月にタカラの要請を受けて資本提携し、経営支援してきたが、両社の事業環境が大きく変化したため、とコナミは説明している。コナミはタカラの筆頭株主だったが、両社の関係は必ずしも良好ではなかった。タカラの経営はその後順調だったが、04年3月期以来振るわず、そのため05年4月に社長も交代した。コナミが売却したタカラの株式は、インターネット関係のシステムや携帯電話向けコンテンツ配信大手で、タカラと「バウリンガル」開発で提携しているインデックスが買い受け、資本・業務提携した。なお、タカラはアトラスの41%株式を持つ筆頭株主でもある。

 4.コナミはハドソンに追加出資し、ハドソンを関連会社から連結子会社に引き上げることになった、と4月11日にコナミとハドソンがそれぞれ発表した。ハドソンは05年3月決算で大幅な損失を計上する見込みで、自己資本が大きく減少するため、コナミに支援を要請していた。ハドソンの経営再建を目指して、4月27日にハドソンの第三者割り当て増資が行なわれる際に、コナミが14億3千4百万円払い込み、コナミの持株比率は45.5%から54.0%に上がる予定。

 5.ナムコは4月21日、子会社である日活の株式の過半数を、有線放送とカラオケ配信大手のUSEN(本社東京、宇野康秀社長)に譲渡するとの提案に関し、検討を開始することに合意した、と発表した。USENは高速インターネット接続事業を展開中で、コンテンツ配信を進めようとしており、日活の映像コンテンツを活用するため、その株式の74.4%を持つナムコと交渉することにしたもの。イタリアントマトの株式売却など、経営資源をコア事業に集中させつつあるナムコは、USENが持つ高速ブロードバンドインフラを利用できる可能性のあることから、日活の株式譲渡案の検討を始めることにした。しかし、日活の労働組合はUSENによる株式買収に反対を表明している。

 6.セガ社の業務用米国子会社、セガアミューズメントUSA社は4月11日、これまで本社のあったサンフランシスコから、サミーUSA社が拠点としてきたシカゴ郊外(エルクグローブ)へと移転し、事実上サミーUSA社を吸収合併した。セガアミューズメントUSA社は統合に伴う人事異動を含め、正式発表していないが、すでに主なスタッフはサンフランシスコからシカゴ郊外へと転勤している。セガとサミー両ブランドの業務用ゲーム機は、エルクグローブに設けられたセガアミューズメントUSA社から、全米各地へと供給されることになる。

 7.タイトーは業務用システム基板「タイプエックス」に、米国フェニックステクノロジーズ社のセキュリティシステム「セキュリティ・ソフトウェア・ディベロップメント・キット」(SDK)を採用したと4月13日に発表した。ウィンドウズXP特別版に基づく「タイプエックス」はコピー防止のセキュリティシステムを備えているが、SDK採用により、より完全なセキュリティを確立したことになる。「タイプエックス」はゲームソフトの開発コストを10−15%削減できるため、さらに需要が見込めることから、より確実なコピー対策が課題になっていたが、フェニックステクノロジー社のコアシステムソフトウェア(CSS)に基づくSDKを採用することで、解決することになった。

 8.アルゼは4月11日、05年3月期連結業績予想を下方修正した。修正後の売上高は716億円(2月の前回予想は797億円)、経常利益は17億円(66億円)、当期利益は8億円(4億6千万円)。新基準のパチンコ機の3月発売を見込んでいたが、認可されず、販売計画の見直しを繰り返すことになった、というのが最大の理由。反面、同社が投資している米国ウィンリゾーツ社の増資に伴い、みなし株式売却益が予想より40億円増えて年間158億円になるため、当期利益は少し回復する見込みになった、としている。

 9.セガ社「東京ジョイポリス」にある遊園施設「ビバ!スカイダイビング」で4月18日、介護員と並んで乗っていた30歳の身障者が転落死する事故が起こった。同施設は乗客の体をハーネスと腰周りのベルトで固定した上で、座席部分が床面のスクリーンを見るため10m上昇し、60度下に傾き、上下動するという映像シミュレーターで、00年12月のリニリューアルの際に、真砂工業の施工により加えられた。事故の原因は警察が調査中で、21日にはセガ本社が業務上過失致死の疑いで家宅捜査された。セガ社は事故直後直ちに、捜査に協力し、可能な限り誠実な対応をするとの姿勢を示している。(追加情報=東京地検は10月3日、セガ社社員ら3名を起訴猶予処分にした)

 10.米国「ビジネスウィーク・オン・ライン」は3月31日号で、世界で一社だけ生き残ったフリッパーメーカー、スターンピンボール社のゲアリー・スターン社長を取り上げた。スターン氏は1961年、16歳のときに商品補充係としてウィリアムズ社で働いて以来、フリッパーの仕事に関わっている。父親とともに76年にスターン社を設立して数年後に失敗した後、データイーストピンボール社、セガピンボール社の経営責任者を継ぎ、99年にそれを買い取ってスターンピンボール社にした。56人の従業員を抱える同社は、年一万台を自社生産し、3千万ドルを売り上げている。主な販売先は国内のゲーム場だが、35%は欧州、ロシア、中国などの海外、20%は米国内の家庭内ゲームルームとなっている。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。