2005年3月15日号

Last updated on March 9, 2005

特報

 AOUエキスポ05でTVゲームの新作が多数紹介された。

 セガ社「ザ・クイズショー」は東京ジョイポリスのアトラクションに導入される。

海外

 サミーの米欧業務用子会社がセガ社の下に再編された。

 元ミッドウェー社の業務用開発者による新会社が2社増えた。

国内

 アトラスは業績悪化で通期予想を下方修正した。

 アルゼとセタも通期予想を下方修正した。


2005年3月15日号のニュースダイジェスト

写真はAOUエキスポ05で、上はナムコの「マリオカート・アーケードGP」、下はスバルカスタマイズ工房「つっ走り名人」をそれぞれ試しているようす。


10年前の主なニュース


 阪神大震災によるゲーム場の被災全容が判明した。コナミは開発センターを神戸から大阪に移した。タイトーは32ビットCG基板「JCシステム」を発表した。セガ社中山隼雄社長は同社新年会で、「サターン」により家庭用で主導権をとると述べた。記事を無断転載したコインジャーナルは略式起訴され、罰金刑を受けた。(1995年3月15日号)

20年前の主なニュース


 新風営法の施行日に開催された第4回NAOショーで、「法律上は年少者もスロットマシン等で遊べるが、社会通念上は自粛すべきところもある」とする宣言が掲示された。SCロケのオペレーター44社が日本SC遊園協会(NSA)を設立、風営法の適用除外を陳情した。タイトーは二重画面方式の「ワイバーンF0」を披露した。(1985年3月15日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.AOUエキスポ05では、セガ社「三国志大戦」、ナムコ「アイドルマスター」、タイトー「ハリキリオンラインプロ野球」などすでにプライベートショーなどで注目されている新製品のほか、セガ社が「ネットセレクト競馬・ビクトリーハロン」、SNKプレイモアの「ネオジオバトルコロシアム」、ディンプス「ランブルフィッシュ2」、ナムコが「マリオカート・アーケードGP」、「太鼓の達人7」、タイトーがアバランシェ社「アクマ」など、コナミが音楽ゲーム「ダンス86.4」などのTVゲームが披露された。伝統的な基板タイプではタイトー「タイプX」使用ソフトが充実したほか、ケイブ/AMIのシューティング「鋳薔薇」(いばら)、アイディアファクトリー/AMI「スペクトラルVSジェネレーション」、マイルストーン/エイブル「ラジルギ」などが注目された。

 2.AOUエキスポ初出展のスバルカスタマイズ工房は、富士重工業の子会社で、磁石を利用したクレーンゲーム機「くっつけ名人」と、シミュレーションシステム「つっ走り名人」を参考出品した。同社はフライトシミュレーターの開発技術を持つことから、家庭用のPS2ソフト「グランツーリスモ4プロローグ」を使用して、カーレースのシミュレーターを試作したところ、好評だったため、シミュレーターシステムをアミューズメントマシン用に商品化することに踏み切ったとされている。出品した「つっ走り名人」には、元気のPS2用ゲームソフト「街道バトル」を使用し、オペレーターの京葉リースとグッドヒルが販売するとのこと。

 3.セガ社は3月8日、クイズ番組参加型の「ザ・クイズショー」をアトラクションとして19日から東京ジョイポリスに導入する、と発表した。「ザ・クイズショー」は04年2月のAOUエキスポで初披露され、プライベートショーでも紹介されたもので、プレイヤーが解答者となって他の参加者と、さまざまなジャンルのクイズに挑戦する、という仮想クイズ番組を進めるもの。軽妙な司会が自動機械でなく実際に必要で、また司会の出来によって盛り上がり方にも差が出てくる。このためセガ社では当面、東京ジョイポリスでのアトラクション展開を進めることになった。利用料は1回300円。販売するかどうかは明らかではない。

 4.セガサミーホールディングスは2月25日、サミーUSA社を米国でのセガ社持株会社、セガホールディングス社(本社サンフランシスコ、小口久雄社長)に譲渡し、またサミーヨーロッパ社を欧州のセガ社業務用と家庭用を管理するセガヨーロッパ社(本社ロンドン郊外、鶴見尚也社長)に譲渡することを決め、この日からセガ社の子会社になったと発表した。事業分野別の再編に伴うもので、米欧でサミーの業務用子会社はセガ社の米欧子会社を中心に再編されたことになる。なおセガサミーホールディングスは、米国家庭用ゲームソフトの開発メーカー、サミースタジオズ社の親会社であるサミーホールディングス社(ジョン・ロウ社長)を、ジョン・ロウ社長が出資・設立する新会社に2月28日に売却することも明らかにした。

 5.米国ウィリアムズ/ミッドウェー社の執行副社長を長く勤めたことのあるケン・フェデスナ氏を代表とするふたつの新しいメーカー、エレメカゲーム機のキャッシュボックスゲームズ社と、TVゲーム機のホワイトラビット社が設立されていることが分かった。これはミッドウェーゲームズ社が99年にフリッパー事業から撤退、01年に業務用TVゲーム事業からも撤退したため、開発者たちが自らの手で会社を設立したもので、ジーン・ジャービスらによるロースリル社に続くものとなる。いずれもシカゴ地区を本拠としており、独自のアイデアに基づきこれまでにない業務用ゲーム機を作り出していくとしている。

 6.アトラスは3月7日、業績悪化に伴う通期業績予想の下方修正を発表した。その結果、05年3月期売上高は180億円(昨年5月の前回予想では212億円)、経常利益は9千万円(7億4千万円)、当期利益はゼロ(2億5千万円)が見込まれることになった。アトラスは理由として、@家庭用ゲームソフトの販売が計画を大幅に下回った、A業務用では「美の掟」以外写真シール機関係は不調で、大型メダルゲーム機も予定を下回った、B新型遊技機「パロット」タイプの発売が延期になった、としている。このため有価証券売却益545百万円を含めた特別利益約7億円を計上するが、不採算の「野田店」閉鎖による固定資産除去損120百万円、家庭用ゲームソフトの棚卸資産評価損91百万円と破棄損432百万円、英国フォトスター社の株式評価損230百万円など特別損失を計上する予定。

 7.アルゼは2月25日、第3・四半期業績の概略を発表し、通期予想を下方修正した。9ヵ月間の売上高は前年同期比37.2%減の61,067百万円、経常利益は3,768百万円(前年同期のデータなし)、純損失は4,924百万円と大幅減収で赤字だった。売上高のうちパチンコ・パチスロ機は41,736百万円、アドアーズが担当するゲーム場運営は12,271百万円。通期業績については、売上高797億円(昨年10月の前回予想は1,040億円)、経常利益は66億円(132億円)、当期利益は4億6千万円(4億円)に修正した。米国ウィンリゾーツ社がらみで特別利益70億円と特別損失20億円を見込むが、パチンコ・パチスロ機が前回予想を下回り、子会社の業績が振るわないため。また子会社のセタも同日、通期業績を売上高約33億円(11月の前回予想では約36億円)、経常利益約2億円(約3億円)、当期利益35百万円(232百万円)と大幅下方修正したが、これは、多機能型ICカードシステムのOEM供給が来期にずれ込み、また業務用ゲーム機基板の在庫調整に伴い77百万円の評価損が発生し、磁気カードシステム関連でも在庫評価損95百万円が発生するためとのこと。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。