米国家庭用の不振から、各社の中間期決算は業務用が堅調だが、全体で減益傾向となった。セガ社は新作展でモデル2基板による「バーチャファイター2」などを披露し、ナムコは新作展で「システム11」による「鉄拳」など披露した。任天堂は「バーチャルボーイ」を発表した。ニチイは新タイプのAM施設を運営するためマイカルクリエイトを設立した。(1994年12月15日号)
新風営法施行を監視するための参議院小委員会で、志苫裕議員は対象とする遊技機を警察白書で言うギャンブルマシンに限定するよう提案した。大阪でもオペレーター協会が発足、東京では第二協会も。タイトーは本物の楽器を演奏するエンターテイナーロボットを発表した。米国ウィリアムズ社の元社長、サム・スターン氏が死去した。(1984年12月15日号)
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【ニユースダイジェスト】
1.香港のランタオ島に建設中の「香港ディズニーランド」は05年9月12日にオープンすることになった、と香港特別行政府および米国ウォルトディズニー社が11月22日に正式発表した。米国以外では3つ目のディズニー・テーマパークとなる香港ディズニーランドは99年11月の計画正式発表後、03年1月に本格建設が始まり、すでに主なアトラクションなどが出来上がりつつある。そのため、ウィークデーで大人295(4歳以上の子ども210、65歳以上のシニア170)香港ドル、週末と夏休みなどシーズン中は大人350(同250、200)香港ドルという一日利用料金も今回発表された。これは東京ディズニーランドと比べて2割ほど割安となっており、日本にも影響があると見られている。なお今回発表された計画では、香港、中国本土、それ以外の東南アジアから初年度560万人、以後毎年1千万人の入園客が集まると見込んでいる。
2.ケイブ(本社東京都新宿区、高野健一社長)の株式が12月24日、大証ヘラクレス市場に上場されることが11月19日に明らかになった。ケイブは94年6月に設立されたゲームソフト開発会社で、「首領蜂」(95年6月)から最新作の「虫姫さま」まで業務用を開発していることが知られるが、99年2月以降携帯電話向けにコンテンツサービス事業を開始し、02年5月期に家庭用ゲームソフト事業から撤退し、コンテンツ事業を本格化してきていることから株式上場が認められた。同社の04年5月期の売上高は1,269百万円、経常利益は264百万円、当期利益は218百万円で、売上高のうちコンテンツサービスが1,171百万円、ゲーム開発が76百万円、その他が21百万円となっている。上場直前の主な株主は高野社長39%、アトラス7%、タカラ5%、日本エンタープライズ5%など。
3.警視庁生活経済課と武蔵野署、東村山署は11月19日、大量の海賊版ゲームソフトを販売したとして、東京都江戸川区のフリーライター、石渡悠貴容疑者(22歳)ら2名を、著作権法違反の疑いで17日に逮捕、19日に東京地検八王子支部に身柄送検した。ACCSが発表したもので、送検された2名は自ら運営するウェッブサイト「ブレインネット」を通じて6月中旬ごろ、「スーパーマリオブラザーズ3」など任天堂の32タイトルを含む「ファミリーコンピュータ」用のゲームソフト2,264タイトルを無断複製したCD-Rを19,980円で販売したほか、「ピポザル2001」などSCEのソフトウェア4タイトルを含む、「PS2」用のゲームソフトを無断複製したDVD−Rを49,500円で8月初旬に販売したとされている。しかし、FC用ゲームソフトをプレイするのにCD‐Rをどういう方法で使っていたのか、などについての説明はない。「ブレインネット」のサイトは閉鎖されておりよく分からないが、コピーされたというゲームソフトはエミュレーター上で作動するものらしい。
4.家庭用ゲームソフト「ティアリングサーガ・ユトナ英雄戦記」の販売を巡る争いで、東京高裁は11月24日、請求をすべて退けた東京地裁判決を一部変更し、不正競争防止法による損害賠償を命じる判決を出した。「ファイアーエンブレム」シリーズを手がけてきた任天堂とインテリジェントシステム(イズ)は、ティナローグが開発しエンターブレインが発売した上記PS用ゲームソフトについての著作権侵害訴訟を01年7月に起こしたが、東京地裁は請求を全面的に退ける判決を02年11月に出したため、任天堂らは控訴していた。東京高裁の塚原朋一裁判長は、著作権に関する任天堂らの主張については地裁判決と同様に退けたが、「ファイアーエンブレムを指す語として定着していた『エンブレム』をタイトルに使って宣伝し、任天堂の最新作との誤解を与えた」ことだけは認め、不正競争防止法に基づき約7,600万円の損害賠償をエンターブレインらに命じた。(追記=05年4月12日、最高裁は任天堂の上告を退ける決定をした)
5.米国ウォルト・ディズニー社は11月18日、03年9月期決算を発表し、売上高が14%増の30,752百万ドル、営業利益が41%増の4,488百万ドル、純利益が85%増の2,345百万円と伸ばし、01年9月の同時テロ以降の不振から完全に立ち直ったと見られている。特にパーク&リゾート部門は売上高が21%増の7,750百万ドルで、営業利益は17%増の1,123百万ドルと大きく回復した。稼ぎ頭のメディア・ネットワークス部門(ABC放送ネットなど)は売上高が8%増の11,778百万ドル、営業利益は79%増の2,169百万ドル、スチューデオ・エンタテインメント部門(映画、DVDなど)の売上高は18%増の8,713百万ドルで、営業利益は7%増の662百万ドルだった。コンシューマープロダクツ部門(ディズニーストアなど)の売上高は7%増の2,511百万ドルで、営業利益は39%増の534百万ドルといずれも前年を上回った。
6.神戸ハーバーランド(神戸市中央区)内に旧「ハーバーサーカス」に代わって商業施設「ビーズ・キス」が12月3日改装オープンしたのに伴い、ナムコのプロデュースするフードテーマパーク「神戸スイーツハーバー」が地下1階に、また会員制複合レジャー施設「ユーパラ神戸ハーバーランド店」が4−5階に営業開始した。「神戸スイーツハーバー」は03年11月にオープンして人気を呼んでいる東京の「自由ヶ丘スイーツフォレスト」をさらに充実させたもので、この種のフードテーマパークでは日本最大規模となっている。「ユーパラ神戸ハーバーランド店」はファインクリエーションリーグのデッシュファインが運営する24時間営業施設で、入会金300円、10分間70円でゲーム機、釣堀、ビリヤード、ボウリング、カラオケなどを楽しめるというもの。同グループでは岡山、熊本に次いで3店目となる。
7.スガイ・エンタテインメントは11月19日、9月中間単独決算を発表、売上高は前年同期比1.0%減の3,144百万円、経常損失は105百万円、中間損失は74百万円と減収赤字になった。部門別売上高はゲーム場が4.2%増の1,599百万円、ボウリング場が11.5%減の722百万円、カラオケルームが8.6%減の168百万円、その他AM施設が0.1%減の152百万円、映画館が12.3%増の388百万円、その他が21.2%減の112百万円。猛暑などの影響があったが、ゲーム場はメダルゲームコーナーの増設やオリジナル景品により、また映画館はヒット作があり増収となったが、ボウリング場、カラオケなどは低調だった。同社は通期業績予想を11月5日に下方修正している。なお、アリサカは11月15日に9月中間単独決算を発表、売上高は24.6%増の3,136百万円、経常利益は16.1%増の222百万円、中間利益は5.4%増の82百万円だった。ジョイプラザ新宮店、アーバンスクエア草津駅前店、同与次郎店を開設し、不採算5店を閉鎖し、直営30店と共同3店になった。
◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。
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