タイトーは32ビットシステム基板「F3パッケージシステム」を一作目の「カイザーナックル」などとともに披露した。コナミは神奈川県座間に建設した「東京テクニカルセンター」を披露した。米国任天堂は連邦地裁でアルペックス社の特許を侵害したとして、2億8百万ドルの損害賠償を命じる評決を受けた。SNKはネオジオソフト「ザ・キング・オブ・ファイターズ94」を出荷した。(1994年9月15日号)
シグマは参議院議員会館での説明会に関し、通常のTVゲーム機が賭博TVゲーム機に改造できるとして、本紙に対する釈明要求書を明らかにしたが、本紙は、シグマのゲーム場で賭博用TVゲーム機に改造できる「普通の機械」を使用しているのかと反論した。ナムコはファミリーコンピュータ用ゲームソフトの一作目「ギャラシクアン」を発売した。八千代電器産業が倒産した。(1984年9月15日号)
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【ニユースダイジェスト】
1.タイトーは9月2日、AMショーの同社小間でシステム基板「タイプエックス」の具体的な仕様と展開について発表した。「タイプエックス」はマイクロソフト社のOSを元にタイトーが企画、仕様を決定し、東芝パソコンシステムが制作したことがすでに6月6日に発表されているが、基本仕様は未発表だった。それによるとCPUはセレロン2.5GM、チップセットがインテル865G、メモリーがDDR266DIMM256MBなどとなっており、ゲームソフトはハードディスクに収納され、USBドングルなど三重のコピー対策が施されている。OSはウィンドウズXPの組み込み版(エンベンデッド)で、低価格で汎用性の高いウィンドウズ開発環境を利用することにより、ソフト開発が容易になるのが特徴。一作目はタクミコーポレーションのシューティングゲーム「翼神」(10月出荷予定)で、タイトーの対戦格闘ゲーム「カオスブレイカー」とオンライン野球ゲーム「ハリキリオンライン・プロ野球」が12月に、モス/セイブのシューティングゲーム「雷電 V」(仮称)が来春、続いてアルファシステムのシューティングゲーム「式神の城V」(仮称)が出荷される予定。このほかアークシステムワークス、ケイブ、サクセス、トレジャー、童なども「タイプエックス」を使用する予定となっている。
2.今年のAMショーのセガ/サミーの小間で紹介された「アトミスウェーブ」用の新ゲームは、対戦格闘のサミー「拳獣」とSNKプレイモア「ネオジオバトルコロシアム」、ネットセレクト対応のサミー「ネットセレクト競馬」。うち「ネオジオバトルコロシアム」は映像のみの展示だが、ネオジオゲームから幅広くキャラクターが採用されるとあり、期待が高まっている。また、キャラクター総集編ではカプコンが披露した対戦格闘の「カプコンファイティングジャム」(11月発売予定)も注目されている。その他基板タイプでは、リバーサービスが展示したケイブのシューティングゲーム「虫姫さま」、悠紀エンタープライズのネット対戦「通信対戦麻雀闘龍門」が注目された。「通信対戦麻雀闘龍門」は悠紀が開発、アトラティーバ・ジャパンが発売元、ビスコが総代理店となっているもので、エイブル、ユウビス、リバーサービスから出品されており、低価格の基板タイプでネット対戦ができることから、オペレーターに大きくアピールした。なおセガ社は、PCゲームを基にするエコールソフトウェアの対戦格闘「メルティブラッド・アクトカデンツァ」を参考出品した。
3.完成品タイプではセガ社が通信対戦の「ゴルフクラブ・ネットワークプロツアー」(今秋発売)、ネット対応のガンゲーム「ゴーストスカッド」(同)、「バーチャストライカー4」(10月出荷予定)、オンラインゲームの「アヴァロンの鍵2」(今秋発売)、「クエスト・オブ・ディー」(9月出荷予定)などで充実した。ナムコは11月発売の「鉄拳5」を中心に、開発中の「コブラ・ザ・アーケード」(05年春発売予定)、「ドラゴンクロニクル・オンライン」、参考出品の「ザ・バトル・オブ・ドルアーガ」なども紹介した。変り種はバンプレストが展示した「機動戦士ガンダムバトル・オペレーティング・シミュレーター」(G−B・O・S)で、シミュレーターの要領でモビールスーツの操縦を体験できるのが特徴。システム基板チヒロを使用しており、05年春に出荷を予定している。
4.米国家庭用TVゲームソフトメーカーでナスダック上場会社の、アクレイム・エンタテイメント社(本社ニューヨーク、グレゴリー・フィッシュバッハCEO)が8月30日付けで、破産法第7条の手続き(清算)を申請し、17年半に及ぶ業務を停止した。アクティビジョン社の部長だったフィッシュバッハ氏らが87年3月、NES(ニンテンドウ・エンタテインメント・システム)の可能性を確信して設立したもので、90年代中ごろまでソフトメーカーの先頭を進み、ミッドウェー社から許諾を得て「モータルコンバット」の家庭用でヒットを飛ばしたことがある。しかしながら、許諾システムで成功したものの、それでまた経営の弱体化を招き、昨年以来経営危機が取りざたされるようになっていた。直接の原因は、長期借入先のGMAC社に対する返済が不可能になったためで、倒産回避のためさまざまな努力がなされたが、家庭用市場が収縮期にあり、新たな貸し手が現れなかったため、やむを得ず清算手続きをとることにした。
5.セガサミーホールディングスの東証一部上場も9月6日に承認され、10月1日付経営統合に向けての手続きは着実に進行しており、それに伴いセガ社とサミーの子会社はどう事業統合されるかも注目されるが、今のところ急激な変化は予想されていない。セガ社の米国業務用子会社、セガ・アミューズメンツ社はこれまでどおりセガ社製品を販売しており、サミーの業務用子会社、サミーUSA社は「アトミスウェーブ」などこれまでのシリーズの新作を販売している。特に後者は「アトミスウェーブ」の新作SNKプレイモア「キング・オブ・ファイターズ・ネオウェーブ」を販売することで、メキシコを含めた中南米市場で歓迎されているほか、「アトミスウェーブ」に基づく完成品タイプのドライブゲーム機「ファースター・ザン・スピード」や、ディアハンティングシリーズのガンゲームの新作「エキストリームハンティング」、プレイメカニックス社から許諾を受けたフットボールゲーム機「ダーティー・ピッグスキン」などを展開している。
6.JAMMAなど3協会が費用を負担し、社会経済生産性本部が受託してまとめた2003年版「アミューズメント産業界の実態調査報告書」によると、業務用AM機の販売高は前年比15.1%増の1,779億円、ゲーム場収入は5.3%増の6,377億円と業務用市場は2年連続して回復傾向にある。販売のうちTVゲームは54.5%増の350億円、音楽ゲームは0.6%減の34億円、景品提供機は37.2%増の168億円、メダルゲームは38.3%増の374億円、AM自販機は1.7%減の185億円、景品類は16.2%増の406億円。またゲーム場収入のうちTVゲームは0.8%減の912億円、音楽ゲームは15.4%減の163億円、クレーンなどの景品提供機は11.3%増の2,647億円、メダルゲームは6.9%増の1,631億円、AM自販機は3.3%減の585億円、オンラインゲームは223億円となっている。3協会は家庭用市場を対象としていないが、同報告書は家庭用TVゲームを含むものとなったままであり、このため家庭用の数値もついでに掲載されている。
7.ナムコは9月8日、「8号営業」用遊技機としてパチスロ機「鉄拳R」が出回っているが、これはナムコおよび山佐の商標権を侵害する無断改造品であり、法的な対応を進めている、とのコメントを発表した。「7号営業」用のパチスロ遊技機「鉄拳R」は、パチスロ用システム基板「システムP246」を使用しており、ナムコが液晶画像などの開発を担当し、山佐から今年6月上旬に出荷されているが、「8号営業」用には一切、製造・販売を許諾していない。しかしながら、「7号営業」用「鉄拳R」を「8号営業」用に改造したメダルゲーム機が市場に出回っていることから、ナムコと山佐では商標権侵害、不正競争行為として、法的手続きを進めることにしたもの。同様の事件として、アルゼの「7号営業」用パチスロ機を、東プロが無断で「8号営業」用メダルゲーム機に改造・販売したとしてアルゼが00年12月に提訴し、東京地裁が02年2月、東プロに対し損害賠償を命じる判決を下した事例がある。
8.SNKプレイモアは8月26日、アルゼがインターネットを通じて営業妨害をしたとして、約33億5千万円の損害賠償を求める訴訟を起こしたことを明らかにした。訴えによるとアルゼは同社サイトで2月6日、SNKプレイモアのパチスロ機「メタルスラッグ」がアルゼの特許を侵害しているので、販売差し止めの仮処分を申請したと掲載し、これによって同パチスロ機の注文がキャンセルされるなどの被害が生じた。2月23日にSNKプレイモアの弁護士が東京地裁に問い合わせたところ、アルゼは仮処分を申請したが、疎明資料の提出など補正するよう指示されていることが判明し、また同日アルゼサイトでの掲載記事も削除された。従って、2月6日には仮処分申請は正式に行なわれていないにもかかわらず、申請したとする記事を掲載し、SNKプレイモアの業務を妨害して損害を与えたとしている。なおアルゼによる本訴と仮処分申請の通知は3月1日、SNKプレイモアに届いている。アルゼはこの件についてなんら事実を公表していない。
9.ラウンドワンは8月24日に第1・四半期業績を発表し、売上高は前年同期比8.0%増の8,070百万円と増収だったが、経常利益は11.8%減の1,843百万円、純利益は26.3%減の1,057百万円と大幅減益になった。同社では部門別の業績を明らかにしていないが、ボウリングエリアの完全禁煙化で既存店売り上げが軟調に推移したものの、年末にオープンした広島店と北心斎橋店、3月にオープンした福岡天神店の新設効果により増収になった、としている。計画どおりなので中間期業績予想は変更していない。
◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。
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