カプコン「ストU」の無断コピー基板を製造していた台湾の4社の代表に対し、台北地裁は禁固刑を言い渡した。業界発展に尽くしたナムコの真鍋正副会長が死去した。米国タイムワーナー社は、子会社のアタリゲームズ社などをタイムワーナー・インタラクティブ社(TWI)として統合した。テクスメックスが倒産した。(1994年6月15日号)
風営法改正案のための省庁間の覚書によると、SCロケが許可対象になるかどうかについて警察庁と通産省の説明が異なることが判明した。衆議院地方行政委員会での法案審議がやっと開始されることになった。中部オペレーター会はNAOを退会した。実用新案権問題でTVゲーム機メーカー19社が東京高裁に出訴した。(1984年6月15日号)
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【ニユースダイジェスト】
1.ナムコは6月1日、ホテルオークラで創立50周年記念パーティーを開催し、創業者の中村雅哉会長の知人、友人、業界関係者などが集まる盛大な催しとなった。中村氏は1955年6月に中村製作所を設立し、最初の事業として松屋横浜店の屋上に、木馬を一回5円で2台設置して、初年度の売上高が147万円で、17万円の赤字だったが、現在それが巨大な会社に成長したと語った。木久四郎社長ら取締役を紹介し、後継者に恵まれたことも幸いだったと述べた。来賓挨拶では、森喜郎前首相が中村氏の助言で「IT革命のヒントを得た」と述べ、SCEの久多良木健社長は「PS一億台を達成できたのはナムコのゲームソフト、リッジレーサーのお陰」と語った。ナムコの子会社、日活に関係する小林旭、役所公司、加藤晴彦らの俳優も登場した。ナムコでは06年5月までの二年間を「50周年記念キャンペーン期間」とするとしており、それが開始されたことになる。
2.タイトーは6月3日、「ウィンドウズ」パソコンをベースにした低価格の業務用システム基板「タイプエックス」(Type X)を開発したことを明らかにした。同システムを使用した一作目のTVゲームは10月に出荷し、05年3月までに5−7タイトル出荷する予定。「タイプエックス」は、業務用で主流となっている各社独自設計のハードウェアでもなく、また家庭用ゲームのハードウェアに基づくものでもなく、マイクロソフト社の「ウィンドウズXP」を使用するパソコンをベースに、ゲーム以外の機能を省く方向で開発されたもので、タイトーが企画、仕様を決定し、東芝パソコンシステムが製作した。「ウィンドウズ」PC用ゲームソフト開発の環境さえあれば開発が可能で、しかも拡張性に優れており、細かい画像表現も可能となる上、ゲームソフトはハードディスクに収納するので取り扱いが容易になり、製造コストを減らすことで販売価格も下げることができる、などのメリットがある。タイトーは他のメーカーにもこのシステムの利用を呼びかけたいとしている。
3.セガ社は5月21日東京(25日大阪、27日福岡)で新作展を開催し、「クエストオブディー」、「バーチャファイター4・ファイナルチューンド」などを披露した。「クエストオブディー」は「魔道書D」を取り戻すことをテーマにしたネットワーク型RPGで、モンスター、スキル、アイテムの三種類のカードを使用しながら、遠隔地のプレイヤーと4人で協力プレイするもの。操作はタッチパネルで行なう。ただし高速のデータ通信が必要となるため、NTTの光ファイバーを利用できる環境でないと設置できない。9月発売予定。「バーチャファイター4・ファイナルチューンド」は「バーチャファイター4」としては最終バージョンとなるもので、7月下旬に出荷される。またサミーは5月21日東京(26日大阪)で新作展を開催し、「アトミスウェーブ」用新作ソフト「ザ・キング・オブ・ファイター・ネオウェーブ」を披露した。これはSNKプレイモアが「アトミスウェーブ」用に開発した初めてのゲームで、スーパーキャンセルモードやガードブレイクモード、MAX2モードを選択して使用できるなどの特徴があり、7月下旬出荷予定。
4.JAMMAは5月27日開催の総会と理事会を経て、里見治サミー社長を新会長に選任した。副会長には林隆タイトー専務と、石川祝男ナムコ常務が新任で、木村雅三総商社長が留任で選任された。なお会員社内の異動により新たに理事となったのは、以上のほか、アトラスの奥出信行社長、カプコンの初野純孝執行役員、テクモの長田延孝取締役、バンプレストの仲田隆司副社長。監事ではトーゴ相田進氏に代わりエイコーの辻谷博男会長が就任した。なお事務局は6月14日付けで虎ノ門センタービルに移転することになった。JAMMAは中山隼雄前々会長が指摘していたとおり「方向性を見失った」まま、柿原彬人前会長に引き継がれ、業者団体としての意味さえも見失ってきていたと理解されている。業務用アミューズメントマシン業界の将来像を描くだけの可能性があるかどうかは、行き詰っているJAMMAの現状を新執行部がどれほど具体的に改革していくかにかかっているが、現在のところは何も明らかではない。
5.米国ネバダ州のゲーミング・コントロール・ボード(GCB)は6月4日、アルゼが同州でゲーミング機を製造販売することについて、2年間の限定期間付きで許可することを認めた。岡田和生アルゼ社長が個人的に所有するユニバーサル・ディストリビューティング・オブ・ネバダ社(UDN)をアルゼが買い取ることについては、承認申請が出されてからすでに4年経過しており、アルゼ側の事情により承認保留となっていたが、それもやっと解決することになった。正式には6月17日のネバダ・ゲーミング・コミッション(NGC)で承認される。GCBの聴聞会には岡田社長とウィンリゾート社のスティーブ・ウィン会長が出席し、岡田氏が法令を遵守することをウィン氏が請け合ったことが大きかったとされている。ただしGCBは、今後GCBが必要とする事項について、アルゼが実質的にすばやく資料を提出できるよう具体的な条件を付けた。なおウィンリゾートは05年4月にオープンする予定だが、それに必要なカジノ経営の許可については、改めて申請される予定だ。
6.アルゼの子会社、アドアーズは5月25日に04年3月期単独決算を発表。売上高は前年比6.3%増の23,009百万円、経常利益は12.3%減の2,939百万円、当期利益は6.8%減の1,335百万円だった。部門別売上高では、ゲーム場運営が0.7%増の16,970百万円、パチスロ機などのレンタルが23.6%減の2,218百万円、店舗の設計施工が大阪のアルゼ道頓堀ビル完成に伴い154.2%増の3,308百万円、不動産事業が12.0%減の510百万円となっている。ゲーム場は5店開設(アドアーズ上野、川口、横須賀、浅草、新習志野の各店)、2店増床、10店リニューアル、2店閉鎖で期末は65店。05年3月期は積極的な新規出店などを計画し、売上高250億円、経常利益32億円、当期利益14億円以上を見込んでいる。
7.アルゼは5月25日の夜、04年3月期連結決算を発表、売上高は前年比26.7%減の101,077百万円、経常利益は79.5%減の8,399百万円、最終利益は99.1%減の156百万円と、大幅減収で辛うじて赤字を免れるものとなった。これはパチスロ機「ゴールドX」の不具合と、その不具合に対する過度のペナルティー制御により販売不振となったためとしている。部門別では、パチンコ・パチスロで売上高が35.4%減の74,766百万円、営業利益が68.5%減の15,475百万円、アドアーズが担当するゲーム場運営は売上高が0.6%増の16,945百万円、営業利益が4.7%減の3,672百万円、業務用ゲーム機・家庭用ゲームソフトなどは売上高が90.2%増の5,567百万円、営業損失が282百万円(前年は111百万円)などとなっている。アルゼは「オーナー社長だった岡田和生社長を主軸に動いていた組織を見直す」としているが、トップの異動まではまだ明らかにしていない。
8.5月18日発表のサミー04年3月期連結決算は、売上高が前年比51.5%増の251,226百万円、経常利益が33.9%増の68,330百万円、最終利益が39.6%増の32,196百万円と大幅な増収増益だったが、これは「北斗の拳」などパチスロ/パチンコ機が大きく伸ばしたため。部門別売上高では、「7号営業」の遊技機が52.0%増の226,624百万円で、大半を占めており、営業利益も39.4%増の84,597百万円となった。これに対し「アトミスウェーブ」など業務用AM機は売上高が23.6%増の7,779百万円と伸ばしたものの、ゲームソフト開発費が増加して1,651百万円(前年は491百万円)の営業損失になり、また家庭用は売上高が36.7%減の4,864百万円で、5,048百万円(同1484百万円)の営業損失となった。
9.演奏する曲をネットからダウンロードするジュークボックスが米国で新たなビジネスとなっており、その特許をめぐってタッチチューン・ミュージック社(ジョン・ペラションCEO)とイーキャスト社(ロビー・バナジビーCEO)が訴訟中だったが、4月下旬にイーキャスト社がタッチチューン社にロイヤリティを支払うことで和解し、両者が訴訟を取り下げたことが分かった。タッチチューン社が取得した特許と、英国NSMミュージックグループ社が持ちイーキャスト社が許諾を受けている特許について、両者はクロスライセンスすることでも合意した。連邦地裁は03年12月に、イーキャスト社がタッチチューン社の特許を侵害したとするサマリージャジメント(略式判決)を出したため、紛争が深刻化すると見られていたが、解決したのでビジネス上のトラブルもなくなった。
◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。
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