2004年5月1日号

Last updated on April 26, 2004

特報

 カラオケボックスで補導された少年は1万8千人以上に上ることが、警察庁・少年課調べで分かった。

 AOUの新会費制度が5月の総会で正式に決定される見込みとなった。

海外

 米国ASI04で注目されたベトソン社の「ターゲット:テラー」は、ジャービスたちのロウ・スリルズ社が開発した。

 ルーマニアの「ドラキュラパーク」建設の向けて、投資を募る新会社が設立された。

国内

 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の次期社長にガンペル氏が内定した。

 東京ディズニーランド(TDL)で「トイストーリー」に基づく新アトラクションがオープンした。


2004年5月1日号のニュースダイジェスト

写真はAOUエキスポ04で、上はタイトーのネットワークシステムNESYS(ネシス)を使用する2作目の「ゾイドインフィニティ」。下はサミーの小間で行われた発表のようすで、右の平田和也SNKプレイモア開発本部長は、業務用ゲームソフトの開発は「ネオジオ」用から「アトミスウェーブ」用に転換することについて語った。一作目の「キング・オブ・ファイターズ・ネオウェーブ」は4月下旬にはロケテストに入った。


10年前の主なニュース


 5年以上続いた米国アタリゲームズ社と任天堂の特許・著作権などに関する訴訟は、和解することで終了した。セガ社は家庭用「サターン」に基づく業務用CGシステム基板「ST−V」(タイタン)の開発を明らかにした。AAGの調査活動に基づき、スペインとイタリアで、コピー基板の販売業者が捜査当局に摘発された。(1994年5月1日号)。

20年前の主なニュース


 ゲーム場を風俗営業として規制する風営法改正案にJAMMAは、条件闘争のNAOと別に、あくまでも反対することを確認し、オペレーター部会を発足した。NAOのSC部会はメダルゲーム機の撤去などを議論した。米国PTT社が経営危機に陥り、バリー社に買い取られることになった。ダイサン商事が倒産した。(1984年5月1日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1.米国ASI04で最も注目されたTVゲーム機のひとつ「ターゲット:テラー」は、業務用ゲームソフト開発のロースリルズ社(シカゴ郊外、ユージン・ジャービス社長)が開発したもので、米国ではベトソン・エンタープライゼス社から4月に発売された。欧州ではナムコヨーロッパ/ブレント社から発売される。ジャービス社長はアタリ社を経て79年にウィリアムズ社に転職し、80年の「ディフェンダー」などヒット作を開発したことで知られているが、01年にミッドウェーゲームズ社を退職し、開発技術者を集めてロースリルズ社を設立していた。「ターゲット:テラー」はテロリストとの戦いをテーマとするガンゲームで、レンダリング処理された画像を使用するなどの特徴がある。ロースリルズ社の2作目はAMOA04で披露される予定。ベトソン社はミッドウェーゲームズ社の業務用TVゲーム機の続編として「アルティメイト・アークチックサンダー」もASI04で紹介した。

 2.昨年全国のカラオケボックスで補導された少年は1万8,160人で、統計を取り始めた93年以来最も多くなったことが分かった。警察庁・少年課が4月8日に発表した「カラオケボックスに関係する少年非行等の状況」によるもので、補導することになった不良行為は喫煙が最も多く1万4,069人、次いで深夜はいかい1,706人、飲酒1,068人となっている。カラオケボックスの営業所は年々減少しており、03年は6.7%減の8,114店で、うち許可を得ている飲食店営業所は6,840店(うち風営法で定められ、届け出ている深夜酒類提供飲食店は1,364店)だった。午後10時以降18歳未満の者は入場禁止と表示している店は、全体の79%に当たる6,432店あった。酒類を販売しているのは94%に当たる7,539店で、タバコを販売しているのは82%に当たる6,630店だった。カラオケボックスに関係する犯罪では、少年事件で82件、144人を、成人事件で101件、124人を検挙した。

 3.AOUは3月23日の全国協会長会議で「新会費制度」の実施手続きを説明し、5月14日の通常総会で可決され次第、4月にさかのぼって実施し、9月ごろには軌道に乗せることを明らかにした。47都道府県のオペレーター協会が会員となっているAOUは、文字通り地方の協会の連合会であり、財務的には主に展示会などの事業収入と地方協会がAOUに納入する会費収入により運営されているが、展示会の規模縮小に伴い2年前から会費制度の見直しが進められていた。新会費制度は、複数の都道府県にわたりゲーム場を経営するオペレーターを含め、オペレーターごとに設置台数に応じてAOUに納入する金額が決まることになる。このため地方協会がそれぞれのオペレーターから会費を徴収する代わりに、新設される徴収代行機関が徴収することにし、地方協会のための会費はそれぞれのオペレーターが設置する都道府県ごとの台数に応じて地方協会に配分されることになる。ただし大手3社のAOU会費は計4千万円を予定している。

 4.テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ)を運営するユー・エス・ジェイは4月19日、次期社長に米国ユニバーサル・パークス&リゾート社海外部門のグレン・ガンペル代表を招くことをほぼ内定した。6月末に開く株主総会を経て正式に決まる予定で、元大阪市助役の佐々木伸社長は代表権のある会長に就くことになる。開業4年目になる「USJ」だが、02年度(4−3月)の入園者が763万7千人にとどまったのに対し、03年度は988万9千人と29%も回復した。だが02年の不祥事続発で、03年3月以降二度目以降の入場料が無料になる格安チケットを販売したこともあり、格安チケット分を除くと715万8千人で、さらに02年度を下回ることになる。03年6月オープンの「シュレック・4Dアドベンチャー」、04年1月オープンの「アメージング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマン・ザ・ライド」など大型アトラクションを追加しているが、巨額の投資を続ける余裕はなくなっている。今回のトップ異動は、第三セクターの弊害が表面化しないうちに、強力な経営陣へと転換を図るためのものと見られている。

 5.03年度(4−3月)の「東京ディズニーランド」(TDL)と「東京ディズニーシー」(TDS)の合計入園者は、前年比2.6%増の2547万3千人で、過去最高となった。運営するオリエンタルランド(OLC)が明らかとしたもので、開園20周年記念のイベントやショーを積極的に展開したほか、TDSの年間パスポートを新発売したことなどが寄与したと説明している。なお、TDLで4月17日、3年半ぶりの新アトラクション「バズ・ライトイヤーのアストロブラスター」がオープンした。ディズニー映画「トイストーリー」に基づく参加型アトラクションで、バズ・ライトイヤーと一緒にロボットを率い、宇宙征服をたくらむ悪の帝王ザークと戦うという設定。3人乗りの「スペースクルーザー」に乗り込み、光線銃「アストロブラスター」で巨大ロボットを撃ちながら、約150mを移動していく。02年9月まであった「ビジョナリアム」の跡地に建設中だった。

 6.ルーマニアのテーマパーク「ドラキュラパーク」の建設については、必要な民間からの投資を募るための新会社、ドラキュラパーク社が設立されており、同社によると早ければ04年夏に着工し、05年5月にオープンする見通しになった。01年に最初の計画が発表されてから計画は二転三転しており、建設予定地については当初シギショワラに決めたのを撤回し、首都ブカレストに近いところに移すことにしたあたりから、実施が危ぶまれることになったが、建設予定地はブカレストから38kmにあるスナゴフに決まった。シギショワラにはドラキュラ伯爵のモデルとなった中世ワラキア王国プラド侯の城があるが、ユネスコ世界遺産に指定されており、しかも僻地である。しかし、スナゴフにはプラド侯の墓がある上、首都および国際空港に近いので、年間百万人の入園者が見込める。ただし建設に必要な資金は、当初計画を大きく上回る7千万ドル近くになった。ルーマニア政府が計画を支援しており、コカコーラ・ヘレニックボトリング社やブラウユニオン・ルーマニア社などもあきらめずに投資するが、資金はまだ足りず、そのため海外からの投資を求めているとのこと。

 7.バンプレストは4月21日、「浅草花やしき」事業を更生会社トーゴから継承することについて、正式に基本契約を締結したと発表した。これに伴い、バンプレストの田中英利常務がトーゴの事業管財人を兼任することになった。更生計画案では実質的にトーゴの遊園地事業を買い上げて、バンプレストの子会社で休業中のピアザ・サービスに移し、ピアザ・サービスを改称する(新社名は未定)というもので、6月中旬に裁判所に提出し、7月下旬の認可に基づき、8月下旬に譲渡される予定。トーゴの会社更生手続きは1月19日の申請後、2度にわたる競争入札を経て、バンプレストが4月8日に優先交渉権を獲得していた。子会社を通じて「浅草花やしき」を手に入れるため、バンプレストは約20億円投資する予定で、バンダイグループが持つキャラクターを使って再建するとともに、「浅草花やしき」ブランドを手に入れることでバンプレストのアミューズメント事業を強化するとしている。「浅草花やしき」の営業は継続されており、高井初恵名誉園長ら50人の正社員は新会社に再雇用される予定。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。