AOUエキスポ94は一段と大規模になり、セガ社「デイトナUSA」などCGゲーム機が主役となった。タイトーは三洋電機による立体TVゲームを披露した。セガ社は欧州家庭用が悪化し、12年ぶりに減益の見込みとなった。米国任天堂のハワード・リンカーン上級副社長が会長に昇格した。近江電子が会社整理を申請した。(1994年4月1日号)。
警察庁はゲーム場を風俗営業として規制対象にする方針を決め、法改正の素案を発表した。NAOはそれに「絶対反対する」活動を開始したが、しばらくして「全面反対は難しい」との方向に転換した。米国のメーカー協会による初の春のショー、ASIが成功した。アタリ社は、家庭用を改造し業務用に使用していた業者を提訴した。(1984年4月1日号)。
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【ニユースダイジェスト】
1 米国春の業務用AM機器展、ASI04(3月9−11日、ラスベガス)は、「リプレイ」によると前年比約15%減の出展社と5%減の登録入場者で、一段と小規模な展示会となったが、05年3月は長年固定してきたラスベガスからシカゴ市内へと開催場所を移すことが決まり、景気回復を目指す本格的な改革が行なわれる見込みとなった。ASI04に出展した日系企業はセガ・アミューズメントUSA社、サミーUSA社、ナムコ・アメリカ社の3社のみで、米国勢はTVゲーム分野でグローバルVR社、チームプレイ社、トリオテックAM社、ウルトラケイド社などにとどまった。現在大手のインクレディブル・テクノロジー社(IT)はASIとAMOAエキスポの統合を主張して、ASIへの出展を昨年から拒否しているが、ASIと同時開催されたナイトクラブ&バーショーには出展している。フリッパーはスターン社のみで、新作の「ビリーブ・イット・オア・ノット」を出品して人気を集めた。
2.米国ユニバーサルスタジオズ社とセガ社のジョイントベンチャーであるセガ・ゲームワークス社(本社ロサンゼルス郊外、ロン・ラム社長兼CEO)が、経営コスト削減のため米国破産法第11条(チャプターイレブン)の手続きを申請したことが、3月19日に判明した。この手続きはナムコ・サイバーテインメント社がSCディベロッパー側との契約条件緩和のため98年1−8月にかけて実施して効果を上げたことがあり、必ずしも倒産につながらないが、重要な手続きであることに相違はない。セガ・ゲームワークス社は97年3月の「ゲームワークス」シアトル店以来16店(うち海外2店)と飲食スペースのない「ゲームワークス・ジュニア」6店を展開している。セガ社が38%所有するセガ・ゲームワーク社自体の売却はないとされているが、サンフランシスコにある「ソニー・メトレオン」を03年10月に買い取ったパラダイム・エンタテインメント社が、「ゲームワークス」チェーンを買い取ることで交渉しているという情報もある。
3.セガ社は3月18日、業務用ゲーム基板開発でパワーVRのグラフィック能力を最高に高める技術を導入するため、英国のイマジネーション・テクノロジー社(IMG、ロンドン、ホセイン・ヤサイCEO)と提携した、と発表した。パワーVRはIMG社が商標権を持つ3D画像処理チップで、IMG社傘下のパワーVRテクノロジー社などがその技術を進化させており、セガ社ではこれまでにも「ナオミ」シリーズなど業務用でこれらの技術を採用してきている。今回の発表は、IMG社の最高レベルのパワーVR画像処理チップを、セガ社が次世代業務用基板に採用することにしたもので、これにより従来よりさらに優れたCG技術を使ったTVゲームを開発することができると期待されている。セガ社の矢木博AM製品開発本部長は、「この新しい業務用基板は、われわれの戦略の最先端を行くものであり、世界でも群を抜くものになるだろう」と述べているが、この基板の正式名称はまだ明らかにしていない。
4.SNKプレイモアは2月8日に同社初の本格的パチスロ「メタルスラッグ」を発売し、成功させたが、これに対しアルゼはウェブサイト上で仮処分申請をしたと2月6日に掲載し、さらにこれに対しSNKプレイモアが2月7日にアルゼの発表は営業妨害だとするコメントを発表していた。しかしこのほど、アルゼはウェッブサイト上の発表を削除した上で、3月1日までにSNKプレイモアに対する特許侵害訴訟および仮処分申請を提出していることが判明した。SNKプレイモアは3月9日、パチスロ「メタルスラッグ」を出荷していない段階においてアルゼ側で特許侵害を確認できるわけではなく、またそもそも特許侵害はありえないので、明らかに故意に業務妨害を意図したものだとして、大阪府警吹田署に偽計業務妨害の刑事告訴をしたことを明らかにした。同社はこれまでにも著作権法違反などでアルゼを告訴しており、これが4件目となる。
5.大阪市の土地信託事業で約360億円の負債を抱える都市型遊園地「フェスティバルゲート」(浪速区)を巡り大阪簡裁は3月10日、事業を受託した信託銀行3行と大阪市に対し調停案を示した。これは3行が信託契約を9月に解除するとともに負債のうち約180億円を負担し、残り200億円を大阪市が負担するという内容で、大阪市はこれを受け入れることを19日に内定、市議会に議案として提出した。早ければ3月中に可決成立する見込みとなっている。「フェスティバルゲート」は97年7月、大阪市の市バス車庫跡地に建設された複合施設で、入園料の要らない遊園地と温泉プールからなり、ローラーコースターなど遊園施設は買い取りで導入し、ゲーム場も入れていた。しかし経営は役所並みの上、膨大な金額の警備費が使われており(最初の6年間だけでも100億円)、当初から赤字経営に悩まされてきた。今回の調停で切り抜けたところで、原因を追究しないとますます泥沼に陥ると見られている。
6.バンプレストは3月24日、任期満了で退任する伍賀槌太社長の後任として、仲田隆司(なかだ・たかし)副社長の社長昇格を内定したと発表した。6月中旬開催予定の株主総会と取締役会を経て正式に決定する。仲田氏は48年石川県生まれで、67年にバンダイ入社。95年バンダイ取締役、01年常務を経て、03年6月からバンプレスト副社長。バンプレストは4月1日付の組織改革と人事異動を2月26日に発表したばかりである。なおナムコでも3月10日に組織改革と人事異動が発表されており、4月1日付で橘正裕常務が専務に昇格し、家庭用ゲームソフト部門のCTカンパニーを担当する予定になっているが、業界団体の役員については従来どおりとなるもよう。
◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。
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