2003年9月15日号

Last updated on September 13, 2003

特報

 AMショーではセガ社「アウトラン2」、カプコン「機動戦士Zガンダム」最新作などに人気が集まった。

 サミーはAMショーで、「AW」用ゲームにSNKプレイモアが参入、カプコンもライセンスしたと発表した。

海外

 米国ビベンディ・ユニバーサル社はGE社の資本傘下に移ることが決まった。

 米国ロウ・インターナショナル社が業務安定のためチャプターイレブンを申請した。

国内

 タイトーはトミーと提携、「ゾイド」をもとにした業務用TVゲーム開発を明らかにした。

 AMショーの「主催者ゾーン」には、ゲーム料金のカードシステムとアイスクリーム自販機が出品された。


2003年9月15日号のニュースダイジェスト

写真はAMショーで人気を集めた、セガ社のTVドライブゲーム機「アウトラン2」(上)と、カプコンのTV格闘ゲーム機「機動戦士Zガンダム・エゥーゴvsティターンズ」(下)を試しているようす。


10年前の主なニュース


 8月下旬に幕張で開催されたAMショーで、セガ社とナムコによるCGゲーム、カプコンとSNKによる格闘ゲームが話題となった。初のブラジルAM機展SALEX93が開催され、SNKとカプコンのゲーム機に人気が集まった。米国連邦地裁の陪審は、NESセキュリティチップの特許を有効とする評決を出した。「オーシャンドーム」を含む宮崎の「シーガイア」が7月末にオープンした。(1993年9月15日号)。

20年前の主なニュース


 子ども用メダルゲーム機はメダルゲームの発想からするとありえないし、作るべきでないとする見解をJOUがまとめた。無断コピー基板をカナダから米国に持ち込もうとした日本のナサトレーディングの社長ら3名が米国税関に逮捕されたのを受け、連邦大陪審が起訴した。米国でシネマトロニクス社のLDゲーム機「ドラゴンズレア」がヒットした。(1983年9月15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1.サミーはAMショーの初日(9月11日)自社ブースで、「アトミスウェーブ」(AW)用ゲームソフトにサードパーティーとしてSNKプレイモアが参加し、「ザ・キング・オブ・ファイターズ」シリーズの新作を04年春にも出荷することを明らかにした。SNKプレイモアは旧SNK時代を含め他社の業務用システム基板用にソフト供給をしたことがないが、初めて「ネオジオ」用以外にも開発することになり、「ネオジオ」でてきなかった、より高度なハードウェア技術を生かしたゲーム開発が可能になると期待されている。またサミーは、カプコンのライセンス供与に基づき、「ギルティギア」シリーズの開発で知られるアークシステムワークスが、「サミーvsカプコン」(仮称、出荷時期未定)を開発していることを発表した。「アトミスウェーブ」用ゲームソフトでは台湾のIGS社が開発した「新三国戦記・七星転生」を来春出荷予定しており、ゲームソフト供給の幅を急速に増しつつある。

 2.サミーはAMショーで「AW」のネットワークシステム、「AW−Net」と「ギルティギア・イスカ」などその対応ゲームソフトを今冬発売すると発表した。「AW−Net」はゲーム機をサミーのコンピューターとインターネットでつなぐだけでなく、「AWカード」を介してプレイ実績などのデータを管理するというもので、使用料は月300円。獲得ポイントなどのメリットもある。「AW−Net」対応ゲームソフトは、今冬発売される「ギルティギア」シリーズ最新作、「ギルティギア・イスカ」と、来春出荷される「ネットセレクト・サラリーマン金太郎」、「フォースファイブ」などを予定おり、これらもAMショーで出品された。アルゼはネットワークシステム「プラットネット」を専用キャビットで紹介、対応ソフトとして、PCゲームからの移植版「バトルマリンアーケード」、麻雀ゲームの「雀聖道」など出品したほか、基板タイプとしてPCゲームからの移植版「タワー&シャフト」、パチスロゲーム「花火でドーン!」など紹介した。

 3.タイトーはトミーと提携してトミーのキャラクター玩具「ゾイド」を元にした業務用TVゲーム「ゾイドインフィニティ」を開発、04年3月に出荷すると発表した。コックピットタイプになる模様だが、出品はされなかった。このほか、「バトルギア3チューンド」(246)、アイキー「ポチッとにゃー」(ネオジオ)、サクセス「サイヴァリア2」(ナオミ)、サイバーフロント「コロン」(Gネット)、「スペースインベーダー・アニバーサリー」(同)などを出品した。セガ社は17年ぶりに、マニア向けカーレースから一般プレイヤー向けドライブゲームに復帰、「チヒロ」基板に基づく「アウトラン2」(今秋発売)を出品したほか、「激闘プロ野球」(TF)、「ぷよぷよフィーバー」を紹介した。ナムコはロケテスト段階の「ドラゴンクロニクル」、多人数用キャビネット「グレネオン」を使用する麻雀ゲーム「龍華(ロンファ)麻雀」、ガエルコ社開発の「トウキョーコップ」、そして「太鼓の達人5」を紹介した。

 4.カプコンは6月ごろからロケテストを進め、今月発売となる「機動戦士Zガンダム・エゥーゴvsティターンズ」(246)で人気を集めた。ほかに格闘もの「プライドGP2003」、ミッチェルのパズルゲーム「キューポン・タコ」など出品した。エイブルは悠紀エンタープライズ/SNKプレイモアの格闘ゲーム「サムライスピリッツ零」(9月25日発売、ネオジオ)、アイキー「ポチッとにゃー」(発売未定、同)を紹介した。カトウ製作所は完成版「三味線ブラザーズ」を出品した。主催者側によると今回のAMショーでは、ゲーム場に「付随する自動販売機」と「店舗管理システム」という二つのテーマによる「主催者ゾーン」を設定したことに意味があるとしており、このゾーンで例えば江崎グリコが18年も展開しているアイスクリーム自販機「セブンティーン」を出品した。これがどういう意味を持つかは、今回のAMショーを読み解く鍵となっている。

 5.テーマパーク「ユニバーサルスタジオ」や映画会社、テレビ局などを持つ米国のビベンディ・ユニバーサル・エンターテインメント社(VUE)は結局、米国三大ネットのひとつであるNBCと合併することになった。9月2日にNBCの親会社である米国ゼネラル・エレクトリック社(GE)と、VUEの親会社であるフランスのビベンディ社が合意したもので、合併してできる新会社の株式の80をGE社が、20%をビベンディ社が保有するとともに、ビベンディ社がGE社から38億ドルを受け取ることで、GE社がビベンディ社の負債16億ドルを肩代わりすることになった。ビベンディ社は3年前にユニバーサルの娯楽部門を買収してフランス資本による米国文化への侵略と騒がれたが、早くも行き詰まり、VUEなどの売却先を探すことになった。しかしそれも難航し、NBCとVUEとの合併という形でやっとおさまることになった。合併後の新会社はAOL、ウォルトディズニー、バイアコムにはまだ及ばないものの、年間売上高130億ドル規模の総合メディア企業が誕生することになる。

 6.米国ミシガン州グランドラピッドにあるジュークボックスメーカー、ロウ・インターナショナル社が8月末に連邦破産法第11章(チャプターイレブン)を申請したが、これは業務安定を目的とした経営の再構築のための手続きだとされている。同社は1926年に煙草の自動販売機から自販機メーカーとなったウィリアム・ロウと、09年設立でピアノ演奏機のメーカーだったAMI社が50年代後半に合併し、大手ジュークボックスメーカーとなったもので、今でもCDジュークや、インターネットで曲をダウンロードするデジタルジュークなどと両替機を製造している。同社のダグ・ジョンソン会長兼CEOによると、業績は順調であり今後もそのまま続けるが、8千万ドルもの長期固定負債が経営を圧迫しているため、経営の再構築を目的として債権者の支持を得た上でチャプターイレブンを申請した。チャプターイレブンは多くの場合倒産手続きとして使用されるが、そうでなく経営上の困難を取り除くために活用されることがあり、今回の場合は後者に当たるとされている。

 7.ナムコは9月8日、南海電気鉄道との共同事業として、10月7日に旧大阪球場の跡地に開業する複合商業施設「なんばパークス」の7階にフードテーマパーク「大阪ヌードルシティ〜浪速麺だらけ〜」を同時オープンすると発表した。「大阪ヌードルシティ」は日本各地の麺文化を形成しているうどん、そば、ラーメンなどの魅力を堪能するというもので、麺店舗10店と物販1店で構成される。これまでそれぞれ年間百万人以上の集客実績を持つフードテーマパークを開発してきた、ナムコの「チームナンジャ」が企画設計し、運営する。床面積1,270uを占める「大阪ヌードルシティ」は初年度150万人の入場者、14億円の売り上げを見込んでおり、「なんばパークス」の核テナントとなると考えられている。

 8.ブロッコリーは8月29日、業績予想を大幅に下方修正するとともに、10月にもタカラの資本参加に入ることを明らかにした。タカラも同様に合意内容を発表した。ブロッコリーはマニアに人気のあるアニメキャラクター商品の企画販売で店舗を拡大してきたが、このところ売り上げは伸び悩んでおり、経営の再構築を迫られていた。このため不採算ゲームソフトの廃棄、不採算店舗の閉鎖などを8月中間期で実施し、これに伴う特別損失約6億円により04年2月期は連続赤字の見込みとなった。しかし、木谷高明社長が持つ2百万株と第三者割当増資で発行する8百万株をタカラが取得することにより、タカラがブロッコリーの株式の51.6%所有し、親会社になって財務体質の強化を含め経営を立て直すことになった。株式発行価格などは9月10日ごろに決定する予定。木谷社長の株式譲渡代金は全額会社に譲渡する予定。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。