2003年8月15日号

Last updated on August 12, 2003

特報

 日本ユニカが直営店の「宝島」新浦安店で「エディ」カードの使用を開始した。

 セガ社、ナムコ、タイトーとも第1・四半期の業績が好調だった。

海外

 オーストラリアのLAI社が直営店に集中するため、販売を閉鎖した。

 米国ブロムリー社が韓国Gゲート社の許諾を受けて「ピンポン」を出荷する。

国内

 大手以外のオペレーターでも、第1・四半期のゲーム場経営は好調だった。

 セガ社の開発子会社再編計画が6社プラス1社でまとまった。


2003年8月15日号のニュースダイジェスト

写真は日本ユニカのゲーム場「宝島」新浦安店で、ゲーム機に取り付けられた「エディ」カード読み取り機のようす。それぞれ「E−Zero AC」、「UFOキャッチャー」での取り付け部分。


10年前の主なニュース


 旭精工の硬貨払い出し用ホッパーを無断コピーしていた台湾の上陽工業が、全面謝罪して和解した。JAMMAは警察庁が問題としている改造済み七号営業機での景品払い出しについて機種別の資料を作成へ、またAOUは緊急自主規制へと対応を急ぐことになった。セガ社は英国のダブリュー・インダストリーズ社とVR機で提携した。須貝興行は札幌の「スガイディノス」をオープンした。(1993年8月15日号)。


20年前の主なニュース


 米国アタリ社のレイ・カサール会長が更迭され、ジェームス・モーガンEVPが会長に昇格した。AMショーには63社が申し込み削減後の492小間に出展することになった。ユニバーサルの岡田和生社長がユニバーサル販売など関連会社に専念するため退任し、双子の弟である岡田友生本部長が社長に昇格した。「ドンキーコング」開発委託契約で池上通信機と任天堂が訴訟を起こした。オルカが倒産した。(1983年8月15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1.日本ユニカは8月1日、同社ゲーム場「宝島」新浦安店(千葉・浦安)で電子マネー「エディ」カード読み取り機をTVゲーム機やプライズマシンなど設置機種の三−四割に導入、これまでの硬貨投入との併用でスタートさせた。導入記念で1,100円分の「エディ」を1,000円で、3,000枚販売中としている。同店では秋までに、全機種に導入する予定。日本ユニカは東北地方から中国地方まで24ヵ所の「宝島」を運営しており、04年中には全店に広げるとのこと。セガ社も8月1日から、直営店「クラブセガ大崎」(東京・品川)で試験的にメダル貸し機に「エディ」カード読み取り機を取り付けたが、12月ころにはゲーム機にも導入する予定としている。「エディ」はソニーの関連会社、ビットワレットが運営しているプリペイド式電子マネー・サービス。セガ社は導入に積極的な姿勢を示しており、他社にも導入を働きかけているが、日本ユニカのほうが一歩先に進めたことになる。

 2.セガ社は8月7日、第1・四半期(4−6月期)決算を発表、今回が初めてのため前年同期比はないが、業務用と家庭用で定番商品の販売が特に順調だったと説明している。全体の業績は売上高が42,373百万円、経常利益が2,625百万円、純利益が1,889百万円だった。部門別の業績は示されていないが同社では、業務用販売で「F−Zero AX」、「バーチャコップ3」が計画通りで、大型店用のリピート商品も好調だったほか、「ムシキング」が計画を大幅に上回ったとしている。ゲーム場は七店開設、七店閉鎖で498店と変わらないが、わずかながら計画を下回った。家庭用ゲームソフトは計画を上回る販売実績になったとしている。約202億円の転換社債の買い入れ消却を実施し、固定負債を半分に減らすなど、財政を改善した。なお米国のカジノ用ゲーミング機販売子会社、セガ・ゲーミングテクノロジー社はこの四半期中に売却した。

 3.ナムコは8月6日、第1・四半期(4−6月期)決算を発表、今回が初めてのため前年同期比はないが、主な事業で当初計画を上回っており、好調なスタートとなった。全体の業績は売上高が35,547百万円、経常利益が1,270百万円、純利益が591百万円と堅調ぶりを示している。業務用は特に目を引く新作がないものの「太鼓の達人4」などリピート製品が好調で売上高6,834百万円、営業利益1,736百万円、家庭用は国内向け「太鼓の達人ドキッ!」や米欧向けリピート品と廉価版が好調で売上高6,742百万円、営業利益236百万円、ゲーム場運営は既存店収入が前年比1.1%増で四店舗増となり(閉鎖なし)売上高17,373百万円、営業利益870百万円、イタリアントマトの飲食部門は売上高1,056百万円、営業利益87百万円、日活の映画部門は売上高2,178百万円、営業利益は91百万円だった。

 4.タイトーは7月28日、早々と第1・四半期(4−6月期)決算を発表、売上高は前年同期比20.5%増の18,368百万円、営業利益は101.6%増の825百万円と大幅な増収増益になったが、四半期利益は税負担が復活したため0.5%増の392百万円にとどまった。部門別売上高で主力のゲーム場運営は11.1%増の10,291百万円、業務用販売は115.9%増の3,052百万円、コンテンツサービスは1.4%増の2,229百万円だった。直営ゲーム場は既存店が6%の増収になり、全体を押し上げた。業務用販売では「あそんでゲッチュ!」などの子ども向けプライズ機、「ダイノキング」などのメダルゲーム機が伸ばした。海外向け輸出も好調だった。業務用カラオケ販売では、新製品「ラブカ」の発売が4月から5月中旬にずれ込んだため計画どおりではないが、それでも前年比122.8%増の増収となった。

 5.大手3社以外の第1・四半期(4−6月期)業績でも、ゲーム場経営はこのところ順調に推移していることが裏付けられた。ラウンドワンは全体の売上高が22.5%増の7,470百万円、営業利益が2,177百万円で、ゲーム場部門の売上高は28.8%増の3,156百万円だった。アドアーズは部門別業績が示されていないがゲーム場は順調で、全体の売上高は前年同期比3.1%減の4,874百万円だが、営業利益は5.6%増の742百万円だった。スガイ・エンタテインメントは5月末にオープンしたスガイディノス旭川が好調で、全体の売上高が6.9%増の1,458百万円、うちゲーム場部門は12.4%増の1,254百万円と伸ばした。アリサカは前期オープンの5店により売上高が19.7%増の1,121百万円と大幅増収になった。またシチエは6月中間期(1−6月)決算を発表、売上高が5.3%増の5,048百万円、経常利益が11.6%減の898百万円で、うちゲーム場部門の売上高は32.9%増の2,216百万円だった。

 6.コナミは8月7日、第1・四半期(4−6月期)決算を発表、前年同期は米国会計基準でなかったため比較できないが、売上高57,425百万円、営業利益9,590百万円、純利益4,175百万円で、日本会計基準の前年同期に比べ大幅な増収増益だった。部門別売上高は、フィットネス事業(コナミスポーツ)が18,987百万円、家庭用ゲームソフトは国内海外とも好調で13,103百万円、「遊戯王」などのトイ&ホビーは米欧が好調で16,632百万円、業務用ゲーム機とパチンコ用液晶装置は6,597百万円、海外カジノ用ゲーミング機が2,543百万円などとなっている。業務用ゲーム機では同社の言う「e−Amusement」が好調だったのと、音楽ゲーム機、メダルゲーム機も売り上げを伸ばしたとしている。カプコンも8月8日に四半期業績を発表したが、全体の売上高(6,700百万円)のみにとどまった。

 7.セガ社は7月30日、開発子会社の再編計画について発表、当初9社を5社に再編し2社新設する予定だったが、6社に再編し1社新設することになった。既存子会社では10月1日付で、 @ワウエンターテイメント(中川力也代表)がオーバーワークスを吸収合併し、ワウ・ワークスに改称する、Aヒットメーカー(呉田美恵代表)がセガ・ロッソを吸収合併する、Bスマイルビット(新井瞬代表)は営業の一部をアミューズメントヴィジョン(名越俊弘代表)に譲渡する、Cユナイテッド・ゲーム・アーティスツは営業の全部をソニックチーム(中裕司代表)に譲渡する予定で、セガ・エイエムツー(片岡洋代表)はそのまま存続する。新会社はシネマティックオンラインゲームス(鈴木裕代表)が設立される予定。これらはすべてセガ社の完全子会社で、7社を束ねる中間の持株会社も設立されることになっている。

 8.オーストラリアの大手業者、レジャー&アライド社グループ(LAI、本社パース)は8月1日、業務用AM機とそのパーツの販売およびメンテナンスサービス部門を閉鎖すると発表した。1958年創業のLAI社はマルコム・スタインバーグ社長のもとで、日本や米国からTVゲーム機などを積極的に輸入し国内で販売することで業績を伸ばし、パースにリデムプションゲーム機用の主力工場を持つほどになったし、直営ゲーム場についても最近では東南アジアを含め140ヵ所まで手を広げるほどになっていた。しかし業務用ゲーム機では特にTVゲーム機など日米のメーカーから出される世界共通のヒット作が少なくなり、輸入する機種も先細ってきていたため、直営ゲーム場運営に集中するため販売とサービス部門の閉鎖を決めたもの。

 9.米国では1972年にアタリ社が業務用「ポン」でTVゲームビジネスをスタートさせたが、31年ぶりにブロムリー社が「ピン」を加えた「ピンポン」を8月中旬にも出荷する見通しになった。これは韓国のGゲート社が開発したもので、すでに3月のASIでブロムリー社の小間に出品されていたが、シカゴでのロケテストの結果が好調なことから、北米市場についてブロムリー社が本格的に販売することになった。組み立てはグランドプロダクツ社が引き受ける。「ピンポン」は画面を見ながらラケットでプレイする1人用ゲームで、ラケットの動きをモーションキャプチャーの要領でコンピューター側が把握し、ゲームに反映することになる。2台つないだ場合は「ライブアクション・ピンポン」となり、2人のプレイヤーが画面を通じて対戦することになる。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。