米国連邦地裁は部分的略式判決で、任天堂のNESセキュリティチップの特許を認め、またアタリゲームズ社によるプログラム著作権侵害を認定した。カプコンの93年3月期決算は「ストU」シリーズのヒットで、収益とも倍増した。カプコンは米国で実写版劇場映画を制作することになった。コナミは単独新作展で「マーシャルチャンプ」などを披露した。JAMMA事務局が浜松町に移転した。(1993年7月1日号)。
セガ社は家庭用パソコン「SC3000」を発売した。米国のメーカー協会、AGMAは84年から単独で春の展示会をスタートさせることを決めた。「ドンキーコング」も米国でアニメ番組化されることになった。警察庁は82年中の遊技機賭博取締りで押収台数が前年の10倍以上の13,483台(うちTVポーカーは91%)になったと発表した。「ドンキーコング・ジュニア」コピーの刑事公判が始まった。(1983年7月1日号)。
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【ニユースダイジェスト】
1.TVゲーム画面の回転機能に関する特許はデータイーストが取得していたが、リコーと任天堂両社による「画素データを優先的に読み出す」特許が別に認められることが6月18日、東京高裁の判決で示された。座標軸を中心に画像全体を回転させる特許はデータイーストが84年に申請し、94年に特許1849067として登録されていたが、これとは別にリコーと任天堂は89年に申請し、97年に特許2725062として登録された。データイーストは01年5月に、リコーと任天堂による特許請求項目1から6までの全部にわたる無効審判を請求し、特許庁は02年8月にそれらのすべてを無効とする審決を行なった。これに対しリコーと任天堂は02年9月に審決取り消しの訴えを東京高裁に起こすとともに、特許庁に訂正審判を請求した。この訂正審判は自分たちの特許の請求項目1の内容を圧縮し、2−6を削除するというもので、特許庁は3月17日にこの訂正を認める審決をした。このため東京高裁は訂正審決に基づき、元の審決を取り消したもの。
2.ボウリング機器大手の米国ブランズウィック社(本社シカゴ郊外)は6月10日、プールテーブル大手のバレー・ダイナモ社(VDLP、本社テキサス州フォートワース)を3,450万ドルで買収、ブランズウィック社ビリヤード部門にしたと発表した。バレー・ダイナモ社は古くからあるバレー社とダイナモ社が両社のプールテーブル事業を持株会社方式で98年12月に統合したもので、元のオーナーがそれぞれ半分ずつ所有していたが、それをブランズウィック社に売却したことになる。ブランズウィック社はボウリング機器だけでなく、プレジャーボートなど海洋レジャー機器やフィットネス機器など幅広くレジャー機器を製造販売していることで知られている。ゲーム場向けには30年ほど前に「エアーホッケー」でブームを生んだこともある。今回VDLP社を取得したことで、ブランズウィック社にはゲーム場向け製品として、ビリヤードやエアーホッケーなどのプールテーブルが「バレー」や「ダイナモ」のブランド付きで加わった。VDLP社はブランズウィック・ビリヤード社のジョン・ストランスキー社長が責任者となる予定。ダイナモ社の創設者であるビル・リケット氏は今年中に引退するとしている。
3.注目のTVパズルゲーム「ポチッとにゃー」がやっと7月上旬に出荷される見通しになった。同ゲームは同じ色のブロックをつなげて適当な長さになったら点火して爆発させるという、コンパイル「ぷよぷよ」とはまた異なるルールで開発されたもの。もともとコンパイルとタイトーが提携し、ナオミ基板を使用して開発されることで、昨年8月に発表された。しかしその後の状況変化で、コンパイルは今年1月に「ポチッとにゃー」などの営業権を泣Aイキ(本社埼玉県所沢市、中島俊一社長)に譲渡し、権利関係はアイキが継承した。またナオミ基板では高価格となることから、タイトーで作り上げた「ポチッとにゃー」を、ビスコが協力して「ネオジオ」用ゲームソフトにコンバージョンすることになった。こうして出来上がった「ネオジオ」用「ポチッとにゃー」は6月下旬にロケテストに出され、7月上旬にも発売されることになったもの。発売元はタイトー、エイブル、ビスコになるもようだ。
4.AOUは5月16日の通常総会で、会費の改定についての骨子を議決、今後は財政研究会が中心となって実施に向けて作業を進めるが、具体的な金額を決める場合は改めて総会に諮るとしている。今回の総会で決まったのは、「@AOUの活動を将来に亘って安定且つ継続して行なうために正会員の会費の改定を行って財政基盤の整備を図る。A会費の額は当該都道府県協会の加盟会員の遊技機設置台数に基礎を置き、全国同一の基準によるものとする。B会費の改定は平成16年度から実施するものとし、所要の調査を行うとともに、財政研究会を中心に実施に向けての作業を進めることとする。」とのこと。このうち「正会員」とあるのは「都道府県協会」と同じ意味。AOUは少なくとも形式的には公益法人であり、業界の利益を図る業者団体ではないが、加盟する都道府県協会の会員レベルでは公益法人ではなく業者団体と受け取る傾向が強いのも事実で、この認識のずれは大きいが論議されることも少ない。
5.米国では暴力シーンを含むTVゲームに対して批判的な味方をする向きがなかなかなくならないが、連邦裁判所の判決ではそれは合衆国憲法で定める言論の自由によって保証されており、規制できないことになっている。これはゲーム場で規制するとしたインディアナポリス市条例問題に関する第七巡回区連邦控訴裁の01年3月判決で明らかになったが、それとは別にセントルイス・カウンティが00年10月、暴力シーンを含む家庭用TVゲームソフトを年少者に販売・レンタルしてはならないとする条例を定めたために、家庭用ゲームソフトの業者団体、IDSAが条例無効を主張して訴えていた。これに対し連邦地裁は(インディアナポリス市条例の場合と同様)セントルイス・カウンティ条例は合衆国憲法違反にならないとしていたが、第8巡回区連邦控訴裁は6月3日にこれを逆転し、合衆国憲法に違反しており条例は無効だとした。
6.ナムコの第48回定時株主総会(6月21日、大田区産業会館)には488人の株主が出席、17名が33件について質問し、過去最長の2時間15分間に及んだが、株主ひとりひとりの質問に対して丁寧に答える、という経営陣の姿勢が評価されている。ことに「ソニーの大賀名誉会長が30年勤めて退職金が16億円なのだから、50年勤めた私は20億円もらっても良い」という中村雅哉会長の答弁など、冗談ともとれる説明で笑いも起こったほど。不調に終わったセガ社との経営統合に関する質問に対して中村氏は、「個人的にはセガ社の経営体制が幼稚な感じがする。しかし、セガ社では現場の開発力は高いので、ドアを開けて将来の可能性は残しておきたい」と述べ、注目された。ナムコの定時株主総会が平日を避けて土曜日の午後に開かれるのは、今回が6回目。別会場にナムコグループの資料、製品、イタトマのケーキなど用意して懇親会を開き、同伴家族に楽しんでもらうのも恒例となっている。今回の同伴家族は505名だった。
◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。
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