米国の連邦最高裁は「ゲームジーニー」訴訟で、予備的禁止命令の取り消しを命じた連邦控訴裁決定に関する上告を却下し、米国任天堂の敗訴が事実上確定した。トーゴは神戸の西神南ニュータウンで5年間限定のミニ遊園地「アリバシティ神戸」をオープンした。トーゴはまた、浅草花やしきの第3次リニューアルを披露した。大阪・霞町の再開発で、屋内遊園地「フェスティバルゲート」の建設が始まった。(1993年5月15日号)。
米国テキサス州メスキート市で未成年者をゲーム場でプレイさせてはならないと定めた条例問題は、連邦控訴裁判所が条例無効の判断を示して決着した。米国セガ社のゲーム場チェーン「セガセンター」をタイムアウト社が買収した。米国春のAM機展、AOEでシネマトロニクス社のVDゲーム機「ドラゴンズレア」が注目された。TVゲームを無断コピーしたジャクソンが謝罪し、タイトーは法廷和解に応じた。アタリ社は家庭用「2800」を日本で展開することになった。(1983年5月15日号)。
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【ニユースダイジェスト】
1.セガ社とサミーは事業統合することで2月13日に覚書を交わし、その後協議を続けていたが、5月8日それぞれ取締役会で事業統合を見送ることを決め、その旨発表した。セガ社の佐藤秀樹社長によると、経営方針や将来のビジョン、合併条件で折り合えなかったのが理由だが、両社では今後とも個別事業での提携・協力は進めるとしている。なお、四月中旬明らかになったナムコからの合併提案について、佐藤社長は、「合併か単独での存続か、企業価値を最大化できる選択をしたい」と語り、検討を継続するとナムコに回答したとしている。一方、ナムコは合併についてのセガ社の意向を9日までに明らかにするよう、5月1日に申し入れていた。しかしナムコは8日、セガ社から「現時点では具体的回答をする状況ではない」との回答を得たが、これでは「合併に関して具体的な協議を進めていく段階ではないと判断」して合併提案を撤回、その旨セガ社に伝えたことを明らかにした。またセガ社は8日、03年3月期連結業績予想を利益面で上方修正し、売上高1,970億円(2月の前回予想では1,950億円)、経常利益77億円(60億円)、最終利益30億円(5億円)との予想を明らかにした。業務用、家庭用、ゲーム場ともに前回予想時より順調で、しかも家庭用で販売組織のスリム化とコスト削減を進めた結果、利益がかなり増える見通しになった。
2.セガ社の米国業務用子会社、セガ・アミューズメントUSA社(本社サンフランシスコ)のアラン・ストーン社長は5月2日、ストーン社長兼COOとハウエル・アイビー技術担当社長、上原武氏の3名が9日付けで退職することを明らかにした。同社では、販売担当副社長を勤めてきたバーバラ・ジョイエンさんがこのため執行副社長(EVP)に昇格する予定だという。上原武氏はセガ本社の執行役員で業務用海外を担当してきているが、米国子会社での役職名は確認できない。米国業務用を担当する3名の責任者が退任する理由については明らかにされていないが、退任自体は円満に行なわれるとのことだ。ストーン氏は、セガ社業務用販売事業は強力なセガ本社の開発陣により、極めて好調であると強調。さまざまなに推測されているセガ本社の動向にもかかわらず、米国での展開について変化はないと説明している。
3.タイトーは4月24日、03年3月期決算(非連結)を発表、14日の予想修正よりも良い結果となった。売上高は前年比3.8%増の73,236百万円、経常利益は35.4%増の5,024百万円、当期利益は63.6%増の4,680百万円だった。主力のゲーム場運営は安定収益から高収益へと転換を進め、既存店売り上げを5%上げたうえ大型店を13ヵ所増やして売上高は7.4%増の42,336百万円となった。業務用販売は「バトルギア3」とメダルゲームの「ダイノキング」がヒットして、10.5%増の9,737百万円となった。しかしコンテンツサービスは4.7%減の8,852百万円、家庭用ゲームソフトは6.4%減の5,728百万円、業務用カラオケのレンタルと販売は7.6%減の5,289百万円にとどまった。厚生年金基金の代行返上による特別利益、関連会社バルテックの健全化に伴う特別損失などを計上した。04年3月期では通信カラオケ新機種「ラブカ」が投入されるが、売上高770億円、経常利益52億円、当期利益31億円と増収減益を見込んでいる。
4.ソニーは4月24日、第3・四半期(1−3月)と03年3月期連結決算を発表。第3・四半期では大幅赤字となったが、年間で純利益を前年の7.5倍に増やした。うちソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が中心となって担当しているゲーム部門では、第3・四半期の売上高が24.9%減の167,338百万円、営業利益が12.4%減の13,631百万円と大幅な減収減益だった。しかし年間ではゲーム部門の売上高は4.9%減の955,031百万円、営業利益は35.9%増の112,653百万円で、6部門あるソニーで最大の稼ぎ頭に成長した。同社によるとゲーム部門の売り上げはハードウェアで減少したがゲームソフトで増加した、営業利益はハードウェア、ゲームソフトともに増加した。ソニーとSCEは4月21日、最先端の半導体開発に今後3年間で2千億円を投資するとともに、「PS2」のCPUと画像処理プロセッサーをワンチップ化すると発表しており、さらにゲーム事業に重点を置くもようだ。
5.元シグマの真鍋勝紀氏が契約違反を理由に02年10月30日、アルゼを相手取って東京地裁に訴訟を起こしていたことが分かった。これはアルゼの03年3月期決算短信で判明したもので、それによると真鍋氏の個人資産管理会社であるケイエム企画(真鍋氏が社長)とアルゼの間で、米国ラスベガスにあるゲーミング機メーカー、シグマゲーム社の株式をアルゼに売却する契約書を交わしていたが、アルゼが米国ネバダ州のゲーミングボードに申請したところ許可されなかったため、株式の譲渡ができなくなった。そのためケイエム企画はアルゼに対して、三千万ドルの違約金を支払うよう求める訴訟を提出した。アルゼでは岡田和生社長が所有する米国のユニバーサル・ディストリビューティング・オブ・ネバダ社と、真鍋氏が所有するシグマゲーム社を取得することになっていたが、いずれもゲーミング機製造販売のライセンス付きなので、ゲーミングボードが許可しない限り所有権を移転できない。
6.フランスに本拠を置く家庭用ゲームソフト大手のアンフォグラム・エンタテイメント社(IESA)は5月7日、フランス本社を除いて社名をすべて「アタリ」に変更したと発表、米国のアンフォグラム・インタラクティブ社もアタリ・インタラクティブ社に改称した。アタリ社はもともと1972年に業務用TVゲーム機メーカーとして設立され、家庭用でも先駆的な業績を残したが、業務用部門はミッドウェー社に吸収された上、ミッドウェー社自体が01年6月に業務用部門を閉鎖しており、家庭用部門はジャック・トラメール氏に売却された後、JHS社、ハスブロインタラクティブ社を経由して、00年12月からIESA社が資産を所有しており、米国のアンフォグラム・インタラクティブ社が家庭用ゲームソフトのブランド名として使用してきている。
7.東南アジアのAM機市場向けに開催されているアジアAMエキスポ(AAE)は今年7月16−18日、シンガポールで開催される予定だったが、新型肺炎、重症急性呼吸器症候群(SARS=サーズ)の感染が中国を中心に世界的な拡大を続けていることから、今回は中止することが決まった。AAEはIAAPAとAAMAが共催し、シンガポールの展示会会社であるテラピン社が実務を担当しているが、IAAPAが4月22日までにAAE03の中止を決めたもの。このため早くも来年のAAE(04年7月14−16日、シンガポール)に向けて準備が進められることになった。
8.業務用をやめ、家庭用ゲームソフト販売に特化している米国ミッドウェー・ゲームズ社は5月7日、ニール・ニカストロ会長がCOOから退き、プレイボーイ・エンタープライゼス社の社長兼COOだったデビッド・ザッカー氏を社長兼CEOに就任したと発表した。ザッカー氏はESPNやウォルトディズニー社の管理職、ウォーカーデジタル社の重役を経ている。ニカストロ氏は業務の円滑な引継ぎのため、会長および重役会のメンバーにとどまるとのこと。
◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。
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