AOUエキスポ93でセガ社「モデル2」CG基板、サミー/セタ/ビスコの「SSV」システム基板などが注目された。英国でカプコン「ストリートファイターU」の無断コピー基板を販売したオートマチックAM社が摘発され、同社社長らが逮捕された。米国ジュークボックス大手のロッコーラ社の創設者、デビッド・ロッコーラ氏が96歳で死去した。タカラアミューズメントは新発田工場完成を披露した(1993年3月15日号)。
東京地裁はナムコ「ポールポジション」の無断コピー品を製造したアロー電機でコピー品154台などを仮差し押えした。米国ニューヨーク州でも連邦地裁の命令で「パックマン」などのコピー品が70台押収された。任天堂は子会社の任天堂レジャーシステムの業務を本社に統合した。コナミ工業が米国での業務用兼家庭用子会社を設立した。(1983年3月15日号)。
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【ニユースダイジェスト】
1.米国任天堂は2月11日、中国当局が中国広東省にある広東歩歩達電子(ガンドン・ブ・ブ・ダ・エレクトロニック)、艾斯克科技(エイシック・テクノロジー)、電子龍(エレクトロニック・ドラゴン)の3社を1月に摘発、「ゲームボーイ・アドバンス」本体から「ポケモン」シリーズの最新のヒット作などのゲームソフトまで、約30万点の無断コピー品およびその製造設備を押収した、と発表した。これら3社によるコピー被害額は明らかにしていないが、米国任天堂によると02年中に世界中で百万点ものコピー品を押収、その被害額は649百万ドルに達するという。02年には135件の摘発が行なわれたが、うち9月に香港の力生国際(リク・サン・インターナショナル)、10月にパナマの名称は公表されていない大掛りなコピー品製造所で行なわれたのが大きいとのこと。特に中国と香港、メキシコとパラグアイなど中米が問題だとしている。中国ではCD、DVDのコピーが盛んとされており、今後さらに重大問題化すると見られている。
2.全米AM機オペレーター協会、AMOA(アミューズメント&ミュージック・オペレーターズ・アソシエーション、事務局シカゴ)の現会長、リャード・ホーレイ氏(59歳)が2月28日、自家用の飛行機で事故死した。このためAMOAでは定款により第1副会長のクリス・ワレン氏が残りの任期を勤めることになった。ホーレイ氏はフロリダ州タンパにあるオペレーター会社、サウスイーストゲームブローカー社の社長で、小型飛行機を自分で操縦しているが、二つ目の自宅からの帰途、濃い霧の中で小型機が墜落したもの。機体と遺体は霧のため発見されるまで一日かかったと言う。葬儀は3月7日に行なわれた。AMOAの会長は1年ごとに交代され、毎年秋のAMOAエキスポと同時に開催される総会を機に第3副会長が第2副会長となり、こうして順繰りに第1副会長が会長になるというスタイル。今回のような会長死亡の例はこれまでなかった。
3.米国のインクレディブル・テクノロジーズ社(IT、本社シカゴ郊外、エレーヌ・ディットン社長)が2月20日、「グローバルVR」を展開するバーチャルテクノロジーズ社(VT、本社サンノゼ、ミリンド・バルバカー社長)を相手取って連邦地裁に著作権侵害訴訟を起こし、同時に一時的禁止命令を申請したが、シカゴにある連邦地裁は2月25日、一時的禁止命令の申請を却下した。これは、IT社の主張は本訴で争うべきだと判事が判断したためで、3月11日にも本訴のトライアル(公開審理)が開始される見通しになった。またこの申請手続きでIT社はもっぱらゲーム機本体の構造を問題にしていることが判明、IT社が当初アピールしていた著作権やトレードドレス(トレードマーク=商標とは別の製品や包装のデザインについての権利)はあまり問題にされておらず、操作盤のデザインやモニターの位置など操作系統だけを主張していることが明らかになってきた。グローバルVR社側は、「ごく一般的な業務用TVゲーム機のデザインを踏襲しているに過ぎず、IT社の権利を侵害していない」と説明している。
4.セガ社とサミーは2月13日、10月1日付け両社の事業統合で合意したと発表、両社の委員による事業統合委員会がその具体的な方法を検討することにしているが、エイシアン・ウォールストリートジャーナル紙が2月28日、米国マイクロソフト(MS)社と米国家庭用ゲームソフト最大手のエレクトロニック・アーツ(EA)社がそれぞれセガ社買収に乗り出すことを検討中と報じた。これはMS社とEA社がそれぞれ個別にセガ社を全面的または部分的に買収する可能性について検討しているが、まだ正式な交渉に入っていないとするもの。この報道に関してセガ社は3月3日、「EA社と資本提携の交渉に入ったとの報道があるが、EA社から正式な打診はないし、セガ社でもそういう検討は一切行なわれていない。セガ社はサミーとの事業統合を最優先課題として取り組んでいく」との内容の見解を発表した。EA社は元アップル社のトリップ・ホーキン氏が1982年に設立したメーカーで、現在はプロプスト・ローレンス氏が会長兼CEOで、02年度の売上高は17億ドルと世界でも最大手となっている。
5.AOUエキスポ03でサミーは昨年9月発表したゲームソフト交換式の普及型業務用「アトミスウェーブ」のゲームソフト新作として、海外で紹介済みの「とれとれ!寿司」、「ギルティギアXXver.1.5」の他、「デモリッシュフィスト」までを紹介した。しかし、システム自体の出荷は当初予定の昨年12月から今年4月以降へと延期、なお発売は未定の上、肝心の価格も明らかではない。これは同社によると「アトミスウェーブ」を世界展開していく上で、より安定的に供給する必要があることから各市場での発売時期を吟味すること、またゲームソフトをより一層洗練することが理由になっているとのこと。新作ソフトのうち「ギルティギアXXver.1.5」は海外向けで、国内では出荷を予定していない。また「デモリッシュフィスト」は子会社のディンプスが開発している。サミーでは将来「アトミスウェーブ」を世界で百万台以上普及させるとしており、その手法が注目されている。
6.三井グリーンランドは2月28日、02年12月期決算を発表、減収増益としたが、03年12月期は増収減益を見込んでいる。連結決算では売上高が前年比1.2%減の9,668百万円、経常利益が8.6%増の307百万円、最終利益が308百万円(前年は21百万円)だった。うち遊園地部門はメインの三井グリーンランドでイベントを展開し入場者が4.5%増の1,087,174人となり、部門全体の売上高は6.1%増の4,599百万円、営業利益は30%増の325百万円となった。今期もイベントに力を入れることで、遊園地部門を支える考えだ。しかし、ゴルフとホテル部門は相変わらず振るわない。03年12月期については売上高が1.0%増の9,769百万円、経常利益が29.6%増の399百万円、最終利益が35.8%減の198百万円を見込んでいる。
7.バンダイは2月18日、ハンドヘルドTVゲーム機「ワンダースワン」の次世代機開発を中止すると発表。今後は現行機種の受注生産にとどめて、ゲームソフト供給に努めるとの考えを明らかにした。この新方針に伴い04年3月期からはこれまでの競合機種である任天堂「ゲームボーイアドバンス」用にゲームソフトの供給を開始し、当面4タイトルを予定しているとのこと。「ワンダースワン」は99年3月に発売され、当初モノクロ画面だったがカラー画面へとバージョンアップしており、これまで323万台を出荷したが、圧倒的な強みを持つ「ゲームボーイアドバンス」に押されて苦戦しているのも事実。そのため方針を転換し、緩やかなかたちではあるが、携帯ゲーム事業分野では自社プラットホームにこだわらないことにしたもの。
8.コナミは2月25日、「創立30周年を記念して」新ブランドロゴマークを導入すると発表した。同社は上月景正氏らが1969年3月に創業、73年にコナミ工業鰍ニして設立されたもので、91年3月現社名に改称した。新しいロゴマークは17年ぶりで、新年度の始まる4月1日から使用する。
◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。
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