2003年1月1日号

Last updated on December 25, 2002

特報

 「ザ・キング・オブ・ファイターズ2002」の無断コピー品が出回ったため、プレイモアは台湾など海外でコピー品の押収など法的手続きを進めている。

 中国・上海に2006年、「ユニバーサルスタジオ上海」が開設される見込みとなった。

海外

 米国カウンタートップTVゲーム大手のメリット社が投資会社の参加に入った。
 
 欧州最大の遊技機展、ATEI/ICE03の出展規模などが明らかとなった。

国内

 タイトーは直営ゲーム場275店で、業界初のISO14001の認証を得た。

 セガ社新設のゲーム場で、風俗営業の許可を得るためパチスロ転用機を撤去する例があった。


2003年1月1日号のニュースダイジェスト

写真は静岡県アミューズメント協会が11月23日、「ゲームの日」として三島市の児童養護施設「静岡啓明学園」にゲーム機などを持ち込み、約50人の幼児‐高校生に無料で遊ばせたようす。家族と過ごせない子どもたちのためにゲーム用景品もプレゼントした。

10年前の主なニュース

 米国IAAPA92(ダラス)には818社が2,322小間と屋外展示場に出展し、映像シミュレーターやVRゲーム機などが多く出品されたが、来場者は6%減の19,807人となった。国内の「ニコグラフ92」でもVRシステムに関心が集まった。「ゲームマシン」チャートの基板タイプで、カプコン「ストリートファイターU」が連続して年間1位となった(1993年1月1−15日号)。

20年前の主なニュース

 東京地裁は92年12月6日、タイトー「スペースインベーダー・パートU」の無断コピー品を組みたて販売した潟Aイ・エヌ・ジ・エンタープライゼスに対し、TVゲームのプログラム著作権を侵害したとして、損害賠償を命じる画期的な判決を出した。アイレムの辻本憲三社長が代表権のない会長に退き、大株主となったナナオの高嶋哲社長がアイレム社長を兼任する(高堂良彦専務が社長代行)ことになった。(1983年1月1−15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1.SNKの知的所有権を継承した潟vレイモア(大阪府吹田市、外山公一社長)の申し立てにより12月11日、ネオジオ基板ならびにネオジオゲームソフトの無断コピー品を販売していた台湾台北市のEAGO社などが捜査当局により一斉に家宅捜査され、コピー品などが押収された。プレイモアが明らかにしたもので、特に「ザ・キング・オブ・ファイターズ2002」のコピー品が世界中に出回っていることから、その元になっている台湾で3ヵ所を捜査したほか、米国でも数ヶ所捜査した。オリジナル品がマスクROMで出来ているのに対し、コピー品はフラッシュROMを使用しているとのこと。捜査を受けた業者の一つ、米国ワールドワイドビデオ社は13日、コピー活動に関わっていないとする声明を出した。プレイモアは世界市場で五千万ドル以上の損害を受けており、刑事・民事の両面でコピー業者に対決するとしている。

 2.フランスのビベンディ・ユニバーサル社傘下の米国ユニバーサルスタジオ社と中国の上海外高橋関連企業およびホテル大手の錦江グループは12月7日、2006年上海にテーマパーク「ユニバーサルスタジオ上海」を建設することで合意、契約した。ユニバーサル側は24%所有する予定。建設地は市内を流れる黄浦江そばで、2010年開催される万国博会場の南にある浦東三林地区。中国政府の認可待ちだが、03年に着工する予定で、初年度8百万人の入園を見込んでいる。大阪のユニバーサルスタジオジャパン(USJ、01年3月オープン)が一応成功したので、中国への進出を狙うユニバーサルスタジオ社側は上海と北京の双方と交渉してきたが、上海を選んだことになる。上海ユニバーサルスタジオはUSJとほぼ同じ内容になる見込み。一方、上海市はディズニーランドの誘致を目指してきたが、米国ウォルトディズニー社との交渉は難航しており、2005年オープン予定の「香港ディズニーランド」に先を越されるのが確実となった。

 3.タイトーは12月17日、AM業界で初めて直営ゲーム場(275店)で一斉にISO(国際標準化機構)14001の認証を得たことを明らかにした。財団法人日本品質保証機構(JQA)が審査した。タイトーではこれまで、99年3月に業務用ゲーム事業部が製造関係のISO9001を取得したのを皮切りに、同12月に神奈川県海老名事業所が、また02年3月に本社および全国の事業所(9ヵ所)がそれぞれ環境管理システムのISO14001を取得してきている。ゲーム場でISO14001を取得したのはこれまで例がない。これはゲーム場での店舗前清掃やごみ箱の分別表示などを通じて、公共性の高いゲーム場での環境活動を積極的に行ってきたことが評価されたもの。同社ではこれまで以上にゲーム場での清潔、安全、安心というイメージを広げたいとしている。

 4.セガ社は12月10日、大阪府和泉市に直営店「セガアミューズメント和泉」をオープンしたが、アルゼなどから購入したパチスロ転用機を設置したところ「八号営業」(ゲームセンター等)の風俗営業許可が得られないことからそれらを撤去して許可を得た、ということが判明した。これは大阪府警保安1課が許可申請の調査に当たり、設置されていたパチスロ機の7号営業用と8号営業用の違いが不明と考えたためで、セガ社の子会社である潟Zガ・アミューズメントがその違いを説明するメーカー側の資料など提出したが、それでも実質的には認められなかったとされている。警察庁は7号営業機の8号営業機への転用を認めないとしながら、「射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができないように変更したもの」は8号営業で使用してよいとの見解を出しており、このあたりが混乱を生む原因となっているようだ。

 5.米国のカウンタートップ(卓上式)TVゲーム機大手のメリット・インダストリーズ社(ペンシルバニア州ベンサーレム、デビッド・ローガンCEO)が12月13日、ハーバーグループ社に買い取られた。買収価格などは公表されていないが、メリット社の経営に変化はなく、むしろ強化されるとされている。ハーバーグーループ社は1976年以来、約130社の製造企業を取得している独立系の投資会社。メリット社は1977年設立のメーカーでちょうど25周年を迎えたばかり。ゲーム場用ではなく酒場などのシングルロケ用に、だれでもプレイできる簡単なゲームを複数内蔵した「トリビアウィズ」を85年に発売して以来、後にネットワークを利用したトーナメント方式の「MAXX」として完成度を高め、これまで卓上式TVゲーム機を17万台も販売してきており、何度もAMOA賞を受賞してきた。

 6.サミーは12月16日、システムサービス鰍フ子会社だったアイピーフォー梶i東京都豊島区東池袋、野村信慈社長)に第三者割当増資方式で出資し、子会社にしたことを明らかにした。サミーはシステムサービスとキャラクター事業で提携したことになる。システムサービスは1984年5月創業、88年4月設立のゲーム機用プライズの大手メーカー。02年5月にキャラクターライセンス事業を担当する完全子会社アイピーフォーを設立した。サミーは103百万円を出資し、その結果株主比率はサミー70%、システムサービス30%となった。サミーによるとアイピーフォーは、サミーのキャラクター事業を一元管理する、マーチャンダイズ事業の中核になるとのこと。システムサービスによるとアイピーフォーを共同管理することで、キャラクターの発見、育成など一元管理することで付加価値の高いライセンス事業展開を図るとのこと。

 7.欧州最大の遊技機展、ATEI/ICE03は1月21‐23日、ロンドンのアールズコートで開かれるが、その出展規模などがすでに公表されている。それによると25ヶ国以上から400社以上が出展し、日系企業ではナムコ・ヨーロッパ社、セガ・アミューズメント・ヨーロッパ社、コナミ・アミューズメント・ヨーロッパ社、サミー・ヨーロッパ社などが出展する。展示会全体の内容はゲーミング関係が大部分を占め、AM関係は一部分しかないが、それでも日本の展示会と異なり国際的な展示会なのでAM関係で出展する効果は大きいとされている。米国のAM関係メーカーも多数出展する予定で、業界団体のAAMAも出展するあたり、日本とは取り組みがかなり異なる。なお最大小間は、スロットマシンなどゲーミング最大手の米国IGT社となっている。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。