セガ社は米国マグナボックス社から訴えられていた家庭用TVゲームの特許訴訟で、約17億円を支払うことで和解した。MGMの商標をめぐる訴訟で、米国ウォルトディズニー社がMGMグランド社に勝訴した。イタリアの展示会、ENADAでSNK「ネオジオ」が大きく進出した。テクモが株式を公開した(1992年12月15日号)。
米国業務用TVゲーム機はピークを迎え、AMOAエキスポ82(シカゴのハイアットリージェンシーホテル)は記録的に盛り上がった。コピー品の広告を掲載しないよう、JAMMAは新聞協会に申し入れた。JAMMAはAMショーで警告した2社の除名手続きを開始した。タイトーは新作展を開催、「フロントライン」など紹介した。(1982年12月15日号)。
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【ニユースダイジェスト】
1.遊園地関係の世界的な展示会、IAAPA2002(11月20‐23日、米国オーランド)には1,295社が約52,000uに出展し、58ヶ国から29,427人(うち米国は83.4%)の業者が登録入場した。日系の出展社は業務用ゲーム機関係でセガ社、ナムコ、サミーのそれぞれ米国子会社と、中古機のKNT、OMI、遊園施設関係で岡本製作所など。これまで出展してきたコナミ米国子会社は今回から出展していない。IAAPA賞は新製品部門と遊園施設部門でアロー社「4次元ローラーコースター」が受賞し、注目された。ナムコは「タイムクライシス3」、セガ社は米国版「ダービーオーナーズクラブ」、サミーはアトミスウェーブ用ゲームソフト「ギルティギアX」などを披露した。2002‐03年期議長に英国のジョン・コリン氏が就任、常勤会長には6月以来暫定的に引き受けていたクラーク・ロビンソン氏がそのまま長期的に勤めることになった。
2.コナミは11月28日、9月中間期連結決算を発表したが、今回から米国基準に切り替えたため前年同期との比較ができなくなった。連結売上高は113,195百万円(日本基準の前年同期89,146百万円)、営業利益は10,165百万円(95,265百万円)、中間利益は4,368百万円(2,522百万円)だった。部門別では、フィットネスなどH&Fの売上高が38,139百万円、営業損失が238百万円と赤字だったが、家庭用のCSが売上高35,398百万円、営業利益5,913百万円、遊戯王などT&Hが売上高19,444百万円、営業利益6,902百万円と前年同期を上回った。業務用AM機とパチンコ用液晶のACは売上高18,690百万円、営業利益3,141百万円とほぼ横ばい。国内メダルゲーム機と海外カジノ用機器のGCは売上高8,415百万円、営業利益128百万円と黒字回復した。
3.その他の9月連結中間決算では、アトラス(11月22日発表)の売上高が22.3%減の6,277百万円、経常利益が84.3%減の91百万円。うち業務用は売上高が22.4%減の2,679百万円、営業利益が32.5%減の314百万円、ゲーム場は売上高が5.5%増の2,544百万円、営業利益が増減なしの236百万円だった。スガイ・エンタテインメント(非連結、11月19日発表)は売上高が5.6パーセント増の2,987百万円、経常利益が79百万円と黒字回復した。うちゲーム場の売上高は11.6%増の1,303百万円と伸ばした。テクモ(11月20日発表)は売上高が1.0%増の2,815百万円、経常損失が127百万円で、うちパチンコ用液晶に特化した業務用は売上高が16.1%増の72百万円、営業利益が6百万円、ゲーム場は売上高が2.2%減の1,781百万円、営業利益が58.9%減の144百万円だった。
4.阪急電鉄は12月4日、来春閉園予定の二つの遊園地について、「宝塚ファミリーランド」の跡地開発計画、「神戸ポートピアランド」の暫定的な営業継続を発表した。宝塚ファミリーランドは03年4月7日に営業を終えるが、跡地に歌劇、商業、住宅の3ゾーンを設けるほか、憩いの施設としてイングリッシュガーデンなどを含む「ガーデンゾーン」(約31,000u)を開設、03年9月下旬に有料でオープンする。宝塚ファミリーランドは地元住民から存続を望む声が上がっているが、閉園計画に変更はない。神戸ポートピアランドは神戸市から土地を借りてきたが03年3月までで解消、遊園施設などは市に寄付する。神戸市は土地と施設を第3セクターの神戸新交通に委託し、神戸新交通はさらにこれらの運営を阪急の完全子会社、阪急アミューズメントサービスに委託する。この方式で当面2005年度まで運営を継続することになった。
5.東京地裁は11月14日、任天堂とインテリジェントシステムズが家庭用ゲームソフト「ファイアーエンブレム」(FE)の著作権を侵害されたとしてエンターブレインとティルナノーグなどを訴えていた事件で、請求を棄却する判決を言い渡し、任天堂らは全面敗訴した。任天堂らが問題にしたのはエンターブレインらによる家庭用ゲームソフト「ティアリングサーガ・ユトナ英雄戦記」で、任天堂などは他人の商品との混同を生じさせる不正競争行為であるとの主張をしたが、三村量一裁判長が下した地裁判決では「商品表示は類似していない」として不正競争行為を認めず、また「被告ゲームの表示画面をもって原告ゲームの表示画面の複製ないし翻案ということはできない」として著作権侵害も認めなかった。この判決はゲーム内容を細かく分析している点でも注目される。
6.家庭用ゲームソフト大手のエニックスとスクウェアが11月26日、03年4月1日付で合併、潟Xクウェア・エニックスになると発表した。「ドラゴンクエスト」、「ファイナルファンタジー」など開発資産を活用することで、成長を継続するのが目的としている。合併後の社長にはスクウェアの和田洋一社長が、会長にはエニックスの福嶋康博会長が、副社長には同本多圭司社長がそれぞれ就任する予定。家庭用では開発コストが年々膨れ上がっているのに国内販売は減少傾向にあり、増加傾向の米欧では海外メーカーとの競争が激しくなっているなど厳しさが増しており、これらを見据えた大型合併計画となった。ナムコは両社とアライアンスを組んでいるが、福嶋氏は「三社の間では今回の合併の話はなかった」としている。
7.米国アーケードプラネット社が展開してきた「レーザートロン」ブランドのリデムプションゲーム機事業は今年12月末で閉鎖されることになっていたが、「キャディラックブラックジャック」などTVゲーミング機のメーカーとして知られるキャディラックジャック社(ジョージア州ダルース、マイク・メック社長)が「レーザートロン」事業を商標ごと買い取ることになった。このため「レーザートロン」の販売責任者、ロン・カララ氏もすでにキャディラックジャック社に移り、リデムプション部門の副社長になった。SDG社を親会社とするアーケードプラネット社には、インターネットサービスの「プライズゲーム」部門が残るだけとなった。
8.米国デイブ&バスター社(D&B、本社ダラス)は10月24日、国際投資会社のインベストコープ社による買収計画が中止になったと発表した。1982年に設立のD&B社はレストラン/ゲーム場複合店チェーンを米国で32店展開しているほか、フランチャイズ方式でカナダ、メキシコ、中近東、韓国でも展開しており、1999年以来ニューヨーク証券取引所にも株式を上場している。四半期ごとの業績はこのところ増収減益傾向にある(12月5日に第3・四半期決算が発表された)。ことし5月末に現経営陣とインベストコープ社が既存の株主から株式を買い取ることに決め、手続きを進めていたが、不調に終わったもの。従来どおりの株主構成のまま、経営を続けることになる。
◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。
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