米国アカレイド社とセガ社が家庭用「ジェネシス」の無許諾ゲームソフト販売を巡って争っている訴訟で、連邦控訴裁判所は8月、リバースエンジニアリングは合法であるとして、アカレイド社の抗告を認めた。カプコンは「ストリートファイターU」チャンピオン大会を開催した。タイトーは業務用カラオケ「X−2000」発表会を開いた。(1992年10月15日号)。
米国ウォルトディズニーワールドで10月、第3プロジェクト「エプコットセンター」がオープンした。TVゲームの無断コピーとゲーミング機による賭博の、二つの問題に対決しながらAMショー開催へと進めることになった。セガ社「ザクソン」のコピー基板を販売した丸菱電子と、コナミ「ツタンカーム」のコピー基板を販売したハード電子に対し仮処分が行なわれた。(1982年10月15日号)。
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【ニユースダイジェスト】
1.ナムコは10月8日、9月中間期業績を上方修正した。単独業績でゲーム場運営と業務用、家庭用販売がいずれも好調だったためで、特に業務用販売で「太鼓の達人3」、「スウィートランド4」が貢献したとしている。連結では米国での家庭用「鉄拳4」発売を下半期に延期したため、売上高が計画を下回ったが利益面では好調。下半期では米国家庭用「鉄拳4」発売があるものの、通期業績予想は修正しなかった。今回の予想による中間期連結売上高は前年同期比5.4%増の728億円円、経常利益は60%増の23億円と見込んでいる。一方、カプコンは9月26日、本社や開発ビル、上野事業所など所有するすべての土地、建物を子会社のカプトロンに譲渡することを決めた。不動産の値下がりによる含み損を解消するもので、231億円の特別損失が発生する。このため業績予想を下方修正し、連結9月中間期は178億円の中間損失、連結通期では127億円の最終損失と、5年ぶりの赤字を出す見込みになった。中間期業績で売上高は家庭用が伸ばし好調だが、販促コストが上がり経常利益は目標を下回る見込み。
2.ギリシャ政府は10月2日、「金銭的な利益」のない限りTVゲームの全面禁止を止めると発表した。ギリシャではTVポーカーなどの違法な賭博ゲーム機が横行したため、政府が今年2月業務用ゲーム機設置営業を全面禁止し、7月末から法律でも家庭用、PC用を含めて全面禁止になっていた。しかしこれに反発するインターネットカフェ経営者らが訴訟を起こし、地方裁判所でこの法律が憲法違反になるとの判決を出したため、政府は全面禁止の撤回に動き出したもの。ギリシャ政府によると、家庭でもゲーム場でも賭け金のやり取りがない限りゲーム機の使用は許される。しかし違法賭博が一掃されるという見通しもないので、この問題が完全に解決したわけではない。なおギリシャでは政府が許可しているわずかなカジノがあるが、それらは特別扱いされている。
3.タカラのゲーム場運営子会社、潟^カラアミューズメント(本社東京、荘司征男社長)は10月2日、ゲーム料金後払いのできる非接触ICカード決済システム、「ATO」(アト)システムの販売を12月から開始する、と発表した。プレイヤーの利便性を高め、カードの読み取り・書き込みはどの業務用ゲーム機でもでき、しかも利用情報がすべて蓄積されるなどの特徴がある。開発に2億円かかった。直営店「ZAPS」(千葉県柏市)で導入実験を進めており、プレイヤーの8割がこのシステムの利用に移行しているとのこと。システム販売はゲーム場で150台設置している場合、リーダー/ライター150台、POSレジ2台、カード5百枚、メダル貸機2台、出入り口用フラッパーゲートのセットで2千万円。同社では初年度20億円、3年後2百億円の販売を見込んでいる。潟Xコープがシステムを企画設計、東芝エンジニアリング鰍ェ製造を担当した。
4.米国ウォルトディズニー社は9月25日までに、小さな設計会社のオールプロ社に対し240百万ドルを支払うことで和解した。元野球審判のニコラス・ストラシーク氏と建築家のエドワード・ラッセル氏が共同経営するオールプロスポーツ・キャンプ社は、スポーツをテーマにする複合娯楽施設計画を87年ディズニー社に持ち込んだが、89年不採用となった。ところがその計画とほぼ同じ内容の施設「ワイドワールド・オブ・スポーツ」をディズニー社が97年ウォルトディズニーワールド内に完成させたことから、トレードシークレット盗用などで提訴した。この訴訟でフロリダ州地裁は2000年8月、オールプロ社の主張を認める評決を出し、ディズニー社が損害賠償するよう命じた。知的所有権保護を基本とするディズニー社は不本意ながら控訴していた。小さい会社でも巨大企業に勝てることを示す米国の裁判の一例となった。
5.米国ウォルトディズニー社のテーマパークス&リゾート部門責任者だったポール・プレスラー氏が9月26日、衣料品小売り大手のギャップ社CEOに就任するため、退任した。ディズニー社では同29日、プレスラー氏の後任に、ユーロディズニー社の会長兼CEOであるジェームズ・ラスロー氏を指名した。プレスラー氏は1987年にディズニー社に入社、カリフォルニア・アナハイムのディズニーランド社長を経て98年12月からウォルトディズニー・アトラクションズ社社長に就任していた。ディズニー社のマイケル・アイズナー会長兼CEOは1984年以来経営責任者となっているが、2006年で契約が切れることから、若くて有能なプレスラー氏(46歳)がアイズナー氏を引き継ぐ有力候補者と見られていた。ギャップ社からの強い要請に応じたもので、関係者はやむを得ないと見ている。後任のラスロー氏は1986年の入社で、2000年5月から現職。46歳。
6.オリエンタルランドは10月1日、02年上半期(4‐9月)の入園者数を発表。東京ディズニーランド(TDL)と東京ディズニーシー(TDS、昨年9月4日開業)の合計で前年比28.6%増の11,955千人と好調だった。一方、第三セクターのユーエスジェイが経営するユニバーサルスタジオ・ジャパン(USJ)の第2・四半期(7‐9月)入園者数は前年同期比33.1%減の2,135千人で、第1・四半期と合わせた上半期では29.4%減の4,292千人と振るわなかった。7月以降の一連の不祥事によるもので、これらの結果を受け10月3日にユーエスジェイは、2週間後の臨時株主総会を経て阪田晃社長が辞任し、大阪市の元助役で同社初代会長の佐々木伸氏が後任社長に就任する、とのトップ異動を発表した。
7.タイトーは9月17日、横浜ロイヤルパークホテルで恒例の「取り引き先感謝会」を開催、これに20数社のディストリビューター、オペレーターらが招待された。西垣保男社長は挨拶の中で、業務用開発・販売体制の説明に加え、ゲーム場での売り上げに貢献する製品開発を強調。それらが次第に実現されていると語った。特に今回AMショーに出品したTVレーシングゲーム機「バトルギア3」や、6人用メダルゲーム機「ダイノキング」などロケテストも好調で、自信を深めているとのこと。「バトルギア3」で使用する自動車のキーの形をしたメモリー装置は、インターネット経由でタイトーネットエントリーシステムに接続され、例えば今全国で何位であるといった、プレイヤーの情報は絶えずゲーム画面に反映される。このため導入に当たってはインターネット接続が必要となる。
業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。
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