ナムコは第2弾「システム22」、セガ社は初の「モデル1」(バーチャレーシングで使用)とそれぞれCG基板を開発した。ナムコは英国ブレントレジャー社を買収、子会社にした。米国ミッドウェー社はTV格闘ゲーム「モータルコンバット」を出荷した。東京サマーランドで日本初の懸垂型ローラーコースターが完成した(1992年10月1日号)。
セガ社は任天堂を退社した駒井徳造氏を迎え、家庭用部門の新設を決めた。セガ社「ザクソン」とアイレム「ムーンパトロール」の無断コピー基板を販売していたハード電子に対し仮処分が行なわれた。米国アタリ社の業務用部門社長が、ケネス・ハークネス氏からジョン・ファランド氏に代わった。英国アルカ社が倒産した。(1982年10月1日号)。
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【ニユースダイジェスト】
1.任天堂は9月24日、子会社の米国レア・アクイジション社を通じて49%所有する英国レア社(レアリミテッド、クリストファー・スタンパー会長)などレアグループ3社の株式を、競争相手の米国マイクロソフト社に9月21日付で売却したと発表した。マイクロソフト社は375百万ドルで買収し、「Xbox」用ゲームソフトを開発するマイクロソフトゲームスタジオの開発チームに加わったと発表した。英国レア社はレンダリング技術でも有名だが、特に8百万個以上出荷したSFC用「スーパードンキーコング」(1994年、海外名ドンキーコングカントリー)などで世界的な大手ゲームソフトメーカーの地歩を築いてきた。これらの任天堂コンソール用ゲームソフトなど知的財産は任天堂が引き続き所有する。「Xbox」用ゲームソフトでマイクロソフト社は自社製ヒット作が少なく、その補完が急務となっていた。
2.セガ社は9月18日、マイクロソフト社と家庭用「Xbox」に基づく業務用CG基盤「Chihiro」(チヒロ)を共同開発したと発表した。第1作は「ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド 3」で、12月出荷の予定。同ゲームは今回のAMショーで紹介されたほか、米国AMOAエキスポでも披露した。一方、家庭用「ゲームキューブ」に基づき、任天堂、ナムコと共同開発した業務用「トライフォース」を使った第1作「バーチャストライカー2002」は10月下旬出荷の予定となっている。なお、家庭用「プレイステーション2」をもとにしたナムコの業務用「システム246」基板は、すでにナムコ「鉄拳4」、「湾岸ミッドナイト」などで使用されているが、今回のAMショーに出品され、人気となったタイトー「バトルギア3」、カプコン「カプコンファイティングオールスターズ」にも採用されている。
3.サミーは9月19日、セガ社から昨年8月大量に買い取った家庭用「DC」用グラフィックチップをもとに業務用新システム基板「アトミスウェイブ」を開発、今年12月以降内外で展開すると発表した。アップライトのキャビネットをメインとするが、それ以外のキャビネットも検討中。新システム用ゲームソフトとして、子会社のディンプスと共同開発した第1作のサッカーゲーム「プレミアイレブン」のほか、自社開発のガンゲーム「スポーツシューティング」など3作(来春出荷予定)を今回のAMショーで披露、また米国AMOAエキスポでも紹介した。里見治社長は初年度十万台の出荷を計画、将来は百万台まで世界中に普及させたいと語っているが、決め手となる価格や、ゲームソフトを供給するサードパーティー形成の見込みなどは明らかにしていない。
4.今年のAMショーでは上記以外に、セガ社「4人打ち麻雀MJ」(9月下旬出荷)、「頭文字Dアーケードバトル 2」(12月中旬予定)、ナムコ「ドラゴンクロニクル」(参考出品)、「ソウルキャリバー UVer.D」(9月出荷)、「魔斬 MAZAN」(11月予定)、落ちもの「クルクルフード」(仮称、11月予定)、「宇宙大作戦チョコベーダー・コンタクティー」(11月予定)、タイトー「バトルギア 3」(11月下旬予定)、落ちもの「ポチッとにゃー」(未定)、コナミ「麻雀格闘倶楽部2・全国オンライン対戦Ver.」、「ワールドカップウィニングイレブン・アーケードスタイル」(9月出荷)、4人用ガンゲーム「ワールドコンバット」、カプコン「カプコンファイテイングオールスターズ」、プレイモア「ザ・キング・オブ・ファイターズ2002」(エイブルが出品。10月10日予定)などビデオゲームの新作が紹介された。
5.有名な競走馬の名前を無断でゲームソフトに使っても馬主の権利を侵害したことにならない、という東京地裁判決を支持する判決が9月12日、東京高裁で言い渡された。アスキーの家庭用ゲームソフト「ダービースタリオン」に関するもので、20の馬主が地裁判決を不服として控訴していたが、棄却された。高裁判決によると、顧客吸引力を持つものについては商標法や不正競争防止法による保護が検討されるべきであり、もともと人格権に根ざすパブリシティ権を、競走馬という馬について認めることはできないとしている。なお、業務用と家庭用ゲームソフト「ギャロップレーサー」に関するパブリシティ権訴訟では、名古屋地裁と名古屋高裁はともに有名競走馬のパブリシティ権を認めており、損害賠償を命じられたテクモは昨年5月最高裁に上告している。テクモの場合は一部の馬主に馬名使用料を支払いながら、他の馬主と合意しないままゲームを出荷したという違いがある。
6.米国アーケードプラネット社(カリフォルニア州リバーモア)が9月12日、ゲーミング会社のシエラデザイングループ社(SDG、ネバダ州リノ)に買い取られた。アーケードプラネット社はリデムプションゲームなどメーカー部門のレーザートロンと、インターネットサービス部門のプライズゲームの2部門を持っており、ゲーム機製造ではオーストラリアのレジャー&アライド社(LAI)と提携している。アーケードプラネット社のピーターミーア社長は、米国での生産はコストがかかりすぎて多品種生産が難しくなったためSDG社に売却を提案した、としている。今後はオーストラリアでの生産を進める。SDG社は1996年設立のゲーミング技術専門会社で、実物の宝石が払い出されるスロットマシンなどユニークな技術を開発している。買収による人事異動などはない。
7.ゲーム機禁止法を7月31日に施行したギリシャで、携帯電話でゲームを楽しんでいたプレイヤーたちがこの法律に対して訴訟を起こすことになった。この法律は「電気的またはエレメカ式、電子式の」コンポーネントを備えるあらゆるゲーム機の使用を全面的に禁止するもので、違反したゲーマーたちは7万5千ユーロ以下の罰金か、1年以内の禁固に処せられるという。欧州AmuPortによると、これはギリシャ政府が「害のないビデオゲームと、違法な賭博営業のためのゲーミング機とを区別することができない」ことから来ている、と指摘している。ギリシャのゲーム機禁止法を生んだ思想は、日本でゲーム場を「八号営業」として風俗営業に組み入れた考えとなんら変わらない。
業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。
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