2002年7月1日号

Last updated on June 22, 2002

特報

 JAMMA会長に柿原彬人氏が留任、副会長は木村雅三氏、永井明氏、橘正裕氏の3名が選ばれた。

 CESA会長は、上月景正氏に代わり辻本憲三氏が選ばれ、協会名もわずかながら変更された。

海外

 米国ジョージア州の最高裁はゲーミング機を禁じる州法を合憲と判断し、同州では7月1日に施行することになった。

 米国デイブ&バスターズ社は投資会社などにそっくり売却することになった。

国内

 セガ社とナムコは6月11日に東京でそれぞれ新作展を開催し、TVゲーム新作を紹介した。

 元シグマ社長の真鍋勝紀氏がアルゼとアドアーズの取締役を退任、AOU関係の役員からも退任した。


2002年7月1日号のニュースダイジェスト

セガ社プライベートショー(東京会場)で、上の写真は(左から)国内販売の森啓二常務執行役員、海外販売の上原武執行役員。製品は「バーチャファイター4・エヴォリューション」

10年前の主なニュース

 米国マーズ社の訴えにより連邦地裁は日本コンラックスの米国子会社、コンラックスUSA社に対し特許を侵害したとして、「プリミア」シリーズのコインチェンジャーの輸入販売を禁止、回収するよう命じた。米国フィリップモリス社がセガ社を無断商標使用で訴えていたが、許諾する内容で和解した。JAMMA通常総会での役員改選は投票で実施され、最高得票の長谷川桂裕氏、菱川文博氏、福田哲夫氏が副会長となった。古川純一郎氏は落選した。(1992年7月1日号)。

20年前の主なニュース

 データイーストのデコカセTVゲーム「プロテニス」を収納したカセットテープが発売前に盗まれ、警視庁が捜査に乗り出した。このためデータイーストは無断コピー品対策として「プロテニス」専用基板を臨時で出荷することになった。タイトーに続きセガ社も、ジャクソン製コピー基板の仮差押決定を獲得した。JAMMA理事会は「180枚以上」ペイアウトをするものはゲーミング機だとし、それらを排除する基準を理事会で決めた。(1982年7月1日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1.JAMMAは5月23日開催の通常総会と理事会を経て、会長にテクモの柿原彬人会長を、副会長に総商の木村雅三社長、セガ社の永井明専務、ナムコの橘正裕常務を選任した。柿原氏は99年7月以来で留任となったが、テクモは業務用の開発販売をしていない。永井氏と橘氏は新任で、協会改革をどう進めるか注目される。サミーの里見治氏は副会長を降りた。新任理事はアトラスの岩田松雄社長、サミーの鈴木義治常務、システムサービスの佐藤隼夫社長、友栄の内田慎一常務の4名。高橋和治専務は留任となった。正会員は5年前の77社(1997年3月末)から46社(2002年3月末)へと40.3%も減少した。しかし承認された事業計画などで目新しいものはない。

 2.オペレーター団体連合会のAOUは5月17日開催の通常総会と理事会を経て、入江昭造会長の留任と、副会長はこれまでの真鍋勝紀氏と長友隆典氏に代わり平本将人氏と位田宗一氏の選任を決めた。しかしAOUでは事実上理事会の機能を果たす運営委員会(25名)が設けられており、理事会は運営委員会の決めたことを追認し、また運営委員の構成を承認するに過ぎない。AOUでは会費収入が限られている上、主な収入源のAOUエキスポの出展社が減少傾向にあるため、会費徴収を大幅に変えて安定した収入を図るべく「財政基盤の整備」案をまとめて、会員である都道府県の協会に示しているが、事実上これも進んでいるとは言えない。むしろゲーム場を風俗営業の対象としている風営法への取り組みが必要だが、それがほとんどなされていないとの声が多い。

 3.セガ社とナムコはそれぞれ6月11日に東京でプライベートショーを開催し、セガ社はトレーディングカードを使用するサッカーゲーム機「ワールドクラブ・チャンピオンフットボール・セリエA2001−2002」、新キャラクターを2人追加した「バーチャファイター4・エヴォリューション」、サーフィンゲーム「ソウルサーファー」など出品し、また4人打ち麻雀「MF」をデモ映像で披露した。ナムコは7月5日発売の期待作「ソウルキャリバー U」(OP価格328,000円)をメインに、まったく新しいパズルゲームの「スタートリゴン」、漫才突っ込みゲームの「ナイス・ツッコミ」、そしてスウィートランドシリーズ用の「どんぶりキット」、「くすだまキット」などを紹介した。

 4.警察庁・生活環境課が4月25日に発表したところによると、ゲーミング機を使用した賭博犯として2001年中に前年比24.7%減の113件検挙した。逮捕者は5.7%減の933人、営業所は20.0%増の66ヵ所で、うち風俗営業の許可を取っていたのは45.0%増の29ヵ所だった。押収台数は9.7%増の721台だった。ゲーム場を風俗営業にした主な理由はこうした賭博犯だが、検挙数はいぜん多いとされている。ゲーミング機やAM機を設置営業するゲーム場などについて、2001年12月現在で営業所は7.2%減の12,742ヵ所、設置台数は4.3%減の456,327台としている。うち特に賭博犯に結びつきやすいとされる「カジノバー」は4.9%増の194ヶ所あるとのこと。なおSCロケなど「大規模小売り店等」でのゲーム場は風俗営業の許可を得ているのが270ヶ所、許可を得る必要がないのは1,255ヶ所で、7.7%が許可を得ている。

 5.米国ジョージア州でリデムプションゲームを装ったTVゲーミング機による賭博犯が多いことから、これらのゲーミング機を禁止する州法が昨年9月に制定されたが、州最高裁判所は5月28日、この州法は合憲だとする判決を出し、7月1日にも施行されることになった。この州法をめぐる訴訟で上級裁判所はデュープロセスに反するという理由でその施行を禁じる判決を今年1月に出していた。同州ではリデムプションゲームが容認されており、スキルを要するゲームに限り1ゲーム5ドル以下の景品を提供できるが、スキルでなく偶然性に依拠するゲーミング機を設置し、しかも現金を払い出すという賭博営業が横行したため、州法でTVポーカー、エイトライン、ブラックジャック、キノのTVゲーミング機4種類の使用を禁止する州法を決めていた。

 6.米国デイブ&バスターズ社(D&B、本社ダラス)は5月30日、経営者グループと国際投資会社のインベストコープ社に買い取られることになったと発表した。D&B社は1982年設立のレストラン/ゲーム場複合店経営会社で、米国31店のほかカナダ、メキシコ、中近東、韓国でも展開しており、02年2月期の売上高は358百万ドル。店舗増により売上高は増えているが、新会計基準への移行などにより利益率は大幅に減少、5月に終わった第1・四半期では赤字となった。今回の買収手続きで一般株主は1株当たり12ドルを受け取るので、全体で255百万ドルの取引になる予定。同社はニューヨーク証券取引所上場会社だが、買収が完了すれば上場廃止となる予定だ。

 7.家庭用TVゲームソフト業者団体のCESAは5月16日の通常総会と理事会を経て、会長にカプコンの辻本憲三社長を選任、副会長にハドソンの工藤浩社長とセガ社の佐藤秀樹社長を選任した。創立以来6年間会長だったコナミの上月景正社長は常任理事にとどまった。このほか常任理事にはスクウェアの鈴木尚社長、ナムコの猿川昭義副社長、バンプレストの伍賀槌太社長が選ばれた。同協会では環境変化に対応し、英文協会名のうち「ソフトウェア」を「サプライヤー」に取り替え、日本名も「ソフトウェア」を取り除き「コンピュータエンターテインメント協会」と短くした。年2回だった展示会「東京ゲームショウ」は今年から1回になっている。またCESAとは別に「コンピュータエンターテインメントレーティング機構」(CERO)を6月5日、設立させている。

 8.元シグマ社長の真鍋勝紀氏が6月下旬の株主総会を最後にアルゼの取締役、アドアーズの取締役を退任することが5月27日に決まった。退任後どうするかは示されていないが、アルゼグループとは離れるもようだ。真鍋氏はAOUの副会長だったが任期満了ですでに退任しており、AOU運営委員と東京都協会長も退任するもよう。なおアルゼは真鍋取締役退任と同時に、岡田和生社長の長男、岡田知裕氏のアルゼ取締役退任も発表している。一方、サミーでは、AM営業本部管掌の鈴木義治取締役が6月21日に常務に昇格すると5月18日に発表した。吉田賢吉取締役はAM研究開発本部長を兼務することに、また川村康則執行役員はAM技術・研究開発部担当に専念することになった。

 ◎ 「ゲームマシン」チャートは前号までで終了しました。調査にご協力いただいたかたがたにお礼申し上げます。


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