2002年6月1日号

Last updated on May 24, 2002

特報

 家庭用中古ソフト販売が著作権侵害にならないことは、最高裁判決で確定した。

 タイトーは業務用ゲーム機の部品などに対応するタイトーテックのサイトを設けた。

海外

 ルーマニアに出来る「ドラキュラパーク」に向けて資金計画が進行中だ。

 米国バルビノ・ラモーレ社にアルゼが追加出資した。

国内

 コナミは03年3月期でも増収だが、大幅減益になることが予想されている。

 アルゼの訴えで東京地裁は、国税局による追徴課税を取り消したが、国税局は控訴した。


2002年6月1日号のニュースダイジェスト

タイトーホームテック」の画面から。上はそのホームページの一部で「ハードパンチャー・はじめの一歩」の点検個所、、下は「とめばあさんの駄菓子屋」の取扱説明書。iモードからも部品の注文ができる。

ベストヒットゲームズ

 TVゲームソフトウェア1位はセガ社のCG格闘ゲーム「バーチャファイター 4」、完成品タイプではナムコの音楽ゲーム機「太鼓の達人 2」。

10年前の主なニュース

 パリ郊外に画期的なテーマパーク「ユーロディズニー」がついにオープンした。コナミは菱川文博社長の退任、西村靖男常務の社長昇格を決めた。東亜プランの清本吉行社長が退任、コメットの林泰三社長が社長を兼務することになった。タカラは日本ユニカと共同でタカラアミューズメントを設立、業務用機器販売とゲーム場運営に参入した。ホープは40周年記念に本社工場を完成させた。(1992年6月1日号)。

20年前の主なニュース

 東京地裁は5月14日、日本ゲームに対し、データイースト「DC」カセットシステムのコピー基板とコピーソフトを販売してはならないとする仮処分命令を出した。警察庁はゲーミング機を使用した賭博犯が増加していることを明らかにした。米国アタリ社は執行副社長にジョン・ファランド氏を任命した。英国のロンドンコイン社が業務を閉鎖した。(1982年6月1日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. 家庭用TVゲームソフトの中古販売をめぐって争われていた訴訟事件で最高裁判所第一小法廷は4月25日、「頒布権のうち譲渡する権利は消尽し、再譲渡しても侵害にならない」とする判決を下し、この問題に決着をつけた。判決ではTVゲームソフトの「映画の著作権」と「頒布権」を認めた上で、米国並みのファースト・セール・ドクトリン(1回目の販売で独占権は消尽するという原則)を認めた。メーカー側は97年以来の主張が否定され、中古ソフト販売業者側は勝訴した。01年3月の東京高裁判決と大阪高裁判決を実質的に支持する判決で、最高裁は二つの上告を棄却した。この訴訟は家庭用についてであるが、メーカー側の主張が認められるならば業務用でも中古ソフト販売が禁止されることになると憂慮されていたが、メーカー側の主張が否定されたためそのおそれもなくなった。

 2. タイトーは4月22日、業務用ゲーム機の部品供給とメンテナンスを行なうためのサイト「タイトーテック」を開設した。同社の技術サービス部が担当しており、これまで自社ロケ用に自社製品と他社製品の計8000種類以上の部品をイントラネットで運用管理していたのを、タイトー以外のオペレーターにも利用できるようにしたもの。オペレーターは配送先などを事前に登録するだけで、ゲーム場に設置されているあらゆるゲーム機、乗物機などの部品をすばやく手に入れることができるほか、出張修理、オーバーホールなどのサービスを受けることができる。このため、サイトには同社製品の取扱説明書やゲーム機の一般的な修理方法についての説明書など、さまざまな資料を公開している。

 3. ルーマニアにテーマパーク「ドラキュラランド」を建設する計画は、名称を「ドラキュラパーク」に変え、シギショワラの約130万uの土地にドラキュラ城と遊園施設、ホテル、ゴルフコースなどを建設するところまで膨らみ、そのための資金35百万ドルを公募で調達することになった。4月3日に実施した第1次募集ではすでに約1万5千人から約3百万ドル調達しており、さらに拡大していく。計画の中心となるルーマニア観光省によると今年中に着工し、03年中に出来たところからオープンする予定。土地は国と地方自治体が提供することになっており、テーマパーク内での飲み物の独占販売権を、ビールについてはブラウユニオンルーマニア社、ソフトドリンクについてはコカコーラヘレニックボトリング社に認めている。

 4.コナミは5月9日、02年3月期連結決算を発表。コナミスポーツが加わり大幅増収となったが、稼ぎ頭だった「遊戯王」の人気が落ち大幅減益となった。部門別では、家庭用ゲームソフトが売上高88,761百万円、営業利益18,231百万円と大きく盛り返したものの、業務用AM機は売上高が35.9%減の10,973百万円、営業利益が63.4%減の1,430百万円で、ゲーム場運営は売上高が4,552百万円、営業損失が108百万円と大きく後退した。コナミは03年3月期での売上高を4.1%増の2,350億円、経常利益を16.3%減の225億円、最終利益を48.5%減の70億円と予想しており、売上高はコナミスポーツで維持できるが、大幅に利益を減らす傾向は止まらないもよう。

 5.東京国税局が00年12月に重加算税を含む約16億6千万円の追徴課税をしたのに対し、アルゼは01年6月に提訴していたが、東京地裁は4月24日、アルゼの主張を認め追徴課税の取り消しを命じる判決を下した。国税庁は5月8日に控訴した。地裁判決によると、岡田和生社長の個人会社である米国UDNにパチスロ機を売りそれを日本のECJに販売したというのは、実際に日米間でパチスロ機が輸出入されておらず、またこれを隠すためのダミー品が輸出入されていても、支払いがなされておればよく、「目的物の物理的な移転がなくとも目的物の移転がされていないことを意味するものではない」と示した。海外の個人会社との取引で節税できるという画期的なメリットが認められたわけで、他産業からも注目されている。

 6.スティーブ・ウィン氏の米国バルビノ・ラモーレ社はラスベガスにカジノホテル「ラ・レーブ」を計画、またマカオでのカジノ進出も計画しているが、膨大な資金が必要なため今年中にも株式を上場することを決めた。またアルゼはバルビノ・ラモーレ社に00年11月に2億6千万ドル出資していたが、脱税がなかったとする4月24日の東京地裁判決を受けて、さらに1億2千万ドルを追加出資することを決めた。これによりアルゼの出資比率は47.5%になる。「ディザート・イン」跡地に計画されている「ラ・レーブ」の建設費用は16億3千万ドルとされており、順調に行けば今年6月に着工、04年末にオープンする予定。

 7.ホクセイ梶i福岡市博多区、高山輝美社長)が4月23日、福岡地裁に民事再生手続き開始を申請、翌日保全命令を受けた。負債は約950百万円。73年7月創業、79年1月設立のホクセイ商亊鰍、95年10月に改称した業務用ゲーム機販売、オペレーター会社で、バッティングセンター用機器も扱っていた。ゲーム場は路面3店、テナント40店を九州と関東で展開していた。94年3月期売上高は14,513百万円だったが、景気悪化とともに次第に低下して01年3月には1,513百万円まで減っていた。このため金融機関と交渉していたが不調に終わり、民事再生手続きを進めることにしたもの。

 8.「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はセガ社のCG格闘ゲーム「バーチャファイター 4」(16回目)、2位はカプコン/バンプレストの「機動戦士ガンダム・連邦vsジオン DX」。 TVゲーム完成品部門……1位はナムコの太鼓叩き音楽ゲーム機「太鼓の達人 2」(11回目)、2位はセガ社の「頭文字Dアーケードステージ」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はオムロンの写真シール機「らくパラショット」(2回目)、2位は日立ソフトウェア/セガ社の「衝撃美写」。


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