【ニユースダイジェスト】

　１．米国春の業務用ＡＭ機展、ＡＳＩ０２（３月６‐８日、ラスベガス）は出展規模を減らしたが、それでも約１６０社が出展、約４，４００人の登録業者が訪れ、新ゲームなどに関心を示した。今回は初日がナイトクラブ&バーエキスポと、２日目以降が自販機のＮＡＭＡと重なったのがプラス要因となったが、基板タイプのＴＶゲーム機が少なくなっているため、どうしても動きは悪い。しかし完成品タイプなどは、堅実なオペレーションに支えられて好調とされている。注目された主な製品は、セガ社「ダービーオーナーズクラブ」海外版、スペインのガエルコ社「ＡＴＶアタック」、韓国ゲームボックス社「ドリームハンティング」などのＴＶゲーム機と、ナムコ・アメリカ社のプライズゲーム機「フィッシントレジャー」など。旭精工のマネートロニクス社が初出展した。

　２．パチスロ遊技機のボーナスゲーム「チャレンジタイム」（ＣＴ）特許を巡る訴訟で東京地裁は３月１９日、アルゼの訴えを認めて、サミーに対し約７，４１６百万円の損害賠償を命じた。また別の訴訟で同様に、ネットに対し約９８８百万円の損害賠償を命じる判決を言い渡した。損害賠償の金額で１社７４億円というのは日本で史上最高額となる。判決で東京地裁の三村量一裁判長は、特許は無効だとする主張に対し特許は有効であり、許諾したという証明がない以上特許を侵害したことになると示した。サミーは、ＣＴ技術は業者団体である日本電動式遊技機工業協同組合の技術委員会（岡田和生委員長）が各社のノウハウを結集して商品化されたものであり、訴訟は業界全体に関わる問題だとしている。サミー、ネットはそれぞれ、特許侵害はないとして直ちに控訴した。

　３．フランスのディズニーランド・パリの隣りに第２パーク、「ウォルトディズニー・スタジオ」が３月１６日オープンした。ディズニーランド・パリの１９９２年オープンから１０周年を迎えることになり、ユーロディズニー社では約６億１千万ユーロを投資し、第２パークの建設を進めていた。第２パークは映画をテーマにしたものであり、ディズニーワールドにあるＭＧＭスタジオと共通するところがあるが、ハリウッド映画でなく欧州の映画に重点置き、また遊園施設「ロックンロールコースター」を加えている点などの違いがある。言葉の上でも、シンデレラはフランス語で答え、ピノキオはイタリア語で叫ぶなど、随所にヨーロッパを意識したものとなっている。今回のオープンを機に、２つのテーマパークと周辺ホテルなどを「ディズニーランドリゾート・パリ」と総称することになった。

　４．アトラスは３月１４日、創業者の原野直也会長から同社株式二百万株（約１５億円）の贈与を受け、不採算の「レコスタ」事業縮小に伴う特別損失処理に当てることになったと発表した。「レコスタ」は共同出資したジャパンアミューズメントエージェンシー（ＪＡＡ）が２０００年５月に発表、通信カラオケと写真シール機、そしてシングルＣＤ‐Ｒを組み合わせ、歌い終わるとレコーディングしたＣＤ‐Ｒが出てくる商品として同年夏に出荷したものだが、アトラスでは販売が当初見込みを大幅に下回っており、事業の縮小が課題となっていた。８６年設立以来同社は「プリントクラブ」などユニークな遊びを生み出して来ており、こうした社風を発展させることから中期計画を策定した。原野会長はこのため個人資産の提供を申し出、その意思を取締役会が受けることを決めたもの。

　５．日本コンラックスは３月１５日、自販機用硬貨識別機で不具合を起こす可能性のある２９万台を回収、修理した費用２，４５０百万円と、貸付引当金７１０百万円などを特別損失に計上するため、０２年３月期の最終損失が１７億円に増えることになったと業績の下方修正を発表した。また同社は、新規事業としてパスポートや各種免許証に使われる証明写真の自動作成機ビジネスを４月から開始することを明らかにした。これはユニテック・リサーチが開発し、日本コンラックスの紙幣識別機を組み込んで三吉工業が製造、日本コンラックスが企画・販売・オペレートするというもので、初年度１３億円の売上げを見込んでいる。

　６．カプコンは３月６日、新規事業「ブレインスポーツ」の第１弾として、ドイツで開発されたボードゲーム「カタン」を日本で展開し、ＴＶゲームも開発すると発表した。「カタン」は六角形の土地で構成される「カタン島」を舞台に、いかに開拓するかを競うゲームで、六角形の境界に家を建てるところからスタートする。土地に備わる資源を、プレイヤーはサイコロの数字によって手に入れ、他のプレイヤーと交換したりして町を発展させる。カプコンはまず４月にも通販サイトを通じてボードゲームを発売し、夏ごろ店頭販売へと広げる。ＴＶゲームはＰＳ２、ウィンドウズ向けに同時開発し、年末までに出荷する予定としている。

　７．台湾のフンニン・エレクトロニクス社は、家庭用ＰＳ２、ＤＣを業務用に使用するためのＣＤバーター「ＧＭＴ０１」を広く販売していることが知られている。台湾の業界誌「ＧＴＩ」に掲載されている広告によると、「ＧＭＴ０１」を業務用キャビネットに家庭用とともに組み込むことによって、家庭用にはない「インサートコイン」、「クレジット」、「コンティニュー」など表示されるほか、２人用ではプレイ中にボタンを押すことで途中参加できるという。映像出力はＡＶ端子またはＳ端子を使うほかは、ＪＡＭＭＡ規格を採用している。当然ながらＰＳ２、ＰＳ、ＤＣ用のゲームソフトが使用できる。家庭用ゲームソフトメーカーの対応が注目される。

　８．「ゲームマシン」チャートから。ＴＶゲームソフトウェア部門……１位はセガ社のＣＧ格闘ゲーム「バーチャファイター　４」（１３回目）、２位はカプコン／バンプレストの「機動戦士ガンダム　連邦ｖｓジオン　ＤＸ」。　ＴＶゲーム完成品部門……１位はセガ社のＣＧドライブゲーム機「頭文字Ｄアーケードステージ」（初登場）、２位はナムコの「太鼓の達人　２」。　ＴＶゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……１位は日立ソフトウェア／セガ社の写真シール機「衝撃美写」（６回目）、２位は日立ソフトウェア／セガ社の「劇的美写」。

　業界紙｢ゲームマシン｣は１９７４年以来、ＴＶゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月２回のペースで伝えてきました。