2001年12月1日号

Last updated on November 20, 2001

特報

 タイトーの9月中間決算で、業務用、家庭用とコンテンツサービスが伸ばした。

 セガ社業績は売上高と経常利益が上方修正されたが、故大川氏贈与の株式評価損で赤字見込みにとどまる。

海外

 米国インディアナポリス市条例について連邦最高裁は市側の上告を却下、業者側勝訴が確定した

 スティーブ・ウィン氏が計画する新カジノ「ラ・レーブ」の概要が明らかとなった。

国内

 テクモはPS2用ソフトがメモリーカードのデータ変更で改変されたとして提訴した。

 遊園地「横浜ドリームランド」は来年2月中旬に閉園することになった。


2001年12月1日号のニュースダイジェスト

タイトーが開設したファミリーレストラン併設のゲーム場「キッチンパニック」で、上は(左から)タイトーの飯沢幸雄常務、BBAの羽生田健介社長。

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はセガ社のCG格闘ゲーム「バーチャファイター 4」、完成品タイプではナムコの太鼓叩き音楽ゲーム機「太鼓の達人 2」。

10年前の主なニュース

 日本SC遊園協会(NSA)は遠藤嘉一日本娯楽社長らを来賓として招き、「プレイランド60周年記念大会」を開いた。英国ダブリューインダストリーズ社のVRゲーム機「バーチャリティー」は日本では電通プロックスが、米国ではエジソンブラザーズ社が独占的に販売することになった。米国任天堂は業務用16ビット機「スーパーシステム」を発表した。SNKネオジオソフト「餓狼伝説」が発売された(1991年12月1日号)。

20年前の主なニュース

 甲府地裁は10月22日にセガ社の申請を認め、大東商亊(本社山梨県石和町、山下征士社長)に対し著作物としてのTVゲーム「フロッガー」のコピー基板を使用・販売してはならないとする仮処分命令を出した。米国連邦地裁は「スクランブル」などのTVゲームコピー機の押収命令を次々出すに至った。タイトーは米国タイトー開発のTVゲーム機「クイックス」を発表した(1981年12月1日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1.タイトーは11月8日、業務用関係では最初に9月中間決算を発表。増収で3年ぶりに黒字回復を果たした。昨年の京セラマルチメディア吸収合併、大掛りなリストラに加え、携帯電話向けコンテンツサービスの急進で改善したもの。売上高は前年同期比21.8%増の35,215百万円、経常利益は1,500百万円、中間利益は1,401百万円だった。部門別売上高では業務用AM機が37.6%増の4,943百万円、家庭用が119.5%増の2,261百万円、ゲーム場収入が0.1%増の19,770百万円、コンテンツサービスが992.0%増の4,668百万円。カラオケは業務用販売が29.7%減の292百万円、レンタルが12.4%減の2,624百万円と振るわなかった。

 2.セガ社は10月23日に業績予想を修正。売上高、経常利益は大幅上方修正となったが、故大川功氏から贈与された株式の評価減(238億円)が大きく最終赤字になる見通しだ。修正後の連結通期では売上高2,000億円、経常利益100億円、最終損失150億円と前年比増収で赤字幅大幅減少を予想している。またオリエンタルランドも同日業績予想を上方修正、修正後の通期連結では売上高2,747億円、経常利益131億円、最終利益59億円と増収で減益幅縮小の見通しになった。東京ディズニーランドと9月4日オープンの東京ディズニーシーの合計年間入園者数を、当初予想の2,070万人から2,160万人へと変更したため。

 3.テクモは11月7日、PS2用「デッドオアアライブ2」のゲーム内容と映像を改変させることのできるPCソフト「お楽しみCD」を販売した潟Eェストサイド(本社兵庫県尼崎市、湯川貴弘社長)を著作権侵害で東京地裁に提訴したと発表した。訴えによると、「お楽しみCD」はプレイヤーがパソコンでPS2用メモリーカードのデータを変更できるもので、これにより女性キャラクターを全裸にすることもできるとされている。テクモによると、ウェストサイドに対し4月以来数回警告した結果、店頭からは姿を消しているが悪質なので訴訟を提起したとのこと。メモリーカードを使用する家庭用ゲームソフトでの無断改変については、コナミ「ときめきメモリアル事件」(99年2月、最高裁判決)があるが、だれが改変するのかなど大きな疑問もあり、解決済みとなっていない。

 4.米国インディアナポリス市が暴力シーンなどを含むTVゲーム機を未成年者から隔離するよう定めた条例は施行されないことが確定した。条例施行を禁止した連邦控訴裁決定を不満として市側が上告していたが、連邦最高裁は10月29日にこの上告を却下した。同条例は2000年7月に可決されており、9月施行の予定だったが業者側が施行禁止を求める訴えを起こし、連邦地裁は10月にこの訴えを却下した。しかし、業者側の控訴により連邦控訴裁は今年3月、合衆国憲法に違反する条例だとして施行禁止の決定を下していた。AMOA/AAMAの法律顧問、エリオット・ポートレイ氏は「連邦控訴裁決定を覆すような新たな証拠を市側は提出しなかった。この訴訟は実質的に業者側の勝利に終わった」と述べている。

 5.スティーブ・ウィン氏が米国ラスベガスの「ディザートイン」跡地に建設するカジノホテル名は「ラ・レーブ」となることが、ゲーミング機器展WGCE(10月17‐19日)に伴う同氏講演で明らかになった。「ラ・レーブ」はフランス語で「ザ・ドリーム」という意味。16,000uの人造湖に面して2,455の客室、11,000uのカジノフロア、6,500uのショッピングモール、12,000uの展示場を含む45階建てのカジノホテルが予定されている。しかしウィン氏は、「細かい建設計画が決まるまで、資金計画などは明らかにできない」としている。観測筋によると、同カジノホテルは2004年完成に向け12−13億ドルかけて建設され、カジノ運営に関する許可申請は完成の1‐2年前に提出される、と見ている。

 6.遊園地「横浜ドリームランド」が02年2月17日で閉園することになった。64年8月に日本ドリーム観光が建設した遊園地で、かつては年間120万人もの入園客を集めたが、ここ10年ほどは60万人ほどに落ち込み、赤字が続いていた。93年にダイエーグループに吸収され、子会社のドリームパークが運営してきたが赤字続きで閉園を決めたもの。同様にドリームパークが運営している「奈良ドリームランド」の運営は継続される。横浜ドリームランドの敷地はダイエーグループの十字屋が所有、ドリームパークに賃貸していたが、中古車オークションのユー・エス・エスに売却することが決まった。

 7.SNKは10月30日、大阪地裁が破産宣告したのを受け、業務を停止した。破産管財人が指名されており、02年2月27日に債権者集会が開かれる予定。一方、SNKの株主である西村司郎氏がSNK取締役5名とアルゼに対する株主代表訴訟を東京地裁に起こしていることが明らかになった。アルゼが発表したもので、「破産宣告を受けたなかで本件訴訟が提起されたが、乱訴である」としている。それによると、SNKは第三者割当増資で99年12月に1株6,500円で発行したにもかかわらず、00年2月には1株1,000円でアルゼに発行しており、不当に安い価格での違法増資でありSNKに損害を与えたとして、275億円の損害賠償を求めている。この訴えは4月6日に提出されたが同20日に取り下げられ、6月27日に再提出されたとのこと。

 8.「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はセガ社のCG格闘ゲーム「バーチャファイター 4」(4回目)、2位はカプコン/バンプレストの「機動戦士ガンダム 連邦vsジオン DX」。 TVゲーム完成品部門……1位はナムコの太鼓叩き音楽ゲーム機「太鼓の達人 2」(6回目)、2位はコナミの「ビートマニアUDX シックスススタイル」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位は日立ソフトウェアの写真シール機「劇的美写」(16回目)、2位はタイトーの「ハードパンチャー・はじめの一歩」。


 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。