2001年10月1日号

Last updated on September 17, 2001

特報

 「東京ディズニーシー」が9月4日に開業、「東京ディズニーリゾート」が完成した。

 業界団体役員としても活躍したホープの矢野徳造専務が死去した。

海外

 本紙欧州通信員だったメアリー・オープンショーさんが死去した。

 英国インターゲーム社が競合誌「ABヨーロッパ」を買収した。

国内

 有名な競走馬の名前使用を巡って、また別の判決が出た。

 コナミ・マーケティングが国内11の販社を吸収合併することになった。


2001年10月1日号のニュースダイジェスト

東京ディズニーシーのオープニングセレモニーで、上の写真は(左から)ミッキーマウス、オリエンタルランドの加賀見俊夫社長、米国ウォルトディズニー社のマイケル・アイズナー会長兼CEO、ロイ・ディズニー副会長、ミニーマウス、東京ディズニーリゾート・アンバサダーの四柳聡子さん。

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はセガ社の格闘ゲーム「バーチャファイター 4」、完成品タイプではナムコの太鼓叩き音楽ゲーム機「太鼓の達人 2」。

10年前の主なニュース

  米国AMOAエキスポ(9月12‐14日、ラスベガス)は再び活発となり、ミッドウェー社「ターミネーター 2」など数多くの新ゲームが披露された。JAMMAの健全娯楽推進委員会は、景品の上限価格500円の60%を上限仕入れ価格とみなし、違反景品の広告を掲載している月刊業界誌に警告することを決めた。AOU健全営業推進委員会は自主規制のうち「大人用」を撤回した上で、具体的な2機種についての規制を検討した(1991年10月1日号)。

20年前の主なニュース

 米国ミッドウェー社は「ディフェンダー」のコピー品を販売していたアーチック社を連邦地裁に訴えていたが、ついに販売禁止命令を勝ち取った。JAMMAのAMショー委員会は賭博に使われやすいクレジット/ベット式の遊技機の出品を禁止した。JAMMAはTVゲームをコピー品から守るため裁判を含むあらゆる手段をとる方針を固めた。(1981年10月1日号)。

Copyright © Amusement Press Inc. 2001     ゲームマシン、アミューズメントプレス、アミューズメント通信は登録商標です。無断で本紙記事を転載したり、その他アミューズメント通信社の知的所有権を侵害することは違法です(そのため処罰された出版社があります)。

【ニユースダイジェスト】

 1.「東京ディズニーシー」(TDS)が9月4日、開業した。東京ディズニーランド(TDL)に隣接する第2テーマパークで面積はほぼ同じ。7つのテーマポートに新規の23のアトラクションがある。主なアトラクションは、「マーメイドラグーン」、「海底2万マイル」、「インディージョーンズアドベンチャー・クリスタルスカルの魔宮」、「センター・オブ・ジアース」など。TDSと一体化した「ホテルミラコスタ」も同時オープン。7月オープンのモノレール「ディズニーリゾートライン」を含め「東京デイズニーリゾート」が完成したことになる。開業に際しオリエンタルランドの加賀見俊夫社長は「いつ来ても新たな発見を見出せるように、さらに追加投資などしていく」と述べた。

 2.有名な競走馬の名前を使っても馬主の権利を侵害したことにならない、との判決を東京地裁は8月27日に出した。アスキーの家庭用ゲームソフト「ダービースタリオン」シリーズに関するもので、23の馬主が98年に提訴したもの。同ゲームはプレイヤーが競走馬を育ててレースに出走させるというシミュレーションゲーム。有名競走馬に騎乗するのがゲーム内容となっていて、そのためパブリシティ権が認められ損害賠償命令を受けたテクモ「ギャロップレーサー」訴訟とは、ゲーム内容、馬名の使われかたなど異なるが、パブリシティ権を認めるかどうかでは正反対の結論となり、注目されている。

 3.ホープの矢野徳造専務が9月7日朝、肺がんのため都内の病院で死去した。68歳。東京都出身。葬儀・告別式は12日、ホープと矢野家の合同葬として築地本願寺第二伝道会館で行われた。葬儀委員長は友栄の内田博社長。喪主は長男恵一氏。矢野氏は55年明治大商卒。59年に中村製作所(現ナムコ)、65年に日本遊園設備、69年にホープ自動車(現ホープ)入社。90年常務を経て、97年から専務。業界団体では全日本遊園協会(JAA)理事、JAAMA理事など務めた。業界団体役員として非合理を排し、筋道を立てることを重んじて、その竹を割ったような性格で多くの業界人に愛された。

 4.サミーは9月6日、業績予想を大幅に上方修正した。アルゼと正反対にパチスロ機で「獣王」が過去最高のヒットとなり、「獣王」以外のパチスロ機も伸ばしているからで、これらパチスロ機は利益率も高いため利益も大きく膨れ上がるもようだ。修正後の来年3月期単独の売上高は前年比122%増の1,502億円、経常利益は205%増の578億円、当期利益は191%増の287億円と予想されている。なおテクモのトップ異動が9月3日に発表され、10月1日付で柿原彬人社長が代表権のある会長に、中村純司副社長が社長に就任することになった。またゲーム機用景品メーカー、エスケイジャパンの株式は9月3日、大証新市場から大証2部に指定替えとなった。

 5.コナミの国内販売子会社、コナミ・マーケティング梶i本社東京、古川真一社長)は8月28日、地域・市場別の11販社を10月1日付けで吸収合併することを明らかにした。吸収合併されるのは北海道コナミ、北関東コナミ、東関東コナミ、東京コナミ、南関東コナミ、中部コナミ、大阪コナミ、中国コナミ、九州コナミ、中央コナミ、西日本コナミ。こられ販社は販社役員と取引先が出資し95年4月に発足した後、再編を経て株式持ち合いをしていたが、コナミの子会社でないとされてきた。コナミ・マーケティングは昨年10月設立で、同社と販社を経由して業務用、家庭用、ゲームカードなどコナミ製品が販売されている。

 6.本紙欧州通信員だったメアリー・オープンショーさんが8月14日、心不全のためアイルランドの病院で死去した。85歳。1915年12月に英国で生まれ、小さいころから記者を目指した。父親が遊園地業を営んでいたことからAMビジネス専門の記者となり、ベルギーに居を構えワールドフェア社「コインスロット」の国際面担当記者となり、ユーロマットの代理人にも指名された。78年に独立し各国業界紙の通信員となり、90年に引退しアイルランドに移った。本紙では78‐90年の間欧州の記事を送ってもらった。

 7.英国インターゲーム社は8月30日、セントール社発行の月刊「ABヨーロッパ」を買収したことを明らかにした。買収金額などは不明。「ABヨーロッパ」のスタッフは解雇され、10月号からインターゲーム社発行となる。セントール社は13の月刊誌、8つの週刊誌を発行しているが、業務用ゲーム機部門の業績が振るわず撤退したもの。インターゲーム社は月刊「インターゲーム」などを発行しており、「ABヨーロッパ」を欧州向けに特化する考え。インターゲーム社自体は98年9月、ゲーミング関係の出版社、米国GEM社に買収されている。

 8.「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はセガ社の格闘ゲーム「バーチャファイター 4」(2回目)、2位はカプコンの「機動戦士ガンダム・連邦vsジオン」。 TVゲーム完成品部門……1位はナムコの太鼓叩き音楽ゲーム機「太鼓の達人 2」(2回目)、2位はセガ社の「クラブカート」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位は日立ソフトウェアの写真シール機「劇的美写」(12回目)、2位はタイトーの「ハードパンチャーはじめの一歩」。


 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。