2001年4月15日号

Last updated on April 10, 2001

特報

 アルゼは子会社のSNKが特定調停の申請を大阪地裁にした、と発表した。

 東京、大阪の高等裁判所は家庭用中古ゲームソフト販売を合法とする判決を出した。

海外

 米国コネクティックス社とSCEはエミュレーター開発で提携に合意し、SCEは訴訟を取り下げた。

 カナダのシメックス社は米国アイワークス社などを買い取ることで合意した。

国内

 大阪市など第3セクター方式のユニバーサルスタジオ・ジャパンが正式オープンした。

 セガ社の大川功会長兼社長が死去し、佐藤秀樹副社長が社長に昇格した。


2001年4月15日号のニュースダイジェスト

ユニバーサルスタジオ・ジャパン(USJ)の正式オープンで、上の写真はオープニングセレモニーの様子。下は上空から見た全景。

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はカプコンの「ストリートファイターZERO3アッパー」、完成品タイプではナムコの「太鼓の達人」。

10年前の主なニュース

 米国ACME91でセガ社は凹面鏡を使った立体TVゲーム機「ホログラム」を披露した。JAMMA理事会は会費値上げ案を総会に提出することを決め、またTV麻雀ゲームを含めた機械基準改正案で論議した。ナムコの高木慶治常務が退任、データイーストの専務に就任することになった(1991年4月15日号)。

20年前の主なニュース

 JAMMAに続き、日本アミューズメントオペレーター協会(NAO、内田博会長)が3月23日、設立された。NAOは続いて地方の支部長を指名した。全日本遊園施設協会(JAPEA、山田俊夫会長)が3月25日、設立された。西ドイツのガーゼルマングループがAM機を扱うノバ社を傘下に入れた(1981年4月15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1.テーマパーク「ユニバーサルスタジオ・ジャパン」が3月31日、大阪市此花区に正式オープンした。第三セクターの潟ー・エス・ジェイが運営するもので、同社資本の25%は大阪市、24%は米国ユニバーサルスタジオズ社が所有する。54haの工場跡地に98年10月着工、1,700億円かけて完成させた。日本だけの「スヌーピースタジオ」、「アニメセレブレーション」と米国で既存の「ターミネーター2・3D」など合計18のアトラクションが多数の米国企業によって建設された。国内企業はほとんど関与していない。関西経済の起爆剤と期待される反面、第三セクターによる経営を不安視する向きがある。

 2.家庭用TVゲームソフトの中古販売についての訴訟で3月下旬、東京と大阪の高等裁判所判決が相次いで出され、中古ソフト販売業者側がいずれも勝訴した。敗訴したメーカー側は上告する方針だ。二つの訴訟は著作権法で定める「映画の著作物」の「頒布件」を侵害することになるかどうかを争うもので、地裁段階では異なる二つの判決となっていた。メーカーは著作権法の文理解釈から中古販売は侵害にあたると主張してきており、その限りでは業務用TVゲーム機の中古販売も侵害となるはずだったが、家庭用について高等裁判所が侵害に当たらないとしたため、業務用への影響は心配なくなった(速報=次号で詳報)。

 3.PC上でPS用ゲームソフトを楽しむためのエミュレーター「バーチャルゲームステーション」(VGS)を巡るSCEと米国コネクティツクス社との争いが3月14日に終結した。コ社「VGS」が知的所有権などを侵害しているとSCEは訴えていたが、連邦裁判所でSCEの敗訴は濃厚となっていた。こうした背景のもと両社は、SCEが訴訟を取り下げ、両社がPS用エミュレーター開発で提携することで和解したもの。コ社は「VGS」の販売を今年6月まで継続する。SCEはまた、米国ブリーム社のエミュレーター「ブリーム!」についても訴えているが、苦戦している。

 4.米国とカナダの映像シュミレーター大手企業間で大がかりな再編が進んでいる。昨年8月に倒産した米国ショースキャン社の資産は、米韓に拠点を持つオクトグラフ社が買い取ることになった。一方カナダのシメックス社は米国アイワークス社を株式交換方式で買い取ることで合意、手続きを進めることになった。またシメックス社はカナダのアイマックス社のライドフィルム部門の映像ライブラリーと供給先を手に入れた。シメックス社はこれらにより、映像シミュレーター市場のシェアーを一挙に拡大することになる。

 5.SNKは3月9日、大阪地裁に特定調停を申請した、と親会社のアルゼが発表した。それによると、SNKはリストラなど進めようやく再建の見通しが立ってきたが、累積債務を一掃するため金融機関との間で交渉してきたが裁判所に調停を申請するに至った、とのこと。アルゼは3月24日、今年3月期連結業績予想を下方修正するとともに、子会社SNKの事業再編を今年3月に終え、不良債権(金額は示していない)を特別損失に計上したと説明している。なおSNKでは「ネオジオワールド東京ベイサイド」を借地契約8年間を残して3月で閉鎖することを明らかにした。

 6.日本経済新聞が「カプコンが業務用ソフト撤退」と報じたのに対し、カプコンは3月19日、この報道を否定するコメントを出した。カプコンによると、2002年3月期は業務用部門を縮小し、家庭用ゲームソフト事業に注力するものの、引き続き業務用ソフトも供給していく、とのこと。同社業務用TVゲームは基板タイプが主で、その市場が次第に小さくなっていることと、家庭用を業務用化した他社基板との技術的にギャップがあることから、業務用の開発は縮小傾向にあるが、決して撤退しないということのようだ。

 7.セガ社の大川功会長兼社長が3月16日心不全のため東京の病院で死去した。74歳。葬儀は近親者で行われており、社葬は追って行われる。1968年にコンピューターサービス(現CSK)を設立し社長、昨年6月から名誉会長。84年4月にセガ社をCSKの傘下に収めてからは会長、昨年6月から会長兼社長。家庭用TVゲーム機「DC」をネット端末とするネットワーク戦略に賭けていた。大川氏死去に伴いセガ社は3月21日、佐藤秀樹副社長が社長に昇格、福島吉治取締役兼CSK会長が会長に就任することを決めた。

 8.「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はカプコンの格闘ゲーム「ストリートファイターZERO3アッパー」(初登場)、2位はナムコの「ミスタードリラー・グレート」。 TVゲーム完成品部門……1位はナムコの太鼓叩き音楽ゲーム機「太鼓の達人」(初登場)、2位はセガ社「ダービーオーナーズクラブ2000」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位は日立ソフトウェアの写真シール機「劇的美写」(初登場)、2位はオムロン「フラッシュショット」。

 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。