2001年3月1日号

Last updated on February 20, 2001

特報

 日本のAM業界の先駆者、指導者として巨大な業績を残した遠藤嘉一氏が死去した。

 英国ATEI01でセガ社「クラブカート」など日本の新作ゲームが披露された。

海外

 イタリアでゲーミング機を一掃する改正法が施行されたが、業者の95%は守っていない。

 米国ミッドウェー社は4つの四半期連続で赤字になった。

国内

 クレーンの景品で問題となったレーザーポインターが法令で規制された。

 バンプレストは4月中旬からネット上で景品獲得ゲーム場を開設する予定だ。


2001年3月1日号のニュースダイジェスト

英国ATEI2001で、上はセガ社「クラブカート」紹介のようす。下は会場を上から見たところ。

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はタクミ/カプコン「ギガウィング 2」、完成品タイプではセガ社「ダービーオーナーズクラブ2000」。

10年前の主なニュース

 セガ社は業界初の32ビット「システム32」基板とこれに基づく新ゲーム「ラッドモビール」を発表した。AOUは理事会、委員会を経ていわゆる「卑猥なTV麻雀ゲーム」の使用を自粛することになった。米国冬季CESで、大成功の任天堂「NES」を追う形で、セガ社は16ビット「ジェネシス」を展開、SNKは家庭用「ネオジオ」を披露した。(1991年3月1日号)。

20年前の主なニュース

 米国国際貿易委員会(ITC)は著作権侵害を理由に、「ギャラクシアン」のコピー品の輸入を禁止した。米国で業務用ゲーム機メーカーの団体、ADMAが設立された。インベーダー無断コピーをめぐり訴訟を起こしていたタイトーは日本物産と和解した。セガ社の元副社長、広原昇氏が死去した。(1981年3月1日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1.日本のAM業界の先駆者、指導者として巨大な足跡を残した日本娯楽機鰍フ遠藤嘉一氏が1月31日、老衰により東京都清瀬市の病院で死去した。102歳だった。1899年1月8日、岐阜県で出生、1922年にはじめて自動販売機を組み立て成功した後、28年に日本自動娯楽機製作所を設立しさまざまなAM機を開発製造した。31年開設の初の百貨店ロケ、浅草松屋の「スポーツランド」は歩合制でも画期的とされる。戦後も私財を投げ打ってAM機にかかる物品税撤廃を勝ち取るなど、業界の発展に尽くした。79年まで全日本遊園協会(JAA)会長を務めた。

 2.欧州最大の遊技機展、英国ATEI01(1月23‐25日、ロンドン)は昨年より大規模で入場登録業者も多くなった。出品機の大半はAWP機など欧州の射幸遊技機で、AMゲーム機はわずかだが、今回もコナミ、サミー、セガ社、ナムコなどが子会社を通じて出展、新ゲームを披露した。その主なものはセガ社「クラブカート」、「ワイルドライダーズ」、ナムコ「ヴァンパイアナイツ」、コナミ「スリルドライブ 2」、タイトー「スタントタイフーン」など。

 3.子どもが玩具店やクレーンゲーム機を通じて手に入れたレーザーポインターで事故を起こす例があるため、出力がごく弱いものを除きレーザーポンターは1月31日から消費生活製品安全法で規制される品目に指定された。経済産業省・紙業生活課は昨年12月、レーザーポイターの販売・提供自粛を関連団体に要請していたが、法令での規制も進めていた。レーザーポインターを製造・輸入する際には技術上の基準を満たしたうえ所定のマークを製品に表示ことが義務付けられる。マークのない製品の販売・陳列は処罰の対象となる。

 4.バンプレストは1月29日、インターネット上に複数のゲーム機を設け、プレイヤーが料金を払って参加し景品を獲得できるというゲーム場を4月中旬から開設する、と発表した。ネット上にビッグエンターテインメント(big-e.ne.jp)というサイトを開設、その中に「プライズパーク」を設けるもので、1回100‐500円を支払いアーム型、クレーン型、スロットマシン型のゲームで景品獲得に挑戦するもの。獲得した景品の配送はバンダイグループのハピネットが担当する。

 5.イタリア政府はゲーミング機を一掃する改正法を1月1日に施行したが、業者の95%は目先の利益を失うことを恐れて法律を守っていないことが分かった。業者団体SAPARのチジアーノ・トレデス副会長によると、イタリア政府内務省は3月までに何らかの現実的な調整をすることで業者側と同意しており、まだ混乱が続くもようだ。改正法は、ゲーム機として使用できるのは偶然性に比べスキル(技術介入性)が高いものに限る、などとしている。

 6.米国ミッドウェー社は1月30日、第2・四半期(10‐12月)決算を発表、4つの四半期連続しての赤字となった。売上高は前年同期比48%減の76.99百万ドルで、うち業務用は37%減の18.30百万ドル、家庭用は51%減の58.69百万ドルと特に家庭用で大幅に後退している。家庭用の内訳は、N64用が49%減、PS用が64%減、DC用が59%減で、PS2用が新規に加わっても相当な落ち込みとなっている。同社をスピンオフしたWMS社はゲーミング機に特化しており、増収減益にとどまった。

 7.コナミはフィットネス大手の潟sープルを子会社にすることになった。ピープルを所有するマイカルグループが手放すもので、コナミは2月19日までのTOBで株式の60%を約758億円で取得する、と1月29日に発表した。コナミは昨年9月にヘルスケアエンタテインメント(HE)事業部を新設しており、フィットネスゲームの共同開発など計画する。なおコナミは大阪国税局から所得隠しの指摘を受け追徴課税されていたことが1月30日に明らかとなった。

 8.「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はタクミ/カプコンのCGシューティングゲーム「ギガウィング 2」(初登場)、2位はセガ社「バーチャストライカー 2バージョン2000」。 TVゲーム完成品部門……1位はセガ社の競走馬育成ゲーム「ダービーオーナーズクラブ2000」(22回目)、2位はコナミ「ザ・警察官」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はオムロンの写真シール機「フラッシュショット」(12回目)、2位はメイクソフトウェア「フォト&シール・クルクル」。

 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。