2000年11月1日号

Last updated on October 23, 2000

特報

 2年連続してファンエキスポと併催となったAMOAエキスポ00は、出展規模、来場者ともに前年よりややアップしたが、新ゲームの披露は少なかった。

海外

 国際団体のテームド・エンタテイメント・アソシエーション(TEA)の今年度受賞作が発表された。
 SCEが求めた「VGS」販売の予備的禁止命令を、連邦最高裁は認めなかった。

国内

 セガ社は「ナオミ2」の来年出荷を、ナムコはPS2を元にした「システム246」開発をそれぞれ発表した。
 ナムコは来年3月期連結で、上場来初の赤字になるとの業績下方修正を発表した。


2000年11月1日号のニュースダイジェスト

米国AMOAエキスポ00(9月21−23日、ラスベガス)で、上はミッドウェー社の、下は米国セガ社の小間のようす

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はカプコン「カプコンvsSNK」、完成品タイプではセガ社「ダービーオーナーズクラブ」。

10年前の主なニュース

 JAMMA主催のAMショー(10月2‐3日、TRC)が開催され、TVゲームでは大型シミュレーター化が進み、アーケードゲームでは景品払い出しのプライズ機化が進んだ。出展規模は前年並みだが、来場者は減少した。米国でTVゲーム基板の並行輸入を特例で合法化する動きが強まり、連邦議会下院の委員会を通過した。セガ社の株式が東証2部から1部に指定替えとなった(1990年11月1日号)。

20年前の主なニュース

 全日本遊園協会(JAA)主催としては最後のAMショー(10月8‐10日、晴海展示場新館)が開催され、ゲーム機分野では日本のTVゲームが大きく世界をリードすることになった。米国の大手メーカーが多数来日し、許諾を受けたことを明らかにした。期間中国内の大手メーカーはそれぞれパーティーを開催した(1980年11月日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. 2年連続してファンエキスポと併催となったAMOAエキスポ2000(9月21‐23日、ラスベガス)は、AMショーと日程が重なったため、主なメーカーはスタッフをふた手に分けるなど苦労した。新ゲーム披露は日米同時発表となったものもあったが、例年より少なかった。展示規模はAMOAがやや増やし、ファンエキスポが減らした。登録入場者数は合計で10,956人と増加した。今回はアンダミロ社など韓国の開発メーカーの進出ぶりが目立ったが、日系メーカーは反対にやや後退した。

 2. 国際団体テームド・エンタテイメント・アソシエーション(TEA、事務局ロサンゼルス郊外)は9月16日、今年度TEA賞受賞作を発表。テーマパーク部門では「ユニバーサルスタジオ・アイランズ・オブ・アドベンチャー」に決まり、アトラクション部門では同園内の「スパイダーマン」、オーストラリアのフォックススタジオ内「タイタニック・ザ・エキスピアレンス」、中国・雲南省の「ストーンフォレスト」がそれぞれ受賞した。日本関係の施設はなかった。

 3. 米国コネクティックス社エミュレーター「バーチャルゲームステーション」(VGS)の販売をSCEは阻止しようと訴訟を進めているが、SCEの申請した予備的禁止命令は、結局認められないことになった。2月に申請を却下した連邦高裁の決定を支持するとの決定を、10月2日に連邦最高裁が出したもの。本訴のほうも大部分についてすでにSCE敗訴の略式判決が5月に出ており、残り2項目の審理だけが続けられている。

 4. AMショーを機にセガ社は、来年出荷する「ナオミ2」と今秋出荷する「GD−ROMドライブユニット」などを披露した。前者は「ナオミ」のCG処理能力などアップしたもの。後者は、業務用TVゲーム機製造で最近マスクROM調達が困難なことから、DCと同じ規格の「GD‐ROM」でゲームソフトの供給を図ることにしたもの。

 5. ナムコはPS2のコアボードにインターフェイス基板を組み合わせた「システム246」を発表した。第1作「リッジレーサーXアーケードバトル」は11月出荷される。 ナムコは10月4日、業績予想を下方修正した。日活の不動産売却損1,340百万円、投資有価証券評価損2,034百万円、退職給付債務870百万円を特別損失に計上するためで、来年3月期の連結売上高は前回予想をわずかに下回る146,440百万円、最終損失は2,118百万円(前回予想は3億円の利益)を見込んでいる。連結赤字は上場以来初めて。業務用は米欧で不振、米国でのオペレーションも伸び悩んでいる。

 6. セガ社は7月に東京都内3ヶ所で実験営業を開始した「エンターテインメントステージ・ネットアット」を10月1日付でいったん中止、元のゲーム場に戻した。当初予定では来年3月までに全国15箇所に拡大することになっていたが、「ネットアット」に対する関心は低く、来春まで継続されるかどうか危ぶまれていた。セガ社ではコンテンツ、システムが未完成だったとし、これらを完成させた上で来年4月から本格的にスタートさせたいとしている。

 7. セガ社のオペレーション部門は「東京ジョイポリス」を除いて10月1日、新設の5つの子会社に営業譲渡された。永井明専務によると、これまで本社が中央集権的に進めてきたが、今後は子会社の明確な責任の下でスピーディーに意思決定し、地域に密着した適切なゲーム場経営を進めることになったとのこと。9月末の簿価を基準に資産を分割譲渡した。それぞれの子会社は譲渡された資産をセガ社からの借入金として計上する。子会社従業員はセガ社からの出向扱いとなる。

 8. 「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はカプコンの対戦格闘ゲーム「カプコンvsSNK」(3回目)、2位はセガ社「バーチャストライカー2 バージョン2000」。TVゲーム完成品部門……1位はセガ社の競走馬育成ゲーム「ダービーオーナーズクラブ」(14回)、2位はセガ社「東京バス案内」。TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はオムロンの写真シール機「ピュアショット」(6回目)、2位はメイクソフトウェア「フォト&シール・キララ 2」。

 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。