2000年8月15日号

Last updated on August 7, 2000

特報

 セガ社は予告どおり、新形態の「ネットアット」営業実験を開始したが、これはゲーム場とは別に利用されるものだった。
 台湾のコピーヤーに対し、2年の実刑判決が言い渡された。

海外

 家庭用「DC」を業務用に変換する装置を販売したイタリアの業者が摘発された。
 米国インディアナポリス市は暴力場面を含むTVゲームを規制した。

国内

 今年のAMショーに非会員21社を含む79社が出展することになった。
 JAAMAは93年来のAAGを解散することを決めた。


2000年8月15日号のニュースダイジェスト

「夢の技術展」のセガ社小間で、上は「ネットアット」紹介コーナーのようす。下ICカードを使用しているようす

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はナムコ「ミスタードリラー」、完成品タイプではセガ社「ダービーオーナーズクラブ」。

10年前の主なニュース

 JAMMA単独主催2回目のAMショー(10月3−4日、TRC)に前回並み47社が出展することになった。IAAPAとJAMMAの幹部が初めて東京で懇談した。大阪「天保山ハーバービレッジ」内のセガ社のゲーム場「シネセット」がオープンした(1990年8月15日号)。

20年前の主なニュース

 英国ATE会場だったアレクサンドラパレスが焼失した。タイトーアメリカ社の社長にミッテル氏が就任した。岡山・高梁に遊園地「きびの郷ワンダーランド」が誕生した。大阪・ナンバシティにナムコのゲーム場「ビッグキャロット」がオープンした(1980年8月15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. セガ社は予告どおり、新形態の「エンターテインメントステージ・ネットアット」の営業実験を東京都内3ヵ所を結んで7月21日開始した。これは池袋ギーゴ、渋谷ギーゴと東京ビッグサイト「夢の技術展」セガ社小間を光ファイバーの高速通信網で結んで、ゲーム、映画、ビデオなどのコンテンツを楽しんだり、テレビ電話を利用したりするもの。専用の端末機「ネットアットターミナル」は液晶のタッチスクリーン方式で、専用のICカードを差し込んでから使用する。

 2. 「ネットアット」で利用できるゲームは戦争シミュレーション「ハンドレッドソード」のほか、「指の先カントリー倶楽部」など簡単な3タイトルが用意されている。光ファイバーの高速通信網はこれらのコンテンツを高速でロードダウンできるようにするもので、ネット自体は社内LANとなっている。「夢の技術展」は6日までで、12日以降は「東京ジョイポリス」が引き継ぐ。利用料金は30分600円。ゲーム場の3分間100円をしのぐ収益を目指すという。

 3. SNKのネオジオゲームソフト「サムライスピリッツ」の無断コピー品を製造、販売したとして起訴された、台湾のヤンチェン社と黄健雄=ピーター・ファング社長について台湾の高裁は6月21日、著作権と商標権を侵害したとして黄被告に懲役2年の実刑判決を言い渡した。SNKは95年に告訴、ヤンチェン社は摘発された後、起訴されていた。地裁ではほとんど審理せず、無罪を言い渡したが、高裁は事実審理を進め有罪とした。黄被告は最高裁に上告している。

 4. セガ社は家庭用「DC」が業務用に転用されているのは知的所有権侵害だとして、欧州で今年春からキャンペーンを進めてきたが、イタリアのリミニ裁判所の命令が禁止命令を出した。これに伴い業務用にするためのコンバーター「GCD」、「MGCD」を販売していたバッサノジオッチ社が摘発された。セガ社は摘発手続きについて詳しく説明していないが、摘発は6月に行われたもようだ。業務用に転用するコンバーターについてどう対処するのか、「PS」を展開しているSCEは態度を示していない。

 5. 米国インディアナ州インディアナポリス市議会は7月10日、暴力やセックス場面を含むTVゲームを18歳未満の少年に触れさせてはならないとする条例を可決した。ゲーム場のレイアウト変更など必要なことから、施行は9月1日。条例に違反すると、1日200ドル以下の罰金、三回以上違反すると問題のゲーム機を撤去するか、ゲーム場を閉鎖するか迫られる。暴力などの定義について、同条例はよく研究している、とAMOA/AAMAの法律顧問は解説している。

 6. 今年のAMショー(9月21−23日、東京ビッグサイト)には79社が1,088小間に出展することになった(前回は79社、1,084小間)。うちJAMMAかJAPEAの会員は9.4%減の58社(64社)で、非会員は40%増の21社(15社)。複雑なルールがあるため、トラブルが発生する可能性は高い。前回出展して今回出展しないのはSNK、大平技研、シグマなど。反対に出展するのはアルゼ、リバーサービス、東プロなど。

 7. JAMMAはAAMAのボブ・フェイ専務を団長とするコピー対策顧問団、AAGを6月30日付で解散した。AAGは93年以来、世界各地でのコピー対策を進めるため設立されたが、ここ数年は目立った活動をしていない。フェイ氏は今年6月にAAMAを退職すると、4月初めにJAMMAに伝えてきたが、JAMMAは4月下旬の理事会、5月の通常総会と理事会でもこれを取り上げず、フェイ氏が退職した後の7月5日の理事会になって初めてやっと取り上げたことになる。

 8. 「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はナムコのアクションゲーム「ミスタードリラー」(3回目)、2位はセガ社「バーチャストライカー2バージョン2000」。TVゲーム完成品部門……1位はセガ社のCG競走馬育成ゲーム「ダービーオーナーズクラブ」(9回目)、2位はコナミ「ダンスマニアックス」。TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はオムロンの写真シール機「フラッシュショット」(初登場)、2位はメイクソフトウェア「フォト&シール・キララ」。

 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。