2000年5月15日号

Last updated on May 13, 2000

特報

 民法一部改正に伴う風営法改正で、ゲーム場開設許可申請に必要な証明書が2種類に増えた。

 セガ社のゲーム場運営部門は、地域別5社に分社化する見通しになった。

海外

 台湾で新法「電子遊戯場業管理条例」が施行され、ゲーム場運営は新法による許可制に置かれた。

 ラスベガス・サハラカジノホテルの垂直コースターが完成した。

国内

 カプコンはPHS内蔵、ネットワーク活用の業務用「タウンサーバー・エージーナビ」を7月から設置することになった。

 コナミは一般消費者向けにネット販売会社を スタートさせた。


2000年5月15日号のニュースダイジェスト

ASI2000で、上はミッドウェー社「ガントレット・ダークレガシー」、下はコナミAMオブ・アメリカ社「シンプソンズ・ボウリング」を盛り立てるキャラクターたち

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はカプコン「マーヴルvsカプコン 2」、完成品タイプではセガ社「ダービーオーナーズクラブ」。

10年前の主なニュース

 大阪・鶴見緑地で「国際花と緑の国際博」が開幕、遊園地ゾーン「マジカルクロス」に日本初の9種類の遊園施設が完成した。米国版ファミコン「NES」用ソフトの偽物が大量に出回り、米国任天堂は撲滅活動を開始した(1990年5月15日号)。

20年前の主なニュース

 全日本遊園協会(JAA)のAM部会は「遊戯装置付きテーブル」実用新案権は、TVゲームと無関係でありまた無効であることを総会で確認、JAAは特許庁に無効審判を請求することになった。東京マルサンが発足、旧マル三商会の関東地区ロケーションを引き継いだ(1980年5月15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. 禁治産者を成年被後見人とする民法の一部改正に伴い、風営法および総理府令も一部改正され、風俗営業である「8号営業」(ゲームセンター等)の営業許可を申請する際に、必要な添付書類として証明書が1通から2通に増えた。4月1日施行の改正民法などにより後見開始の審判を受けたものは成年被後見人となったためで、これまでは禁治産者でないとの市町村長の証明書だけだったのが、成年被後見人でないとの東京法務局の証明書と、経過処置でみなされる成年被後見人でないとの市町村長の証明書が必要となった。

 2. セガ社は昨年11月、ゲーム場運営部門を今年中に東西2社に分社化すると発表していたが、今年9月以降5社に分社化する方向で進めていることを明らかにした。同社直営ゲーム場は99年3月に870店あったが、不採算の小規模店などの閉鎖を進め、現在600店まで減少してきている。ゲーム場運営に携わる1,500人の社員は分社化に伴い移籍することになるが、それぞれの運営子会社では風俗営業の許可申請を改めて行うなど、かなりの作業が必要と見られている。

 3. 台湾で新法「電子遊戯場業管理条例」が2月3日に施行された。ゲーム場の許可制は96年4月の摘発以来混乱が続いていたが、新法のもとで新たな許可制が敷かれることになった。新法ではゲーム機を3種類に分け、18歳未満の者が入場できる一般遊技場と、入場できない規制遊技場に区分し、景品の提供は前者が1000台湾ドル以下、後者が2000台湾ドル以下ならできるとしている。メダルゲームやパチンコ営業もある台湾なので分からない点が多いが、矛盾だらけの日本の風営法と比べると優れている点もあるようだ。

 4. 米国ラスベガスのサハラカジノホテルに付属するテーマレストラン「NASCARカフェ」がオープンしたのに続いて、垂直コースターが完成、4月28日に運転を開始した。米国プリミアライド社製LIMローラーコースター「スピード・ザ・ライド」で、ホテル内から急速発車、34mのトンネルをくぐって地上のループに入り、いきなり垂直に高さ67mまで上り詰め、また戻ってくるというもの。ラスベガス大通り裏面したところで垂直に上り詰めるところから、話題のアトラクションがまた増えた。

 5. カプコンは業務用「着メロコレクション」を発展させた「タウンサーバー・エージーナビ」を7月から設置していく、と発表した。京セラのPHSを内蔵しており、第二電電のネットワークを活用する。この「タウンサーバー」は情報端末として開発され、少なくともデータ通信を採り込み、開発される。当面はキャラクター、写真、音楽、ゲームなどの情報をカプコンのサーバーを通じて送信する。また家庭用の開発も検討しているとのこと。

 6. コナミは4月1日付けでネット販売会社、コナミスタイルドットコム鰍設立、サイト「コナミスタイル」を開設した。これはデジタルコンテンツを新しい流通システムで供給していくため開設されたもので、一般消費者向け。それぞれの客のニーズなどデータベースを活用し、商品開発などに役立てていく、としている。新会社はコナミの完全子会社で、社長はコナミの太田護常務。

 7. CESA主催の東京ゲームショウ00春(3月31日−4月2日、幕張メッセ)には66社が1295小間に出展、初日のビジネスデーに18,803人、後2日間の有料一般公開に112,905人が訪れたが、出展社は連続して減少しており、「PS2」初公開で盛り上がった前回が最高だったのと比べ来場者ともこれまでを2割ほど下回った。「PS2」出荷後のイベントということで熱が冷め、むしろネットワークゲームなどの紹介が目立った。

 8. 「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はカプコンの格闘ゲーム「マーヴルvsカプコン 2」(3回目)、2位はセガ社「パワースマッシュ」。 TVゲーム完成品部門……1位はセガ社のCG競走馬育成ゲーム「ダービーオーナーズクラブ」(3回目)、2位はナムコ「ゴルゴ13」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はコナミのパンチングゲーム機「パンチマニア北斗の拳」(初登場)、2位はメイクソフトウェア「フォト&シール・キララ」。

 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。