2000年4月1日号

Last updated on March 25, 2000

特報

 米国ミッドウェー社は開発子会社アタリゲームズ社の社名を変更、業務用でも「アタリ」の名称はなくなった。
 遊園施設、イベントのサンアップが事業を停止した。

海外

 世界最大の観覧車「ロンドンアイ」が完成、3月になってやっと営業運転を開始した。
 米国で金色の新1ドル硬貨が発行された。

国内

 SCEは「PS2」基板を業務用メーカーに供給すると発表した。
 セガ社は3月期業績を下方修正し、増資によりCSKと大川会長から約1014億円調達すると発表し た。


2000年4月1日号のニュースダイジェスト

AOUエキスポ00で、上はタイトー「電車でGO!3」など、下はカプコン「マーヴルvsカプコン」などの出品のようす

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はセガ社「パワースマッシュ」、完成品タイプではセガ社「ダービーオーナーズクラブ」。

10年前の主なニュース

 米国ACME(3月9-11日、シカゴ)で日米の新ゲームが多数披露され、盛り上がった。任意団体としてのAOUは解散、警察関係の社団法人としてAOUは設立総会を開いた。岡山県警はTVポーカー機を製造、販売していたパル、ニッコー電子などを電気用品取締法違反で書類送検した(1990年4月1日号)。

20年前の主なニュース

 「遊技装置付きテーブル」実用新案権問題で全日本遊園協会(JAA)は、オペレーターが個別対応するのではなくJAAが一括交渉する、との方針を固めた。オリエンタルランドは83年3月開業を目指し、東京ディズニーランドの着工を進めることになった(1980年4月1日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. 業務用「アタリ」ブランドはアタリゲームズ社が守ってきたが、親会社のミッドウェー社は2月「アタリ」のブランド使用を停止した。ディストリビューター会合で明らかにしたもので、新ゲーム「ガントレット・ダークレガシー」なども「ミッドウェー」ブランドに統一される。アタリ社は1972年以来TVゲームの先駆者として知られてきたが、分離した家庭用ブランドは96年に消滅している。業務用開発は単に「ミッドウェーウェスト」と呼ばれることになる。

 2. 英国ロンドンで完成した世界最大の観覧車「ロンドンアイ」(高さ135m)は開業予定が遅れ、3月になって営業運転を開始した。英国航空とタッソーグループによるこの観覧車は構造、建築方法がユニークで、それも原因となって開業が遅れた。営業運転では完全予約制となっており、すでに60万人が予約している(初年度250万人の利用見込み)。25人乗りのカプセルが32個付いており、一周30分かけて回る。

 3. 米国で新1ドル硬貨が発行された。赤ん坊を背負ったインディアン女性、サカジャウィナの肖像を描いたもので、スーザン・アンソニー女史を描いた1979年発行の白銅硬貨と同じ大きさだが、金色で美しいのが特徴。ゲーム機や自動販売機の業界では、あまり出回らなかったアンソニー硬貨と異なり、新硬貨が大量に出回り、ビジネスの支えになるよう期待している。なお1ドル紙幣は廃止にならず、紙幣と硬貨が併用されることになる。

 4. ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は2月24日、家庭用「PS2」基板をSNK、カプコン、コナミ、ジャレコ、タイトー、テクモ、ナムコ、ハドソンに業務用CG基板として使用できるよう供給する、と発表した。SCEはこれまで「PS」基板を業務用基板として使えるようカプコン、タイトーなどに30万枚供給してきている。これらの方法で開発されたゲームソフトは業務用から家庭用に、家庭用から業務用に移植するのが簡単になるとされている。

 5. セガ社は2月28日、3月期業績予想を下方修正し、連結で449億円の赤字見通しとなった。単独の業務用販売、ゲーム場経営では営業利益が出るが、家庭用では396億円の営業損失となるため。「DC」は国内で苦戦しているが、海外でかなり伸ばしている。下方修正に伴い、セガ社は4月4日付けで36百万株を発行、CSKと大川功会長が1014億円で引き受ける予定。持株比率はCSKが19.0%から24.5%に、大川会長は2.0%から13.0%にアップする。

 6. JAMMAは2月23日の理事会で、高堂良彦理事が辞任したことを明らかにした。また、2000年度の会費を臨時に20%値下げすることを決めた。会員の入会資格問題では、大幅な変更解釈を導入することにした。AMショーでの中古機展示禁止問題については、「中古機売買は業界にとって必要で欠かせない」との結論を流通委員会が報告し、了承した。ショー委員会は小間内の特別小間の禁止、中古機はメーカーの許諾を得た場合のみ認める、など決めたとしている。

 7. 遊園施設、イベントの潟Tンアップ(京都市山科区、三上嘉次社長)が2月21日、不渡りを出し、事業を停止した。潟Tンリース(同)とともに自己破産申請を準備中で、2社あわせて負債約億円。サンアップは76年設立の遊園施設販売会社で、イベント企画、設備レンタルなど行ってきた。サンリースはそのメンテナンス部門で、86年設立。なお全日本遊園施設協会(JAPEA)の1月理事会でも、正会員3社が退会、理事1名が辞任しており、深刻な不況が影を落としている。

 8. 「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はセガ社「パワースマッシュ」(4回目)、2位はナムコ「ミスタードリラー」。 TVゲーム完成品部門……1位はセガ社のCG競走馬育成ゲーム「ダービーオーナーズクラブ」(初登場)、2位はセガ社「サンバDEアミーゴ」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はメイクソフトウェアの写真シール機「フォト&シール・キララ」(2回目)、2位はオムロン「ピュアショット」。

 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。