2000年2月1日号

Last updated on January 17, 2000

特報

 電気用品取締法は99年8月改正、01年4月施行となったが、定置型乗物機など「電気乗物」は実質的に甲種電気用品のまま残る見通しになった。

海外

 エミュレーター「ブリーム!」訴訟で、連邦地裁はSCE社による独占禁止法違反を問題にする反訴の申請を取り上げることにした。
 米国のIGT社はタッチスクリーン式ゲーミング機特許で4社を訴えた。

国内

 ユウビスの川楠俊太郎社長がJAMMAの理事を12月に辞任した。
 また倒産した新声社の加藤博社長がAOUの理事を10月に辞任したことをAOUは12月に明らかにした。


2000年2月1日号のニュースダイジェスト

本紙チャートに基づく99年度「ビデオゲーム・オブ・ザ・イヤー」の記念楯を手にしたセガ社の入交昭一郎社長。今回は2部門ともセガ社が独占し、もうひとつは鈴木久司副社長が手にした。

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はSNK「餓狼−マーク・オブ・ザ・ウルブズ」、完成品タイプではセガ社「サンバDEアミーゴ」。

10年前の主なニュース

 英国ATEIショー90でアタリゲームズ社「クラックス」、タイトー「WGP」が披露された。AOUエキスポ90には42社が413小間に出展することになった。警察庁・保安課は89年末に「風俗環境白書」を発表、TVポーカーなどによる遊技機賭博が多いと問題にした(90年2月1日号)。

20年前の主なニュース

 英国ATEショー80で「ギャラクシアン」など日本のTVゲームのヒット作とともに、それらのコピー品が数多く出品された。潟Wャトレがインベーダー後遺症のため1月に2回不渡りを出し、負債18億円で倒産した。ジャトレの竹内清一社長はJAAの監事を辞任した(80年2月1−15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. 電気用品取締法が99年8月に改正され、電気用品安全法として01年4月に施行されることになったが、定置型乗物機など「電気乗物」は甲種電気用品としてこれまでと同様厳しい規制が続けられることになった。ゲームについては95年の施行令大幅改正で甲種電気用品から、規制の緩やかな乙種電気用品に指定替えされており、さらに今回の改正でランプなどを使う「光源応用遊戯機具」は規制から外されることになった。「電気乗物」については、99年のAMショーで電気用品取締法違反品の出品をJAMMAが容認した、という問題も残っている。

 2. CESAは12月14日、家庭用の中古ゲームソフト販売について、これまでの「撲滅キャンペーン」から「許諾による正常化」へと方針転換した、と発表した。一般消費者から「中古ソフトが使えなくなるのか」と心配する声も出始めたためで、これまでの「映画の著作物」の「頒布権」という主張は変更しない。中古ソフトなど扱う販売店の団体、ARTSでは、「頒布権」を主張するCESAの姿勢は変わっていないと警戒する。両者の対立は、地裁段階で一勝一敗のまま、現在東京と大阪の高裁で争いが続いている。

 3. AOUが主催する「AOUエキスポ00」(2月25−26日、幕張メッセ)には、前年比13.6%減の57社が、18.4%減の765小間に出展、会場は三分の二に縮小することになった。12月10日に申し込みが締め切られたもので、前年出展しなかった12社が加わったものの、SNK、ユウビス、日本システムなど20社が出展を見送った。AOUは11月26日に開いた理事会の内容をやっと明らかにしたが、それによると9月に倒産した新声社の加藤博社長が10月に理事を辞任したとのこと。

 4. JAMMAは12月15日に理事会を開催、ユウビスの川楠俊太郎社長が理事を辞任した。理事の補充はされていない。理事会ではこのほか、コピー対策のためのAAGを更に1年継続する、AMショー99の決算を承認し、剰余金134万円をJAPEAと分配する、などを決めている。またTVゲーム基板について96年に「JV規格」を決めたが、リンク速度が高速化しているなど技術上の進歩があるため、改訂を専門委員会で検討している、などの報告があった。

 5. 大平技研工業梶i岐阜市岩井万場、大平輝男社長)が12月21日、岐阜地裁に和議申請した。負債20億34百万円。71年7月創業、73年3月に設立されたゲーム機メーカーで、ロータリー方式の景品獲得ゲーム機「ヘキサ」シリーズや、写真シール機「ジョイスタンド」などがある。同社は83年5月にも負債7億5千万円で和議申請したことがある。その後和議認可され、97年12月に和議債務を完済したばかりだった。

 6. ウィンドウズパソコンでプレイステーション(PS)用ゲームソフトを使えるようにする米国ブリーム社のエミュレーター「ブリーム!」に対し、知的所有権侵害だとしてSCEが訴えているが、米国連邦地裁は12月10日、SCE社が独占禁止法違反に当たることをしているとするブリーム社の申請を取り上げる決定を下した。ディスカバリー(証拠開示手続き)の段階で決まったもので、4月に始まるトライアル(実質審理)に向け、SCEは実質反訴という思わぬ伏兵に直面することになった。

 7. 米国のゲーミング最大手、IGT社は99年11月、同社のタッチスクリーン式ゲーミング機特許を侵害されたとして、WMS社、カジノデータ社、シリコンゲーミング社、シグマゲーミング社を訴えた。この特許は92年に申請し、99年9月にやっと登録されたもの。WMS社は91年にタッチスクリーン式「ミダスタッチ」を出荷しており、特許無効を主張する構えだが、IGT社は問題外としている。これとは別のIGT社の特許訴訟で、敗訴したWMS社は27百万ドルをIGT社に支払うことで12月に和解している。

 8. 「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はSNKの格闘ゲーム「餓狼−マーク・オブ・ザ・ウルブズ」(2回目)、2位はナムコ「ミスタードリラー」。 TVゲーム完成品部門……1位はセガ社の音楽ゲーム機「サンバDEアミーゴ」(初登場)、2位はコナミ「ダンスダンスリボリューション・サードミックス」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はトーワジャパンの写真シール機「ストリートスナップ」(19回目)、2位はIMS「ラリーポイント2」。

 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。