2000年1月1‐15日号

Last updated on December 24, 1999

特報

 中国浙江省杭州市AICは、SNK「ネオジオ」の偽造品販売業者5社を商標侵害で摘発した。中国では広東省広州市と番禺市以外で始めての摘発となっている。

海外

 米国サンノゼで開かれた「鉄拳タッグトーナメント」の世界大会で、韓国のソク・ドンミン氏(21歳)が優勝した。

 米国業務用TVゲーム機のレイティング実施の評価が低く示され、業界団体は反発している。

国内

 データイーストが和議申請し事実上倒産したが、営業は継続中で再建を目指している。

 セガ社は「ネットワークエンタテイメント王国」を目指していると説明、イサオは世界最速・最大のサーバーシステムを構築したとしている。


2000年1月1-15日号のニュースダイジェスト

中国浙江省杭州市で、同市AICが摘発した偽造ゲーム機販売業者の並ぶ建物(上の写真)と、押収した証拠品を現場で点検する捜査員。

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はSNK「餓狼−マーク・オブ・ザ・ウルブズ」、完成品タイプではコナミ「ダンスダンスレボリューション・サードミックス」。

10年前の主なニュース

 米国での任天堂「NES」(ファミコン)セキュリティチップをめぐる訴訟に、チップ内のプログラム不正入手使用という要素が加わることになった。AOUは第4回通常総会を開催、警察庁の認可審査は未定だが社団法人化された場合の解散決議も行った(1990年1月1日号、15日号)。

20年前の主なニュース

 ナムコの申請に基づき大阪地裁は79年12月17日、西日本販売に対し「ギャラクシアン」のコピー品「ギャラクシーX」製造販売禁止の仮処分を決定した。米国バリー社のオダネル社長が引退、ミューレーン氏が社長に就任した(1980年1月1日号、15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. 中国淅江省杭州市のAICはSNKの申請に基づき11月16日、「ネオジオ」偽造品を販売していた恒通電子、永紅電子、四海通利、新天地電子、博大遊戯の5社を同時摘発し、コピー基板16枚、コピーカートリッジ163個など押収した。98年6月以来これまで広東省広州市、番禺市で計5回摘発しているが、はるか離れた杭州市での摘発は初めて。強制捜査の際、SNK以外の日本のメーカー品をコピーした製品も発見されているが、今回の捜査対象でないため押収されていない。

 2. セガ社は11月16日、事業戦略説明会を開催し今後の方針を証券アナリストらに説明した。その中で入交昭一郎社長は、「ネットワークエンタテイメント王国を目指している」と述べ、大川功会長は「ネットワークを作るのが私の夢」と語った。またCSK・セガグループの潟Cサオは12月8日、セガ社「ドリームキャスト」用の「世界最速・最大の」ネットワークゲーム・サーバーシステムを構築した、と発表した。ネット対戦用ゲームソフト「バーチャロンOT」は12月9日発売で、環境はすべて整ったことになる。

 3. データイースト梶i東京都杉並区南荻窪、福田哲夫社長)は11月25日に和議申請、東京地裁は29日に保全命令を出した。負債約33億円。営業は継続中。76年4月設立の業務用TVゲーム機メーカーで、80年以来の「デコカセットシステム」などで知られ、ゲームソフトも「ハンバーガー」など業務用だけで150タイトルある。86年から家庭用ゲームソフトに参入した。96年発売の「スタンプ倶楽部」がヒットしたが、97年12月にこれをセガ社に譲渡し、業務用から撤退した。

 4. 家庭用ゲームソフト「甲子園」シリーズの制作許諾、著作権などをめぐる民事訴訟で、大阪地裁は11月18日、原告のシステムマークワイ鰍ノ実質上の未払金を支払うよう、被告の魔法鰍ノ命じる判決を下した。「甲子園」で使われる高校名は著作物とは言えないとし、数万個の販売では著名性が認められないとした。判決によるとFC用「甲子園」と「甲子園2」はケイアミューズメントが商品化し、SFC用「甲子園3」はケイアミューズメントが業界から撤退したため、制作依頼を受けた魔法が継承したが、許諾契約上のトラブルが続いていた。

 5. 米国サンノゼのゲーム場「ワンダーパーク」で11月7日、ナムコ「鉄拳タッグトーナメント」の世界チャンピオンを決めるゲーム大会が開催され、韓国のソク・ドンミン氏(21歳)が優勝した。日米韓の国内大会を経て、日本から2名、米国から5名、韓国から1名が参加したもの。メキシコからも参加する予定だったが、ビザ取得が間に合わず不参加となった。操作盤は選手に合ったものを使用した。2位は米国のミッチェル・ナッピ氏(22歳)だった。

 6. 米国業務用TVゲーム機には、成人向けなど9種類のレイティングが設けられているが、「メディアと家族についての国立研究所」(NIMF)が調査したところゲーム場でのレイティング実施率が低いことが分かった。11月23日にこれが発表され、レイティングを掲げている業務用のメーカー団体AAMAとオペレーター団体AMOAは一斉に反発した。NIMFによると、家庭用ゲームソフト業界はAとB(小売店ベースではC)と高く評価されているが、ゲーム場ではCないしD(インターネット業界はもっと悪くE)と低い評価となっている。

 7. 「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はSNKの格闘ゲーム「餓狼−マーク・オブ・ザ・ウルブズ」(初登場)、2位はナムコ「ミスタードリラー」。 TVゲーム完成品部門……1位はコナミのダンスシミュレーションゲーム機「ダンスダンスレボリューション・サードミックス」(初登場)、2位はセガ社「ブレイブファイヤーファイターズ」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はオムロンの写真シール機「ハイキーショツト」(初登場)、2位はトーワジャパン「ストリートスナップ」。

 8. 「ゲームマシン」99年下半期チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はセガ社「バーチャストライカー2ver.99」、2位はカプコン「ストリートファイターVサードストライク」、3位はナムコ「鉄拳タッグトーナメント」。TVゲーム完成品部門……1位はコナミ「ダンスダンスレボリューション・セカンドミックス」、2位はセガ社「ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド 2」、3位はナムコ「タイムクライシス 2」。TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はトーワジャパン「ストリートスナップ」、2位はアトラス「スーパープリクラ21」、3位はコナミ「プリプリキャンバス」。

 9. 「ゲームマシン」99年年間チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はセガ社「バーチャストライカー2ver.99」、2位はカプコン「ストリートファイターZERO3」、3位はカプコン「ジョジョの奇妙な冒険」。TVゲーム完成品部門……1位はセガ社「ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド 2」、2位はナムコ「タイムクライシス 2」、3位はコナミ「ダンスダンスレボリューション・セカンドミックス」。TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はトーワジャパン「ストリートスナップ」、2位はアトラス「スーパープリクラ21」、3位はコナミ「プリプリキャンバス」。

 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。