1999年11月15日号

Last updated on November 10, 1999

特報

 米国WMS社はウィリアムズとバリーのフリッパーを生産してきたが、このほど生産を打ち切ると発表した。

 これに伴い本格的フリッパーメーカーは、セガ社から離れたスターンピンボール社だけになった。

海外

 米国プリミアパークス社は欧州の「ムービーワールド」を買収、7カ国35ヵ所の遊園地、ウォーターパークを所有することになった。

 米国AMOAの99−00年期会長にアルファオメガ・アミューズメント社のフランク・セニスキー社長が就任した。

国内

 日立製作所初のAM機、「シミュレーション・ライドシステム」と映像ソフト「コントラプション」が、ナムコ「ワンダーエッグ3」に導入されることになった。

 NSAは大店法廃止に伴う風営法改正で影響が出てくるかどうか、調査している。


1999年11月15日号のニュースダイジェスト

米国AMOAエキスポ99で、ウィリアムズ社の最後のフリッパーになる「スターウォーズ・エピソード1」を試す業者>

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はカプコン「ジョジョの奇妙な冒険・未来への遺産」、完成品タイプではコナミ「サイレントスコープ」。

10年前の主なニュース

 トーゴは創業55周年となることから、「浅草花やしき」の改装を機に、米国デニス・スピーゲル氏による記念講演会を開催した。岡山県は青少年条例を改正、カラオケボックスに深夜未成年者を入場させることを禁止した。米国AMOAでタイトー「ダブルドラゴン」が2年連続して受賞した(1989年11月15日号)。

20年前の主なニュース

 東京・晴海の国際貿易センター新館で開催されたJAAの第17回AMショーは、初日の10月19日に大型台風が直撃し、午後2時半頃中止されるという事態となった。「スペースインベーダー」の日本でのブーム直後のショーで海外からの業者も多く訪れ、さらにナムコ「ギャラクシアン」が披露されるなど、空前のショーとなった(1979年11月15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. 米国WMSインダストリーズ社は10月25日、フリッパー・ピンボール機の生産を打ち切ると発表した。フリッパー市場が世界的に縮小傾向にあり、これを挽回しようとして今年TVモニター付きフリッパー「ピンボール2000」シリーズを開始したが、思うように回復しなかったため、第1・四半期決算とともに発表したもの。同社は1946年以来「ウィリアムズ」フリッパーを製造、また88年にバリー・ミッドウェー社を買収していらい「バリー」フリッパーも製造してきた。「ゴットリーブ」フリッパーは96年に消滅しており、大手メーカーではセガ社の手から先日離れたばかりのスターンピンボール社だけとなった。

 2. 米国プリミアパークス社は10月6日、欧州の「ワーナーブラザーズ・ムービーワールド」を買収することで合意したと発表した。ワーナーブラザーズ系ではオーストラリアの「ムービーワールド」があるが、これは含まれない。今回取得したのは96年開業のドイツ「ムービーワールド」と、2002年開業予定で建設中のスペイン「ムービーワールド」で、これらを含めるとプリミア社の遊園地、ウォーターパークは7カ国35ヵ所に達する。同社はまた、ワーナーが所有するルーニーチューンズなどのキャラクター使用権も手に入れた。

 3. 米国AMOAエキスポ99に伴い、99−00年期会長にアルファオメガ・アミューズメント社のフランク・セニスキー社長が就任した。セニスキー氏は30年前にAM機オペレーター業を開始、今では15州に12,000台以上の機械を運営している。業界誌「リプレイ」などにコラム執筆し、さまざまなセミナーで講師として活躍している。AMOAエキスポ99で恒例のAMOA賞に、日系のサミーUSA社が景品取りゲーム機「スペーツアリーナ」で初めて受賞した。日系のメーカーが表彰されることは、最近では珍しくなっている。

 4. 日立製作所の初のAM機である、映像シミュレーター「シミュレーション・ライドシステム」とその映像ソフト「コンストラプション」が製品化され、まずナムコの「ワンダーエッグ3」に導入されることになった。この映像シミュレーターは軽量小型ながら、幅3mの球形スクリーンにデジタル映像を映し出すだけでなく、客(1度に8人乗れる)がスクリーンめがけて発射ボタンを押すことにより、その成果次第で異なったストーリーを展開するというもの。ダグラス・トランブル氏の協力、カナダのアイマックス社との業務提携が強みとなっている。

 5. 日本SC遊園協会(NSA)は、会員が運営するSCロケについて調査した。スーパーや百貨店などSCロケにあるゲーム場についても、風営法では原則的に風俗営業としての許可が必要であるとし、大店法その他の規定を満たせば許可が必要でないとしているが、大店法が廃止され大規模小売り店舗立地法が00年6月に施行になることから、これまで許可の必要でなかったゲーム場が必要になる可能性も出てきたため改めて会員対象にアンケート調査したもの。法規制の目的と運営の実態がかけ離れていることから、オペレーターは対応に苦慮している。

 6. カプコンは10月13日、9月中間期業績予想を上方修正した。家庭用ゲームソフトのうち、PS用「ディノクライシス」、「バイオハザード 3」がともにミリオンセラーとなったためで、2000年3月期についてもDC用「バイオハザードコードベロニカ」、N64用「バイオハザード 3」が好調と見込まれており、上方修正した。修正後の予想では2000年3月期の売上高は385億円、経常利益は50億円、当期利益は48億円が見込まれている。

 7. シグマは10月15日、9月中間期と通期業績予想を下方修正した。直営ゲーム場でのオペレーション収入が予想以上に落ち込み、また国内販売も下回っているため。5月の前回予想と比べオペーレーション収入は中間期で5億円、通期で13億円下回り、国内販売は中間期で6億円、通期で14億円下回る見込みとなっている。シグマによると、ゲーム場収入は一部のプライズゲームを除き、TVゲーム機、AM自販機ともに大きく落ち込んでいる。このため他のオペレーターも新規出店を抑制しており、国内販売も低迷するに及んでいる。

 8. 「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はカプコンの格闘ゲーム機「ジョジョの奇妙な冒険・未来への遺産」(初登場)、2位はセガ社「バーチャストライカー2バージョン2000」。TVゲーム完成品部門……1位はコナミのガンゲーム機「サイレントスコープ」(4回目)、2位はコナミ「ドラムマニア」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はトーワジャパンの写真シール機「ストリートスナップ」(16回目)、2位はオムロン「透明マジック」。

 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。