1999年10月1日号

Last updated on September 21, 1999

特報

 コナミは日本のプロ野球のデータを管理する野球機構(NPB)の合意を得て、2000年4月からTVプロ野球ゲームを独占することになった。

 エヌエムケイ(NMK)は任意整理することになった。

海外

 中国政府は娯楽場所管理条例を施行、未成年者のゲーム場入場を認めることになった。

 ブリーム社に対するSCEの仮処分申請は却下された。

国内

 コナミ「ときめきメモリアル」をもとにアダルトビデオを制作した駒見一郎氏に、東京地裁は著作権を侵害したとして損害賠償を命じた。

 カプコンの株式が、大証2部から1部に指定替えとなった。


1999年10月1日号のニュースダイジェスト

AMショーで披露されたサミーのアーケードゲーム機「ドラえもんの運転だいスキ」(上)とナムコのTVパズルゲーム「ミスタードリラー」

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はナムコ「鉄拳タッグトーナメント」、完成品タイプではコナミ「サイレントスコープ」。

10年前の主なニュース

 AOUは、一部反対意見があるものの、警察関係の社団法人に移行する方針を理事会で決定した。大阪府協は有馬温泉で理事会と懇親会を開き、大阪AMショーの剰余金を処分した。10月4−5日、東京流通センターで開催されるJAMMAショーの出展内容が明らかになった(1989年10月1日号)。

20年前の主なニュース

 第17回AMショー(10月19−21日、国際貿易センター新館)に出展する81社の小間割りを、全日本遊園協会(JAA)は決定した。久しぶりのパチンコショー(名古屋)で、大一商会がTVパチンコを出品し、注目された。国際玩具見本市では、家庭用TVゲーム機が披露された(1979年10月1日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. プロ野球のチームや選手のデータを取り込んだTV野球ゲームが多いが、2000年4月からコナミがTVゲーム化権を独占する見込みとなった。プロ野球のデータを管理する日本野球機構(NPB)とコナミが8月末までに合意したもので、正式契約していないためか正式発表はない。家庭用、業務用の両分野に関係があると見られている。コナミは「一業種一社」とされる公式スポンサーになることで、外国企業による独占を防ぐとしている。これまでNPBからその都度ライセンスを受けてTVプロ野球ゲームを作ってきた他のメーカーは反発しているが、独占化への有効な対策は見出していない。

 2. コナミの家庭用ゲームソフト「ときめきメモリアル」のキャラクターを無断使用し、アダルトビデオ「どぎまぎイマジネーション」(約10分間)を制作した駒見一郎氏に対し、東京地裁は227万5千円の損害賠償金をコナミに支払うよう命じる判決を8月30日に言い渡した。コナミが98年7月に提訴していたもので、著作権法で定める無断複製・翻案と無断改変を認定したもの。駒見氏側は「営利目的がない」として、判決に不満を示している。コナミは「キャラクターの著作権についての判例はあるが、ゲームのキャラクターについては初めて」と説明している。

 3. エヌエムケイ(NMK、東京都千代田区神田佐久間町、琴寄幸雄社長)は8月6日、臨時株主総会で解散を決定、8月13日付け官報に告示した。琴寄氏が清算人となり清算手続きを進めるもので、任意整理と呼ばれる。同社は85年5月発足の日本マイコン開発をもとに、89年5月に設立された業務用TVゲーム開発メーカー。「タスクフォースハリアー」(89年)、「雷竜」(サンダードラゴン、91年)などあるほか、ジャレコブランドとなったTVゲームも多い。96年以降はTVゲームから離れ、エレメカアーケードゲーム機の開発に移行していた。

 4. 9月1日付けでカプコンの株式が、大阪証券取引所2部から1部に指定替えになり、ラウンドワンの株式が東証2部から1部に、また大証でも2部から1部に指定替えになった。カプコンの大証1部昇格に伴う株式の公募発行などはない。カプコンは90年2月に株式を店頭公開し、93年10月に大証2部に上場した。ラウンドワンはボウリング場とゲーム場を展開するオペレーター会社で、97年8月に大証2部に上場、98年12月に東証2部に上場している。これより前の8月18日、家庭用ゲームソフトのエニックスが店頭市場から、東証1部に上場した。

 5. 中国政府は7月1日、「娯楽場所管理条例」と言う法律を施行した。3月17日の国務院第15回常務委員会で決定したもので、売春や賭博などの温床になると考えられる「三陪服務」(酒やダンスやおしゃべりの席での接待)を禁止してきたのを改め、規制するとともに、ゲーム場への未成年者の入場を認めることにした。「娯楽場所」では接客する係員は制服を着用し、証明書を携帯しなければならず、客のほうも国家や憲法に反する行為が禁じられている。未成年者がゲーム場に入ることができるのは、土曜日曜、祝祭日に限られている。中国ではスロットマシンなどゲーミング機の設置は許されていない。

 6. ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)社は、ウィンドウズパソコンで「プレイステーション」(PS)用ゲームソフトをプレイできるようにするエミュレーター「ブリーム!」の販売などを差し止めるよう申請していたが、8月27日に米国連邦地裁はこの申請を却下した。「ブリーム!」をめぐるSCEの申請は3件とも却下されたことになる。「ブリーム!」を開発、販売する米国ブリーム社は単価40ドルですでに8万枚ほど販売している。SCE社の訴えの内容は不明だが、本訴のトライアル(実質審理)は2000年4月に開始されることになっている。なお、コネクティックス社に対する予備的禁止命令は認められたが、その取り消しを求める手続きも進められている。

 7. SNKは8月、子会社のSNKシンガポール社を閉鎖、整理することにした。同子会社は96年7月に設立された。SNKによると、東南アジアのマーケティング拠点として92年12月設立の香港子会社、SNKエイシア社があるが、香港の中国返還に伴う不安があったため、第2拠点としてSNKシンガポール社を設立した。しかし返還後も香港に不安がないことから、シンガポール子会社を整理することにしたもの。

 8. 「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はナムコの格闘ゲーム「鉄拳タッグトーナメント」(初めて)、2位はセガ社「バーチャストライカー 2バージョン2000」。 TVゲーム完成品部門……1位はコナミのガンゲーム機「サイレントスコープ」(初めて)、2位はコナミ「ドラムマニア」。TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はメイクソフトウェアの写真シール機「エル」、2位はオムロン「透明マジック」。

 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。