1999年9月1日号

Last updated on August 23, 1999

特報

 ジャレコは「早押しクイズ」実用新案をもとに、コナミに対する仮処分を申請した。コナミによる一連の仮処分申請に対するもので、本訴は準備中としている。コナミの弁護士は、この実用新案権を侵害していないと述べている。

海外

 カプコンのTVゲームキャラクター、春麗(チュンリー)を使った郵便切手が、中央アフリカ共和国で発行された。

 米国フロリダのディズニーワールドでは10月から15ヶ月間、ワールド・ミレニアム(千年紀)セレブレーションの催しを繰り広げる。

国内

 AMショー(9月9−12日)に出展することになっていた台湾からの5社18小間は取り消された。締め切り後の増減の結果77社1,059小間という規模になりつつある。

 家庭用ソフト展の東京ゲームショウ(9月17−19日)は76社1,523小間という規模になる。


1999年9月1日号のニュースダイジェスト

7月17日メキシコシティで開催されたSNK「キング・オブ・ファイターズ99」の発表会で、ステージ上の高堂良彦社長とキャラクターの衣装を着たメキシコの格闘家たち

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はSNK「ザ・キング・オブ・ファイターズ99」、完成品タイプではコナミ「ドラムマニア」。

10年前の主なニュース

 韓国ソウル市郊外で本格的なテーマパーク「ロッテワールド」が7月12日にオープンした。第27回AMショー(10月4−5日)には47社が出展、会場(東京流通センター)が小さいため496小間でJAMMAは小間割りを決めた。任天堂は翌年発売される16ビット機「スーパーファミコン」の仕様を発表した(1989年9月1日号)。

20年前の主なニュース

 警察庁は8月16日、国内に設置されているTVゲーム機について初の調査結果を発表した。7月1日現在約28万台が約7万ヶ所に設置されており、TVゲーム機のうち「インベーダー」タイプのものが約23万台と81%を占めている。設置場所の比率は喫茶店が66%、喫茶店以外の飲食店が22%、ゲーム場が12%だった(1979年9月1日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. ジャレコは8月5日、「早押しクイズ王座決定戦」に関する実用新案権に基づき、コナミの「ドレミファグランプリ」が権利を侵害しているとして製造、販売などの差し止めを求める仮処分を東京地裁に申請した。ジャレコによると、実用新案権侵害は問題だが、メーカー間でいつでも話し合えると思っていた。しかしコナミが「ビートマニア」特許をもとに「VJ」について第三者に対し仮処分を申請してることから、あえて提出した。本訴は準備中だ、としている。ジャレコとナムコは、コナミの特許は無効であると、特許庁に審判を請求している。コナミの弁護士は、ジャレコの実用新案権を侵害していない、としている。

 2. カプコンのTVゲーム機「ストリートファイター U」のキャラクターの1人、春麗(チュンリー)を使った郵便切手が7月20日、中央アフリカ共和国で発行された。ゲームキャラを使った切手は世界で初めて。春麗切手3枚とゲームの説明をひとつにしたシートになっており、現地では約800円で発行された。日本では郵便切手として使用できないので、キャラクターグッズとして泣crーディックが仕入れ、8月下旬に2,800円で販売する。「ストリートファイター U」は91年2月に初めて出荷されシリーズ化されており、来年には10年目に入るためとされている。

 3. 米国フロリダのディズニーワールドは10月1日から2001年1月1日での15ヶ月間、エプコットセンターを中心に2000年記念祭(ワーネド・ミレニアム・セレブレーション)を展開することになった。エプコットセンターでは、入口近くの「スペースシップ・アース」の側に巨大なミッキーマウスの魔法の杖が組み立てられ、地球号がきらきら輝く。ワールドショーケースには新たにパビリオン「ミレニアムビレッジ」を建設、毎夜実施される花火ショーは「イルミネーションズ2000」として、一段と大掛かりなものになる。

 4. 第37回AMショー(9月9−12日、東京ビッグサイト)の出展予定は、7月初め79社1,091小間としていたが、8月中旬現在77社1,059小間と変わった。昨年は75社1,301小間だったので、18.6%規模が小さくなる予定。出展予定社の内、台湾からの共同出展(5社18小間)は提出資料が不足しているとして、取り消された。韓国グループ共同出展(12社18小間)については提出書類に基づき、改めて出展を承認するかどうか検討、8月下旬にも決定する、とJAMMA事務局は説明している。出展申し込みについての規定を主催者自体が守っておらず、ショー当日の混乱が予想される。

 5. ソニーの第1・四半期(99年4−6月)決算が7月28日に発表された。ゲーム関係は売上高が前年同期比15.5%減の1149億円、営業利益が28.4%減の175億円だった。「PS」用ゲームソフトの販売は好調だったが、本体価格の引き下げ、円高の影響によるもので、売上高は国内で横ばい、海外で大幅に減少した。ただし前年同期の為替レートを適用した場合の売上高、営業利益はそれぞれ約6%の減少、約5%の増加となる。次世代機「PS2」についてはすでに本体部品の生産が始まっており、ゲームソフトの開発が間に合うかどうかにもよるが、早ければ年内12月にも出荷されると見られている。

 6. 残念なことに大阪地裁は8月3日、タスコ梶i大阪市淀川区、上原義和社長)に破産宣告した。同社は98年12月に和議を申請、その後和議整理委員が選任されたが、整理委員は和議条件の実施が困難だとしたため、和議による再建を断念、自己破産を申請していた。債権者は564名いて、負債は87億42百万円になるとされている。一方、98年7月神戸地裁に和議申請したカラオケ老舗の潟Nレセント(神戸市中央区、井上隆善社長)に対し、神戸地裁は7月14日、和議を認可した。決定1年後から9年後まで債権の30%を分割して支払うという条件で債権者が同意したことによる。

 7. CESA主催の東京ゲームショウ99秋(9月17−19日、幕張メッセ)には76社が1,523小間に出展することになった。今回は特にソニー・コンピューターエンタテインメント(SCE)が次世代機「PS2」を実物展示することになっており、注目される。CESAは7月23日、98年の家庭用TVゲーム機市場をまとめた「ゲーム白書99」を発表した。それによると、国内市場は前年比13.1%減の6,586億円で、うちハードは17.1%減の1,449億円、ソフトウェアは11.9%減の5,136億円となっている。

 8. 「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はSNKの格闘ゲーム「ザ・キング・オブ・ファイターズ99」(2回目)、2位はナムコ「鉄拳タッグトーナメント」。 TVゲーム完成品部門……1位はコナミのドラムシミュレーションゲーム機「ドラムマニア」(2回目)、2位はコナミ「ダンスダンスレボリューション・セカンドミックス」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はオムロンの写真シール機「透明マジック」(3回目)、2位はトーワジャパン「ストリートスナップ」。

 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。