1999年4月15日号

Last updated on April 6, 1999

特報

 トーゴは米国プレミアライズ社と包括的に提携、プレミアライズ社のリニアモーター式ローラーコースターをアジアで展開することになった。

 米国AMOAはAM機ネットワークを目指したNANIから撤退することになった。

海外

 米国フロリダのオーランドにあるディズニーワールド内の二つのテーマパークでそれぞれ大規模アトラクションが完成した。

国内

 ソニーは家庭用TVゲーム機「プレイステーション」の次世代機「PS2」(仮称)の基本仕様と発売時期を発表した。
 今年からAMショーにJAMMA/JAPEAの会員以外でも出展できることになった。


1999年4月15日号のニュースダイジェスト

東京・台場にできた「パレットタウン」内の「ネオジオワールド・東京ベイサイド」入り口付近(上)と、青海駅から見た「パレットタウン」(手前はトヨタ自動車のシティショウケース、奥にネオジオワールド、側に大観覧車など)

ベストヒットゲームズ

 TVゲームソフトウェア1位はセガ社「バーチャストライカー2ver.99」、完成品タイプではコナミ「ダンスダンスレボリューション」。

10年前の主なニュース

 日本製TVゲームを無断コピーしてきた世界的なコピーヤーのフィルコ社に対し、韓国・ソウルの地方検察庁は著作権侵害で略式罰金の処分をした。米国ACME(2月23-25日、リノ)でアタリゲームズ社は「ハードドライビン」を出品した(1989年4月15日号)。

20年前の主なニュース

 タイトーは驚異的なヒット作「スペースインベーダー」に関し新日本企画(SNK)、アイピーエム(後にアイレム、アピエスと改称)など5社に製造許諾する一方、無断で類似品を製造したワールドベンディングとフジコロムを相手取って大阪地裁に製造販売禁止の仮処分を申請した(1979年4月15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. トーゴは米国プレミアライズ社(メリーランド州ミラーズビル、ジム・シェイ社長)と包括的に提携した、と3月19日に発表した。プレミアライズ社はリニア・インダクション・モーター(LIM)技術をローラーコースターに導入、その衝撃的なデザインで業績を伸ばしており、トーゴは「ウルトラツイスター」などで高い技術力を示している。今回の提携で、両社は互いの製品の販売権を得て、それぞれの市場で展開するとともに、両者の技術を持ち寄り新企画の製品を開発することになった。これに伴いトーゴの米国子会社は大幅に縮少される。

 2. ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は3月2日、「プレイステーション」の次世代機「PS2」(仮称)の基本仕様を発表した。ペンティアムVの数倍の能力を持つ128ビットCPU「エモーションエンジン」、パワーVR2の10倍以上の能力を持つ「グラフイック・シンセサイザー」、そしてPSを基にしたI/Oプロセッサで構成されるもので、驚異的なパワー、スピードを持つ。「PS」ゲームソフトは「PS2」でも使用できる。「PS2」は2000年3月までに出荷するとしており、早ければ今年12月にも発売される。業務用CG基板にも大きな影響を与える。

 3. ソニーは3月9日、2000年1月をめどにSCEを完全子会社にするとともに、ソニーの主力部門のひとつにすると発表した。SCEは93年11月ソニーとソニーの子会社のソニー・ミュージックエンタテインメントが半分ずつ出資して設立されたが、後者の株式をソニーが全部所有することにより、完全子会社となる予定。これに伴い4月1日付けでSECの社長に久多良木健副社長が昇格、徳中暉久社長は役職なしの代表取締役兼ソニーのデピティCEOに就任、またソニーの出井伸之社長はSCE取締役を兼ねることになった。

 4. 日本のAMショーは主催するJAMMA/JAPEAいずれかの会員でないと出展できないが、今年から非会員でも出展できることになった。2月24日のショー委員会で決めた。ショー出展料は会員なら1小間16万円だが、非会員なら24万円となる。また出品内容がAMショーに合わない、と主催者側で判断した場合、その出展を取り消すことができるとしている。AMショーは規模縮小が見込まれており、これを防ぐため出品範囲を広げるとしているが、コンセプトなど詳しくは不明。

 5. 米国ディズニーワールド内のテーマパーク、「アニマルキングダム」の中で完成してなかった「アジア」が完成、3月17日にオープンした。12人乗りのいかだで上流に進む「カリ・リバー・ラビット」などで構成されている。また「エプコットセンター」内の「テストドライブ」も3月16日にやっと完成した。6人乗りの自動車に乗って走行テストをするもので、ブレーキテスト、耐熱・耐寒テストなどに次々挑戦する。「テストドライブ」は97年春完成予定だったが、ずいぶん長く延期となっていた。

 6. 米国AM機オペレーター協会、AMOAは業務用AM機のネットワーク化を見込んでいたが、断念した。AMOAと通信大手のEDS社、通信型技術の特許を持つカナだのTVホン社は、業務用AM機のネットワーク化を目指して94年3月にNANI(ナショナル・アミューズメント・ネットワーク)を設立したが、このほどAMOAとEDS社がNANIからの撤退を表明したもの。コンピューターネットワークには大きな可能性があるが、実際のAM機オペレーションにどう応用していくかについて、明確な答えが用意されなかったのが原因と見られている。

 7. コナミは3月11日、99年3月期業績予想を上方修正した。国内外で家庭用が伸び、国内で業務用音楽系が伸びたため、売上高は連結ベースで110,000百万円に達する見込みとなった。しかし業務用が世界的に低迷しており、CGシステム基板用の新ゲーム開発など中止することなった。このため特別損失を計上するので、最終利益は前回予想と同じ5,000百万円となる見込み。アトラスは3月5日、業績予想をさらに大きく下方修正した。家庭用ゲームソフトの販売不振などで売上高が前回予想を下回るうえ、「プリント倶楽部」関係の特別損失を計上するため、最終損失は4,270百万円と膨らむことになった。

 8. 「ゲームマシン」チャートから。TVゲーム・ソフトウェア部門……1位はセガ社のCGサッカーゲーム「バーチャファイター2ver.99」(4回目)、2位はセガ社「クレイジータクシー」。 TVゲーム・完成品部門……1位はコナミのダンスシミュレーションゲーム「ダンスダンスレボリューション」(9回目)、2位は同じく「ダンスダンスレホリューション・セカンドミックス」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はメイクソフトウェアの写真シール機「エル」(2回目)、2位はトーワジャパン「ストリートスナップ」。

 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。