1998年9月1日号

Last updated on September 12, 1998

特報

 米国3Dfx社がセガ社など4社を相手取って訴えていた、カリフォルニア州裁判所での契約違反訴訟は8月4日、条件を公開しないことで和解し、終了した。

海外

 米国セガ・ゲームワークス社はセガ社製品の販売権をセガ社に売却し、業務用販売部門はそっくりセガ・エンタープライゼスUSA社に移行した。

国内

 JAMMAは上海ショーの出展社名簿から、コピーヤーの華立電子(中国広東省)を削除した。海外ショー実行委員会の書面審議を通じ同社の出展を取り消したもの。


1998年9月1日号のニュースダイジェスト

エキスポランドの「バイオハザード・ナイトメア」で、上の写真は(左から)カプコ ンの永井淳一氏、岡本吉起常務

ベストヒットゲームズ

 TVゲームソフトウェア1位はSNK「ザ・キング・オブ・ファイターズ98」、完成品タイプではコナミ「ビートマニア・セカンドミックス」。

10年前の主なニュース

 セガ社など4社の合弁会社、ジョイテックトーカイは浜松に、ゲーム場「ジョイスクエア」を開設した。CCDカメラ搭載のラジコンカーを操縦するセガ社の「スーパーサーキット」が主なアトラクションとなっている(88年9月1日号)。

20年前の主なニュース

 全日本遊園協会(JAA)は第16回AMショー(10月18-20日、国際貿易センター)に際し、電気用品取締法の違反品など排除するため出展社から事前に出品機器明細書を提出させることを決めた(78年9月1日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. コピー製品を扱って摘発された中国広東省番禺(パンユー)市の華立電子が、JAMMAの上海ショーの出展予定者に入っていたことについて、同協会の高橋和治専務は「7月7日の小間決定会に伴い開かれたショー実行委員会で同社の出展が承認された」と説明しているが、主席した実行委員は「そういう議案はなく、すでに出展予定者名簿に掲げられていた」としている。結局JAMMAでは実行委員長名による書面審議を実施し、8月3日付けで同社の出展を取り消した。出展申し込み締め切り日など、アジアAMショーについては規定が守られていない、との指摘がある。

 2. カプコンと東映はホラーアトラクション「バイオハザード・ナイトメア」を共同で制作し、大阪府吹田市のエキスポランド内で7月18日から1年間の予定で営業を開始した。カプコンのヒット作、PS用「バイオハザード」にちなむもので、日本では初めての2階建てのお化け屋敷となっている。利用客は自分で暗闇の中を歩いて扉を開け、部屋を巡って行く。一回約9分間、料金800円。投資額は公表していないが、年間70万人が利用すると見込んでいる。

 3. セガ社の業務用部門、アミューズメント事業統括本部では鈴木久司副社長が本部長で開発を担当、永井明専務執行役員が副本部長で販売とオペレーションを担当することになった。国内販売は森啓二執行役員が、オペレーションの副本部長は田副康夫常務執行役員がそれぞれ担当する。なお海外の業務用販売、オペレーションは酒井佳人常務執行役員が、セガAMヨーロッパ社は中西信夫執行役員がそれぞれ担当することになっている。南北アメリカ市場でのセガ社業務用製品の独占販売権を持っていた セガ・ゲームワークス社について異動があった。

 4. 米国セガ・ゲームワークス社はセガ社、ドリームワークス社、ユニバーサル・スタジオズ社の合弁で96年3月に発足、ゲーム場開発とセガ社製品の販売を進めてきたが、このうち販売部門をセガ社に売却し、販売部門はそっくりセガ社の子会社、セガ・エンタープランゼスUSA社に移行した。売却金額などは公表していない。セガ ・ゲームワークス社は97年から五年間にロケーションを百ヶ所まで増やす予定だが、これまで北米に五ヶ所しかない。投資がかさむためで、このため販売部門を売却した、と説明されている。

 5. 米国の3Dfx社は97年8月、セガ社など4社を相手取ってカリフォルニア州裁判所に訴訟を起こしていたが、8月4日に和解し、終結した。和解条件は公表しないことになっている。この事件は、セガ社の次世代家庭用TVゲーム機用に3Dfx社がCGチップを開発することで契約したが、あとになってセガ社がそのチップを採用しないことが明らかとなったため、契約違反、トレードシークレット流用を理由に訴えていたもの。今年1月には3Dfx社の主張を認める仮処分決定が下されてい た。

 6. ソニーは7月29日に第1四半期(4-6月)の連結決算を発表。「ゲーム部門」の売上高は前年同期比33.2%増の135,992百万円、営業利益は75.0%増の24,437百万円となった。PS本体とソフトは日本で減少したものの、 米欧で大きく伸ばした。ゲームソフトは日本で「サイ」、米欧で「グランツーリスモ」がヒットした。この四半期で本体は450万台出荷、これまでの累積出荷台数で は3,732万台となっている。

 7. 日本遊園地協会(NPA)が7月9日付けで解消した。東日本遊園地協会と西日本遊園地協会の代表による懇談会が発展し80年10月に設立されたが、年一回の会 合だけで専従の事務局もなかったことから解散し、元の状態(東と西の両遊園地協会)に戻すことになったもの、商品券「全国遊園地券」は今後もそのまま利用できる。ただ、遊園地運営業者による全国団体はこれで解消されることになったのは事実だ。

 8. セガ社は7月18日、ATP「岡山ジョイポリス」(3階建て、10,000 u)をオープンした。岡山市内に今秋完成する大型複合商業施設「ジョイフルタウン 岡山」のキーテナントして先にオープンしたもので、入場料制だか、ゲーム場は「八号営業」の風俗営業となっている。ゲーム場以外にボウリング場「ソニックボウル」、カラオケ店「セガカラ屋」、テナントの7飲食店がある。27億円を投資、初 年度125万人(ゲーム場は65万人)が利用、30億円の売り上げがあると見込んでいる。

 9. 「ゲームマシン」チャートから。TVゲーム・ソフトウェア部門……1位はSN Kネオジオの格闘ゲーム「ザ・キング・オブ・ファイターズ98」(初登場)、2位 はカプコンの格闘ゲーム「ストリートファイター・ゼロ3」(初登場)。 TVゲー ム・完成品部門……1位はコナミのDJシミュレーションゲーム「ビートマニア・セ カンドミックス」(7回目)、2位はナムコの「タイムクライシス 2」。 TV ゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はトーワジャパンの写真シール機 「ストリートスナップ」(5回目)、2位はコナミの「プリプリキャンバス」。

 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。