1998年4月1日号

Last updated on March 17, 1998

特報

 AOUエキスポ98の入場者は延べ21,808人で、前回より9%減少した。開会式には警察庁・生活環境課から例年どおり出席したが、風営法改正案についてはだれも触れなかった。

海外

 米国プリミアパークス社は、全米第2位のテーマパークチェーン「シックスフラッグス」を買収した。

国内

 ナムコは家庭用が好調だったが、業務用市場の後退で98年3月期の業績を大幅に下方修正した。 コナミも家庭用国内が伸びず、大幅に下方修正した。

 バンダイの「たまごっち」の類似品を販売した大阪の2業者に対して、損害賠償金を命じる判決が言い渡された。


1998年4月1日号のニュースダイジェスト

AOUエキスポ98で、上はSNKの小間で紹介された「ネオジオ」用新作ソフト「リアルバウト餓狼伝説2」(RB2)、下はコナミの小間のようす

ベストヒットゲームズ

 TVゲームソフトウェア1位はセガ社「バーチャストライカー2」、完成品タイプはコナミ「ビートマニア」 。

10年前の主なニュース

 米国ACME'88(リノ)で、セガ社の創設者であるデビッド・ローゼン氏の業績を称える会合が開かれた。タイトーの新社長に長谷川桂祐氏が就任した(1988年4月1日号)。

20年前の主なニュース

 日本娯楽機械オペレーター協同組合(JOU)は初めての「児童関係者友好訪中団」を4月に派遣することを決めた(1978年4月1日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. AOUエキスポ98の入場者は、事務局によると招待券である「登録票」で入ったのが、17,009人、2千円の入場券で入ったのが4,599人で計21,608人と前年を9.2%下回った。開会式ではAOUの入江昭造会長、JAMMAの中山隼雄会長、警察庁の石田唱司課長補佐が挨拶したが、AOUを末端で構成しているオペレーターたちは風営法で営業が規制されており、無関心でおれないはずの風営法改正案についてはだれも触れなかった。初日の夜に開かれた懇親会でも、同じようにまったく話題にならなかった。

 2. AOUエキスポ98では新ゲームが多数披露されたものの、TVゲーム機ではこれまでの「続編」、バージョンアップ版が殊に多かった。例えばセガ社「バーチャロン 2」、「ファイティングバイパーズ 2」、「セガラリー2」、タイトー「電車でGO!2」、ナムコ「タイムクライシス U」、SNK「メタルスラッグ 2」、「リアルバウト餓狼伝説2」、カプコン「スターグラディエイター2」、「ストリートファイターEX2」など。新ゲームではナムコ「ダウンヒルバイカーズ」、「パニックパーク」、「テクノドライブ」、コナミ「スキーヤーズハイ」、「テラバースト」、ケイブ「魚ポコ」、彩京「堕落天使」などとなっており、画期的なゲームが少なく全体に低調だった。

 3. 米国プリミアパークス社(本社オクラホマシティ、ゲアリー・ストーリー社長)は2月9日、タイムワーナー社とボストンベンチャー社が所有するテーマパークチェーン「シックスフラッグス」を1,855百万ドルで買収することになったと発表した。プリミアパークス社は地方の小さい遊園地を83年頃から買取り始め、97年末までに13ヵ所を所有するにいたっている。「シックスフラッグス」は「グレイトアドベンチャー」、「マジックマウンテン」など10ヵ所展開し、全米2位の規模を誇るテーマパーク。今回の買収に伴い、北米でのタイムワーナーとDCコミックスのキャラクター使用権もプリミア社は獲得した。

 4. ナムコは2月27日、98年3月期業績予測を大幅に下方修正した。業務用では「鉄拳3」、「ファイナルハロン」などが好調のため下半期に予定した新製品を次期に延期したこと、またゲーム場経営では新規開設もあり売上高は見込みどおりだが、利益面で計画を下回ること、家庭用は好調だったが業務用の落ち込みをカバーするほどでないこと、から売上高108,000百万円、経常利益8,200百万円と減益幅を増やす見込み。連結ベースでは、業務用米欧子会社の売上げ減、米国オペレーション子会社の再構築手続きによるコスト増などで、売上高143,000百万円、経常利益8,500百万円を見込んでいる。

 5. コナミは3月2日、98年3月期業績予測を大幅下方修正した。同社によると、家庭用ゲームソフト以外の部門は伸ばしているが、家庭用ゲームソフト部門で海外は伸ばしたものの、国内で期待していたハードウェアの普及が伸びず、このため当初計画より下回ることになった。単独ベースで売上高は70,000百万円、経常利益は5,500百万円が見込まれ、一転して減益となる。連結ベースでは、東南アジアでの市場縮小や欧米での価格低迷による採算悪化などにより、売上高85,000百万円、経常利益6,000百万円が見込まれている。

 6. バンダイは2月27日、マルチメディア端末機「ピピンアットマーク」事業を担当してきた子会社、バンダイ・デジタル・エンタテインメント(BDE)を解散、残務をバンダイで引き継ぐと発表した。「ピピン」からの撤退と受け取られている。バンダイは「たまごっち」のヒットで大きく伸ばしたが、98年3月期で特別損失27,000百万円を計上し、連結売上高は前年比43%増の287,000百万円、経常利益は11,500百万円を見込んでいる。特別損失のうちBDE整理損は11,100百万円、米国子会社への投資損失引当金12,000百万円などとなっている。

 7. バンダイの液晶ゲーム機「たまごっち」のヒットに伴い、昨年3月以降類似品が数多く出回ったが、「ニュータマゴウォッチ」など輸入、販売した渇h光(本社大阪、小山良社長)ら2社に対して、大阪地裁は2月25日、2社は不正競争防止法に違反しており、それぞれ損害賠償すべきであるとの判決を言い渡した。この訴訟はバンダイが、仮処分申請に続き97年4月に提起していたもの。栄光ら3社に対しては、昨年5月に大阪府警が家宅捜査などしている。栄光では「判決に不服であり、控訴する」とコメントしている。

 8. 「ゲームマシン」チャートから。TVゲーム・ソフトウェア部門……1位はセガ社のCGサッカーゲーム「バーチャストライカー 2」(4回目)、2位はカプコン「マーブルVSカプコン」(初登場)。TVゲーム・完成品部門……1位はコナミのDJシミュレーションゲーム「ビートマニア」(3回目)、 2位はセガ社「ゲットバス」。TVゲーム以外のアーケードゲーム機部門……1位はタイトーの写真シール機「写してちょ!」(2回目)、 2位はコナミ「プリプリキャンバス」。

 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。