2021年6月1日号 Last updated on May 10, 2021
特報
 任天堂3月期決算、ゲームソフト、本体ともに絶好調。

 オリエンタルランド決算、入園者数74%減で、大幅減収赤字に。

海外
 米国の「ディズニーランド」が13ヵ月ぶりに営業再開。

 ラスベガスの新カジノホテル「RWLV」がやっとオープン。

国内
 泉陽興業、横浜にロープウェー「エア・キャビン」の営業開始。

 休業要請する4都府県に、2県加えて、5月末まで延長。

 

2021年6月1日号のニュースダイジェスト
 写真は関西精機製作所の「ポルル君の旅行」(87年)のフライヤーから。「ミニドライブ」(58年)の後継機として開発されたもので、走行面が縦型となり、設置面積が半分になるなど、イメージががらりと変わったが、ゲーム内容と人気はきっちり引き継いでいた。

 1974年の創刊号から2002年までの新聞「ゲームマシン」がpdfファイルでご覧いただけるようになりました。下の「アーカイブ」をご利用下さい。また単行本「それは『ポン』から始まった」は残りわずかとなりました。アマゾンにお申し込み下さい。

30年前の主なニュース

 700億円投資した「レオマワールド」(香川県綾歌町)が開業。AOU理事会、麻雀ゲーム緊急自主規制の例外を撤回、さらに修正。仙台のAMフェアに22社が74小間に出展予定。任天堂の3月決算、「スーパーファミコン」など好調で増収増益。(1991年6月1日号)

40年前の主なニュース

 宝塚ファミリーランドが、デンマークにある世界的な遊園地、チボリ遊園地と姉妹提携。AOU理事会は協会の事業に共同購入を含めないことを確認した。全日本遊園協会(JAA)の清算完了。米国「プレイメーター」主催の春のショー「AOE」が定着した。(1981年6月1日号)



【ニュースダイジェスト】

 .任天堂は5月6日、3月決算を発表、売上高は34%増の1兆7589億円、経常利益は88%増の6789億円、最終利益は86%増の4803億円と記録を伸ばした。売上高のうち海外分は77%を占める1兆3614億円。ゲームソフト「あつまれ どうぶつの森」が2085万本(累計3263万本)売れ、そのため本体「スイッチ」が37%増の2883万台売れた。サードパーティーによるゲームソフトを含め36タイトルがミリオンセラーになり、本体の販売を促進した。22年3月期は売上高が1兆6000億円、経常利益が5000億円、最終利益が3400億円を予想している。

 .オリエンタルランドは4月28日、3月期決算を発表、売上高は63%減の1705億円、経常損失は492億円(前年は980億円の利益)、最終損失は541億円(622億円の利益)だった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け20年4-6月は全面休業、7月以降は営業を再開したが、制限が続けられており、入園者数は74%減の756万人。部門別売上高はテーマパークが65%減の1342億円、ホテルが56%減の286億円、その他が52%減の76億円。22年3月期の業績予想は示されなかった。

 .オリエンタルランドは決算発表とともに、経営トップの異動を明らかにした。6月29日開催予定の株主総会を経て、吉田謙次常務執行役員が社長に昇格、上西京一郎社長は退任、特別顧問に就任する。新社長の吉田謙次氏(よしだ・けんじ)は84年法政大経済卒、オリエンタルランド入社。06年フード本部フード仕入部長、19年4月から常務執行役員。60歳。

 .コーエーテクモHDは4月26日、21年3月期決算を発表、売上高は42%増の603億円、経常利益は108%増の392億円、最終利益は93%増の295億円だった。部門別で家庭用ゲームソフトの売上高は568億円、利益は239億円、「アミューズメント」(ゲーム場運営と遊技機販売)の売上高は29億円(前年28億円)、利益は3億円(5億円)、不動産の売上高は7億円、利益は9千万円、その他の売上高は2億円、損失は4千万円だった。ゲーム場は1増の11店。22年3月期は売上高650億円、経常利益365億円、最終利益265億円を予想している。

 .米国カリフォルニア州アナハイムのディズニーランドを含む「ディズニーランドリゾート」が4月30日、定員の25%までの入園客制限と予約制付きながら13ヵ月ぶりに営業を再開した。ワクチン接種が円滑に進んでいることから、昨年3月中旬以来続いてきた臨時休園がやっと終了、営業正常化が進められることになり、雇用関係を取り戻し、園内のアトラクションも以前どおり維持するなど、スタッフの喜びも大きい。カリフォルニア州南部ではユニバーサルスタジオ・ハリウッドが先に4月16日オープンしている。

 .米国ラスベガスの大通りに久しぶりの大型カジノホテル(IR)として建設された「リゾートワールド・ラスベガス」(RWLV)が6月24日にもオープンする見通しとなった。旧「スターダスト」カジノホテル跡地に15年着工、「ウィンラスベガス」のトレードドレス(商用デザイン)を盗用したとして訴訟まで起こされたがそれも解決。赤と黒のシックな外装で、客室約6500室のタワーホテル、16300㎡のカジノフロアを擁する。建設費43億ドル。マレーシアのゲンティンググループが所有・運営する。

 .ユニバーサルエンターテインメントは4月26日、フィリピンのカジノ施設「オカダマニラ」を運営する子会社、タイガー・リゾート・レジャー・アンド・エンタテインメント(TRLEI)が、PAGCORからオンラインゲーミング事業に参入するのを承認されたとする通知を19日に受け取ったと発表した。これはテーブルカジノとスロットマシンによるカジノをネット上に設置して、PAGCORの監督のもとに運営するもの。運営上の規定順守を確認したうえで、運営へと移行するとしている。

 .泉陽興業は横浜で都市型循環式ロープウェー「ヨコハマ・エア・キャビン」を完成させ、4月22日に営業運転を開始した。JR桜木町駅と新港地区の運河パーク間の約630mを約5分間で結ぶもので、8人乗りのゴンドラ36機が循環する。最も高い所は地上約40mで、港を見渡せる。片道大人千円。フル回転すれば時間当たり2400人が利用できる。ロープウェーは日本ケーブルが担当した。日本で都市型ロープウェーは過去に「ひばり号」(渋谷、51-53年)などあったが、姿を消していた。

 . 政府は4月23日、4都府県(東京都、大阪府、京都府、兵庫県)にわたって緊急事態宣言発令に伴う、関係自治体が休業など要請する対象施設などを明らかにした。休業を要請する主なものはいずれも床面積が1000㎡を超え、生活必需品売り場を除く施設で、ショッピングセンター、百貨店、スーパーなど大規模小売店、ボウリング場、スポーツクラブ、マージャン店、パチンコ店、ゲームセンター、テーマパーク、遊園地、個室ビデオ店、スーパー銭湯。酒類やカラオケを提供する飲食店(それ以外の飲食店には20時までの時短営業を要請する)。期間は4月25日から5月11日まで。引き続き政府は5月7日に愛知県、福岡県を加え、5月末まで宣言を延長することを決めた。




◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc.2021