2018年11月15日号 Last updated on November 1, 2018
特報
 カプコンの中間期、家庭用「モンハン」の勢いで大幅増益。

 メイクソフトウェアが自己破産を申請、負債21億円。

海外
 エプコットの「スペースシップアース」、20年から徹底改修に。

 フランスのアタリ社、ナスダック国際部に公開。


国内
 セガ社など3社のユーザー認証カード、共通仕様に。

 オリエンタルランド中間決算、最高を更新。


2018年11月15日号のニュースダイジェスト
  写真はセガ・インタラクティブの新作展(大阪会場)にて、上は「クロノレガリア」、下は「オールネットPラス・マルチ(APM)」新キャビネットに収めた「ギルティギア・イグザードREV2」を試しているようす。

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30年前の主なニュース

 JAMMAとAAMAはともに、偽造基板対策に乗り出す。シグマが「ポーカー」などメダルゲーム機の展示会を開き、フェイスも「麻雀学園・学園長の復讐」などの新作展。ニチエイAMが神戸「オーパ」内に、大人のゲーム場「フエゴ」を開設。(1988年11月15日号)

40年前の主なニュース

 セガ社はエスコ貿易を子会社にすることに合意、中山氏はセガ社副社長に。AMOA78で、厳しい条件付きながら、初めてメダルゲーム機の展示が可能となる。ナムコはTVゲーム機「ジービー」、三共は「キャッスルテイク」の発売を予定している。(1978年11月15日号)



【ニュースダイジェスト】

 .「ジャパンアミューズメントエキスポ」(JAEPO)2019(1月25-27日)には46社(前回は42社)が542小間(567小間)に出展する予定で、出展規模は再び減少することが分かった。10月10日の出展者説明会を経て、19日までに確定した。会場は2ホールのまま、26-27日は一般に公開する。主な出展社と小間数はセガ・インタラクティブ120(前回130)、バンダイナムコアミューズメント80(70)、コナミアミューズメント60(50)、タイトー30(15)、バンダイナムコテクニカ16(16)、プライズフェア75(127)、加賀アミューズメント14(9)など。前回まで出展したスクウェア・エニックス(35)は出展しない。

 .オリエンタルランド(OLC)は10月30日、第2・四半期までの中間決算(4-9月)を発表、売上高は8%増の2,506億9千百万円、経常利益は10%増の626億8百万円、中間利益は2%増の433億6千9百万円と最高を更新した。部門別ではテーマパークの売上高が8%増の2,079億円、営業利益が9%増の514億円、ホテルの売上高が10%増の351億円、営業利益が18%増の90億円、その他の売上高が12%減の76億円、営業利益が6%増の13億円。東京ディズニーリゾート(TDR)35周年イベントで売上高を伸ばし、客一人当たりの売上高も11,700円(前年同期11,473円)と増えた。

 .任天堂は10月30日、第2・四半期までの中間決算(4-9月)を発表、売上高は4%増の3,889億5百万円、経常利益は32%増の919億3千百万円、中間利益は25%増の645億7千6百万円と大幅増益となった。海外売上高は3,024億円、海外売上比率は78%。為替差益は210億円発生した。「スイッチ」本体は4%増の507万台を販売、スイッチ用「ドンキーコングトロピカルフリーズ」などゲームソフトが91%増の4,213万本売れた。「3DS」本体は100万台、ゲームソフトは627万本売れた。ファミコンとスーパーファミコンの「クラシックミニ」は369万台販売した。

 .カプコンは10月29日、第2・四半期までの中間決算(4-9月)を発表、売上高は29%増の433億2千7百万円、経常利益は105%増の102億9千7百万円、中間利益は97%増の68億4千9百万円と好調だった。中国で今春以降認可申請分のゲーム審査が停止され、また子会社の開発中止損45億円を計上したが、ゲームソフト「モンスターハンター・ワールド」が大きく貢献した。部門別でデジタルコンテンツの売上高は70%増の341億円、利益は207%増の117億円、ゲーム場は1増1減の36店で、売上高は6%増の55億円、利益は16%増の7億円、パチスロ機の売上高は70%減の22億円、損失は6億円(前年同期は19億円の利益)、その他(ロイヤリティ)の売上高は30%増の14億円、利益は20%増の6億円。

 .ゲーム場でネットワークゲームを継続的に使用することのできるユーザー認証カードを、3社が共通ICカードとして使用できることにした。セガ・インタラクティブは「Aime」、コナミアミューズメントは「eアミューズメントパス」、バンダイナムコアミューズメントは「バナパスポート」として独自仕様で使用できるようにしてきたが、これら3社は仕様を統一、今後は共通仕様により使用できる「アミューズメントICカード対応」にして10月25日発売する、と同日発表した。3社は今年2月、仕様を統一することについて合意していた。

 .写真シール機メーカーのひとつ、メイクソフトウェア(大阪市北区西天満4丁目、山本広社長)が10月24日、大阪地裁に自己破産を申請、破産手続き開始決定を受けた。88年11月創業、89年11月に法人成りした、家庭用ゲームソフト受注開発メーカーだが、97年に業務用写真シール機に参入、ゲームソフト開発は00年に打ち切った。写真シール機はヒットし、ピーク時の12年7月期売上高は71億円もあったが、シール機市場の縮小などにより18年7月期売上高は22億8千万円まで後退した。負債は申請時で約21億円と見られている。

 .米国フロリダ州オーランドのディズニーワールドにある科学と文化のテーマパーク、「エプコット」の入り口正面にある巨大な(18階建て相当)ゴルフボールの形をした建物の、「スペースシップ・アース」(宇宙船・地球号)はこれまでに何度も改修されてきたが、2年半に及ぶ徹底的な改修を施すため、20年初めから閉鎖されることになった。1982年10月エプコットと同時オープンしたこのアトラクションは、タイムマシンとなるライドに乗って、アニマトロニクスとジオラマを駆使して描かれる、石器時代から現代に至る人類のコミュニケーションの歴史を楽しむダークライド。2022年後半、40周年記念として再オープンされる予定。

 .フランスの家庭用アタリ社の株式が10月18日、ナスダックの国際部(米国企業でない国際企業向けの店頭市場)に上場された。証券用略称はPONGF。ブッシュネル氏が1972年に創業した旧アタリ社は76年にタイムワーナーの子会社となり、85年に業務用のアタリゲームズ社、家庭用のアタリコープに分割された。家庭用はコモドールのトラミエル氏らの手に渡り、99設立のフランス国籍のインフォグラム社に買い取られ、その米国子会社が現在のアタリ社になった。アタリ社は17年現在、レトロゲームを盛り込んだ「アタリフラッシュバック」や、スマートウォッチ「ゲームバンド」などを手掛けている。

 .イオンファンタジーは10月15日、子会社の「イオンファンタジー中国」と、㈱レッグスの子会社である「レッグス上海」が共同で、新業態のテーマパーク「莫莉幻想研究島」(仮称)を12月下旬、安徽省合肥市にオープンすることで合意したと発表した。イオンファンタジー中国はファミリー向けAM施設、モーリーファンタジー、キッズーナ、「ファンペッカ」を主力業態としてファミリーに安全な遊びの施設を提供してきており、より幅広い層に対応するため共同開発・運営することにしたとのこと。大阪教育文化振興財団が運営する「キッズプラザ」の監修を受け、日本流のホスピタリティとエンターテインメント性を強化した遊具、世界観を採用する。標準的な広さは1600㎡。




 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2018