2018年6月1日号 Last updated on May 15, 2018
特報
 18年3月期決算、バンナムは大幅な増収増益。

 スクエニ、コナミ、カプコンも好調。セガサミーは遊技機後退。

海外
 英国ヘイウェイピンボール社、破産手続き開始。

 米国ディズニー社1-3月期、テーマパークが牽引役。


国内
 カジノ整備法案、粗利益=GGRの30%を国と府県に。

 SNKも手のひらサイズの「ネオジオ・ミニ」発表。


2018年6月1日号のニュースダイジェスト
 写真はJAEPO18で、上はバンダイナムコエンターテインメントの小間で、「湾岸ミッドナイトマキシマムチューン6」、下はコナミの小間で「ベースボールコレクション」を試しているようす。

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30年前の主なニュース

 新日本製鉄は八幡製鉄所の遊休地にテーマパーク「スペースワールド」を建設する計画だ。レジャー白書は、風営法の影響でゲーム場の経営がダウンしたと分析。AOUは風営法の不合理な運用に関して要望した。元アタリ社のバルーズ氏が新会社を設立した。(1988年6月1日号)

40年前の主なニュース

 6月初旬の「西日本娯楽機器産業展」には41社が144小間に出展する。タイトーは6月16日、セガ社は27日に新作展を開催する。ショウエイは5月22日に新作展を開催した。バリージャパンはロス・シェアー氏に社長交代、事務所も移転した。(1978年6月1日号)



【ニュースダイジェスト】

 .バンダイナムコHDは5月9日、18年3月期決算を発表、売上高は9%増の6,783億千2百万円、経常利益は19%増の753億8千万円、最終利益は23%増の541億9百万円と大幅な増収増益だった。部門別でトイホビーの売上高は2%増の2,224億円、利益は9%増の144億円、ゲームなどネットワークエンターテインメントの売上高は14%増の4,059億円、利益は25%増の523億円、映像音楽の売上高は微減の560億円、利益は7%減の125億円など。業務用ゲーム機の売上高は55%減の282億円、直営ゲーム場は国内256店、海外37店の計293店で、売上高は5%増の642億円だった。19年3月期業績は売上高6,500億円、経常利益610億円、最終利益430億円を見込んでいる。

 .セガサミーHDは5月11日、18年3月期決算を発表、売上高は12%減の3,236億6千4百万円、経常利益は49%減の145億7千8百万円、最終利益は68%減の89億3千万円と大幅な減収減益だった。部門別で遊技機の売上高は29%減の1,056億円、利益は55%減の119億円、ゲームなどエンタテインメントコンテンツの売上高は1%増の2,080億円、利益は33%増の148億円、韓国カジノを含むリゾートの売上高は24%減の99億円、損失は25億円(前年は22億円)。なおAM機器の売上高は471億円、利益は27億円、AM施設(ゲーム場)は189店で売上高は390億円、利益は27億円だった。19年3月期は売上高3,900億円、経常利益160億円、最終利益120億円を予想している。

 .スクウェア・エニックスHDは5月11日、18年3月期決算を発表、売上高は3%減の2,503億9千4百万円、経常利益は16%増の361億2千4百万円、最終利益は29%増の258億2千百万円と減収ながら大幅増益だった。部門別でゲームソフトなどデジタルエンタテインメントの売上高は4%減の1,914億円、利益は30%増の434億円、アミューズメント(業務用とゲーム場)の売上高は2%減の417億円、利益は35%減の24億円、出版の売上高は10%増の110億円、利益は2%増の24億円、許諾料の売上高は17%増の75億円、利益は12%減の18億円だった。19年3月期は売上高2,700億円、経常利益300億円、最終利益210億円と増収減益を見込んでいる。

 .コナミホールディングスは5月10日、18年3月期決算〔IFRS〕を発表、売上高は4%増の2,394億9千7百万円、営業利益は24%増の451億8千百万円、最終利益は18%増の305億7百万円と増収で利益を伸ばした。部門別でデジタルエンタテインメントの売上高は14%増の1,202憶円、利益は11%増の374億円、業務用の売上高は1%減の251億円、利益は43%増の74億円、ゲーミングの売上高は5%減の296億円、利益は10%減の43億円、健康サービスの売上高は4%減の660億円、利益は23%減の32億円だった。19年3月期の業績は売上高2,500億円、営業利益500億円、最終利益320億円を予想している。

 .ラウンドワンは5月8日、18年3月期決算を発表、売上高は9%増の959億1千万円、経常利益は75%増の102億6千7百万円、最終利益は208%増の84億千百万円と大幅に伸ばした。店舗は国内が1店増の108店、米国が6店増の21店で合わせて7店(6%)増の129店。種類別売上高はゲーム場が12%増の453億円、ボウリング場が7%増の245億円、カラオケが8%増の98億円、スポッチャが8%増の132億円など。米国では115億円の売上高に対し費用は106億円で、利益は9億円だった。19年3月期には国内1店増3店減の106店に、米国11店増の32店になる予定。今年度売上高は1,014億円、経常利益110億円、最終利益63億2千万円を見込んでいる。なお同社は近く大阪市内に本社を移転する予定。

 .カプコンは5月8日、18年3月期決算を発表、売上高は8%増の945億千5百万円、経常利益は21%増の152億5千4百万円、最終利益は23%増の109億3千7百万円と過去最高益を記録した。部門別でデジタルコンテンツは家庭用「モンスターハンター・ワールド」が伸ばし、売上高が26%増の741億円、営業利益が72%増の191億円、ゲーム場は2増2減の36店で、売上高が7%増の102億円、営業利益が17%増の8億円、機器販売(パチスロ機、メダルゲーム機)の売上高は54%減の78億円、営業損失が7億円(前年は51億円の利益)、その他の売上高は12%増の23億円、営業利益が16%増の11億円。19年3月期の売上高は960億円、経常利益165億円、最終利益120億円を予想している。

 .米国のウォルトディズニー社は5月8日、第2・四半期(1-3月)決算を発表、売上高は前年同期比9%増の145億4千8百万ドル、純利益は23%増の29億3千7百万ドルと好調だった。部門別ではメディアネットワーク(ケーブルTV)の売上高が3%増の61億ドル、利益が6%減の20億ドル、パーク&リゾーツ(テーマパーク)の売上高が13%増の48億ドル、利益が27%増の9億ドル、スタジオエンタテインメント(映画製作)の売上高が21%増の24億ドル、利益が29%増の8億ドル、消費者向け製品の売上高が2%増の10億ドル、利益が4%減の3億ドル。主力のケーブルTVが伸び悩む一方、テーマパークと映画製作が全体を牽引する形となっている。

 .SNKは5月10日、3.5インチ液晶画面を持つ、小型のゲーム機「ネオジオ・ミニ」を発売すると発表した。「SNK」のブランド40周年を記念し、「ネオジオ」の業務用ゲームソフトなど40タイトルを内蔵、手のひらサイズで楽しめるもので、HDMI端子を備えており、テレビ画面に出力できるのも特徴。小型コントロールパネルを備え付けているほか、端子も付いている。外観は青、白、赤の日本・アジア向けと、黒、白、青の米欧向けと2種類ある。収録タイトル、発売時期、価格などは未定で、追って明らかにされる。「ネオジオ」は90年に発売開始されたROMカセット交換方式の業務用・家庭用TVゲームシステムで、「ザ・キングオブファイターズ」などヒット作が生まれた。

 .最新の遊園施設を積極的に導入することで知られる「富士急ハイランド」(山梨県富士吉田市、富士急行経営)は7月中旬から入園料を無料にすることにした。富士急行が5月9日に発表した。同園の入園料の無料化について同社は、富士急ハイランドと富士五湖周辺のさまざまなコンテンツを自由に組み合わせて、もっと多くの人にこのエリアを回遊してもらいたいとし、短時間だけの滞在も可能になり、楽しみ方の幅が大きく広がるとしている。現在の入園料は中高生以上が1,500円、子どもが900円で、アトラクションには別途料金が必要。18年3月期の同社決算で、富士急ハイランドを含む「レジャー・サービス事業」の売上高は7%増の254億円、営業利益は37%増の23億円だった。

 10. 6年前フリッパーメーカーの名乗りを上げた英国のヘイウェイピンボール社が5月2日に破産手続きを開始、清算される見通しになった。同社製フリッパーは「バカルディ・キューバ・リブレ」(14年)、「フルスロット」(15年)、「エイリアン」(17年)の3機種だけで、フリッパーの出来は悪くなかったが、出荷までに時間がかかりすぎたのが運の尽きだった。同社はアンドリュー・ヘイウェイ氏が創業、CEOを務めていたが、17年6月に退任、持株も手放していた。フリッパー分野では事実上、独占状態の米国のスターンピンボール社しかいないが、5年前からジャージー・ジャック・ピンボール社が、「オズの魔法使い」などワイドボディ製品をわずかながら出している。

 11.韓国・済州島の統合リゾート(IR)「チェジュ・シンワ・ワールド」(済州神話世界)は2月25日に外国人専用のカジノがオープン、1-3月の四半期のカジノ事業粗収益(GGR)は6.5億香港ドル(約90億円)、ゲーミング(賭博)以外の売上高は3.2香港ドル(約45億円)だった。香港を拠点とする中国のランディング・国際開発社が初めて手掛けるIR事業で、17年4月に一部施設を開業、9月に映画のテーマパーク「シンワテーマパーク」のアトラクションや、Kポップのテーマゾーン、商業施設などをオープンしていた。ホテルはランディングとマリオット、サマーセットなど3棟あり、客室は1,400室。カジノフロアーは5,000㎡で、ルーレットなどテーブルが155台、スロットマシンなど賭博機が239台ある。

 12.日本にカジノ(公認賭博場)を導入するための法案、「特定複合観光施設区域整備法案」を政府は4月27日に閣議決定し、国会に提出した。だが、政府の不祥事などにより国会での審議は見通せないまま。法案によると、カジノ委員会が内閣府の外局として設置される。カジノ委員会がカジノ事業者にカジノ事業の免許を与えることにより、刑法の賭博罪は適用されなくなる仕組み。カジノ事業者はカジノ行為粗利益(GGR)の15%と委員会経費を国に、またGGRの15%を認定都道府県に納付しなければならない。認定都道府県は3ヵ所以内で、都道府県議会などの同意を得る必要がある。20歳未満の者などは入場禁止。外国人入場料はないが、日本人は入場料6,000円を支払わねばならない、など。

 13.「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ、大阪)で5月1日午後4時過ぎ、腹這い式ローラーコースターのアトラクション、「ザ・フライング・ダイナソー」が高さ最高30mのところで緊急停止し、乗客約60人が腹這いのままになったが、平均約30分かけて全員救出された。USJ広報によると、モーターの不調により安全装置が作動したもので、けが人はなかった。この遊園施設は17年8月20日、9月29日に同様に緊急停止している。このほかUSJでは、今年2月に別のローラーコースターで緊急停止したり、17年10月にボートのエンジンが焼損したりするなどのトラブルが発生したとの記録がある。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2018