2018年2月15日号 Last updated on February 1, 2018
特報
 元シグマのアドアーズを、ワイドレジャーが45億円で買収決める。

 OLCの9ヵ月決算は「ニモ&フレンズ」好調で増益。

海外
 英国EAG18でバンナム、セガサミーが新ゲームなどを展開。

 マレーシアで、世界で最も高いところにある観覧車建設中。


国内
 コナミHD9ヵ月決算はゲームソフトなどが好調。

 USJ、HMD利用の「FF・XRライド」を導入。


2018年2月15日号のニュースダイジェスト
 写真は米国IAAPAアトラクションズエキスポ2017で、上は豆汽車を展示した米国チャンスライド社、下はコースターライドのデザインに競走馬を採用したS&Sワールドワイド社(三精テクノロジーズの子会社)の小間のようす。

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30年前の主なニュース

 英国ATEI88は日米の新製品で充実した。ナムコの株式が東証2部に上場された。第3回AOUエキスポには43社が出展する予定に。並行輸入基板を擁護する米国の業者グループが、「AOET」グループとして名乗りを上げた。(1988年2月15日号)

40年前の主なニュース

 年間通じて人気を集めた機種に、ナムコ「F1」、タイトー「スピードレースDX」、任天堂レジャーシステム「EVRレース」が選ばれた。英国ATE(ロンドン)では関西精機製作所「ステージコーチ」(大列車襲撃)に人気集まる。(1978年2月15日号)



【ニュースダイジェスト】

 .Jトラストグループのキーホルダーは1月23日、主要子会社であるアドアーズの全株式を、ワイドレジャー(福岡県小郡市、菊池康男社長)に、45億円で3月26日に売却することで合意したと発表した。18年3月期で特別利益12億円を計上する。アドアーズは1967年12月設立のシグマが98年に株式公開し、00年にアルゼ(現ユニバーサルエンタテインメント)子会社として合併、改称したもので、09年からJトラストの傘下に入り、17年に持株会社キーホルダーの完全子会社となっていた。業務は主に関東地区のゲーム場経営で、17年3月期売上高は121億円、経常利益3億円、純利益1億円。ワイドレジャーは1975年設立で、九州を中心に「楽市楽座」などSCロケを展開するオペレーター会社、17年2月期売上高は151億円。

 2.オリエンタルランド(OLC)は1月30日、第3・四半期までの9ヵ月(4-12月)決算を発表、売上高は1.1%増の3,644億9千6百万円、経常利益は1.3%増の947億3千百万円、純利益は6%増の694億5千2百万円と順調だった。部門別でテーマパークの売上高は1%増の3,011億円(億円以下切り捨て)、営業利益は0.2%増の780億円、ホテルの売上高は1%増の504億円、営業利益は11%増の132億円、その他の売上高は0.5%減の129億円、営業利益は7%減の18億円だった。入園者は若干上回り、1人当たり売上高はほぼ同様だった。東京ディズニーシーの新規アトラクション「ニモ&フレンズ・シーライダー」が好調で、当初予想を上回ってきているが、現時点では通期業績予想は据え置いた。

 .コナミHDは1月31日、第3・四半期までの9ヵ月(4-12月)決算(IFRS)を発表、売上高は9%増の1,786億6千8百万円、営業利益は30%増の385億3千2百万円、純利益は26%増の260億4千3百万円と好調だった。部門別ではデジタルエンタテインメント(ゲームソフト)の売上高が22%増の896億円、利益が22%増の297億円、健康サービスの売上高が4%減の497億円、利益が26%減の30億円、ゲーミング機の売上高が5%減の206億円、利益が9%減の26億円、アミューズメント(業務用、遊技機)の売上高が16%増の198億円、利益が68%増の65億円だった。このため通期業績予想を見直し、売上高2,400億円(5月の前回予想は2,450億円)、営業利益450億円(400億円)、最終利益290億円(270億円)と修正した。

 4.欧州最大のAMゲーム機/遊技機展である、英国EAGエキスポ18(1月16-18日、BACTA主催、ロンドン・エクセル展示場)英国のディストリビューターと並んで、英国バンダイナムコ・アミューズメンツ・ヨーロッパ社とセガ・アミューズメンツ・インターナショナル社が例年通り大きなブースを構えて自社製品を中心に出展。前者は米国ロウスリルズ社、カナダのトリオテック社などの製品を、後者は米国ICE社製品なども出展した。伝統的なATEIは10年までに消滅、それに代わるものとして存続しているが、15年以来併催するVAEは出展社がほとんどなくなった。EAGはそれでも欧州、中東、アフリカを含む広い市場を対象とした展示会であり、メーカーにとっては重要な商談の場となっている。

 5.〔英国EAGエキスポ18の続き〕バンダイナムコグループの小間では、英国アルソルブ社の「ウィプレイVR」ブース、ロウスリルズ社の「インジャスティス・アーケード」、「TMNT」などを披露した。セガサミーグループの小間では、「オペレーション・ゴースト・ターゲット・ブラボー」、「デイトナチャンピオンシップUSA」などを紹介した。英国のエレクトロコイン社はコナミの音楽ゲーム「DDRA」、米国スターンピンボール社の新作「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」など出品した。VRゲーム機はまた、英国イモーション社、ホログラフィック社、中国UNISなどからも出品された。UNISからはカリンファー社「アタリ・テーブルポン」も紹介された。米国バレーダイナモ社は野球ゲーム機「オールスター・ベースボール」を出品した。

 6.マレーシアの首都、クアラルンプールの中心地に建設中の高さ316m、78階建ての超高層複合ビル「M101スカイホイール」の3分の2の高さに、世界で最も高いところにある観覧車として、2021年に完成することになっている。横から見るとHの文字の形をした2棟からなるビルで、地上から200mのところにある土台部分に、ユニークな腕時計の形をした観覧車(中心部高さ220m)が設けられる予定。複合施設の主な使用用途は小規模事務所、ショッピングモール、ホテル「プラネットハリウッド」など。地下鉄の新駅も建設される。同国の不動産会社、M101が手掛けており、ドイツのポルシェ子会社のスタジオFAポルシェがデザインを、中国の鉄道建設公社のマレーシア法人が施工を担当。総工費は5億5千6百万ドルの予定。

 .ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は1月19日から6月24日まで、体感できるコースター「ファイナルファンタジー(FF)XRライド」を含む、ゲームと漫画をテーマとする、今年が4年目に当たる最大規模のイベント「USJクールジャパン」を展開している。うち「FF・XRライド」は「FF」を生み出したスクウェア・エニックスの映像部門と、USJの技術・表現力により実現したもので、HMDを通じて上下左右360度見渡す限り忠実に再現された「FF」の世界を、猛烈なスピードで駆け巡るという2人用ライド。USJでは初登場となる。「モンスターハンター・ザ・リアル」、「名探偵コナン・ワールド」も同時開催され、3月16日からは「美少女戦士セーラームーン・ザ・ミラクル4-D」も開催される。

 .エスケイジャパンは1月12日、第3・四半期までの9ヵ月間(3-11月)決算を発表、売上高は10%増の37億9千3百万円、経常利益は61%増の2億3千4百万円、純利益は177%増の3億6千万円と回復を示した。固定資産売却益1億2千9百万円、投資証券売却益2千9百万円を特別利益に計上した。キャラクターエンタテインメントの売上高は7%増の23億円、営業利益は4%減の1億円、キャラクターファンシーの売上高は15%増の14億円、営業利益は7千万円(前年同期は千万円の赤字)だった。業績が上向いていることから、18年2月期の売上高は52億円(4月の前回予想は48億円)、経常利益は2億4千万円(8千万円)、最終利益は3億6千万円(2億円)と予想を大幅に上方修正した。




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