2017年12月15日号 Last updated on December 1, 2017
特報
 ナムコがエキスポシティに「VSパーク」を春にも開業する。

 「JAEPO18」、出展規模567小間に拡大予定。

海外
 マックライド社の「タイムトラベラー」が姿現す。

 ユニバーサル対ウィン訴訟、4月に事実審再開。

国内
 アドアーズ「VRパーク」2店目を池袋にオープン。

 SDエンター中間決算は連続赤字。「UFOキャッチャー9」で盛り返す。

2017年12月15日号のニュースダイジェスト
 写真は姿を現した、ドイツのマックライド社「タイムトラベラー」のテスト運転のようす(上)と、IAAPAアトラクションズエキスポ2017のマックライド社の小間で、ライド部分を実物展示しているところ(下の左側)。

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30年前の主なニュース

 拡大する遊園地市場を背景にIAAPAショーは成長を続け、日本からトーゴ、明昌特殊産業、ミゼッティ工業も出展した。警察庁・保安課長に平沢勝栄氏が就任した。コナミから回転急降下爆撃する「エー・ジャックス」が出荷される。(1987年12月15日号)

40年前の主なニュース

 電気用品取締法施行令改正に伴い78年3月以後、TVゲーム機は新たに甲種電気用品となる。米国ニューオーリンズで開かれたIAAPAショーにタイトーが出展、「大列車襲撃」を出品した。岡本製作所が本社工場を増改築した。(1977年12月15日号)



【ニユースダイジェスト】

 .「ジャパンアミューズメントエキスポ」(JAEPO)2018(2月9-11日)には実質37社(前年は38社)が567小間(541小間)に出展する予定で、出展規模は前回から増加することが分かった。11月1日の出展社説明会を経て、11月15日までに小間位置を確定した。AMショーとAOUエキスポの統合後6回目のイベントで、前回ニコニコ動画「闘会議」と合同開催となり、今回も踏襲する。会場自体は2ホールのまま。主な出展社とその小間数は、セガ・インタラクティブ130(前回90)、「プライズフェア」127(123)、バンダイナムコエンターテインメント70(85)、コナミアミューズメント50(50)、スクウェア・エニックス35(44)、バンダイナムコテクニカ16、タイトー15などで、セガが40小間増やしたのが大きい。前回20小間で出展したカプコンは出展しない。

 .マックファミリーの経営で237年の歴史を誇るドイツの遊園施設メーカー、マックライド社は9月19日、座席部分が回転するローラーコースター「タイムトラベラー」を米国ミズーリ州のテーマパーク「シルバーダラーシティ」で組み立て、11月14日にその主要部品を披露した。「タイムトラベラー」はレール上に4人が乗れるライド部分が水平方向に自由に回転するだけでなく、コースがループ状や垂直に近かったりする究極のスリルライドのひとつ。世界で最も速度の速い、位置が高い回転コースターであり、投資額が2千6百万ドルもするこの遊園施設は、18年3月に正式オープンする予定。18年中に中国3ヵ所とマレーシア、トルコに導入されることが決まっており、IAAPAアトラクションズエキスポ2017(11月14-7日)でも大きな話題になった。

 .バンダイナムコグループのゲーム場運営子会社、ナムコは11月6日、大型複合施設「エキスポシティ」(大阪府吹田市)に、スポーツを仮想体験できる「VSパーク」を2018年春に開業すると発表した。「VSパーク」は、背後から迫ってくる猛獣の映像から必死に逃げるアクティビティなど、テレビのバラエティ番組に参加しているかのような臨場感を体験できる娯楽要素盛り沢山の「バラエティスポーツ」を集めた施設で、バンダイナムコスタジオが開発する。国内のスポーツ熱が高まるなか、さまざまなジャンルのスポーツをモチーフに、「ポケモンエキスポジム」が撤退した跡の屋内フロア(約2,600㎡)を使って、ワクワク、ドキドキする数多くのアクティビティを体験できるようにする計画。開業日など詳しい内容は決まり次第明らかにする予定。

 .アドアーズは「VRパーク東京」渋谷店に続く2店目を池袋に12月7日オープンすると11月22日発表した。渋谷店は「アドアーズ渋谷店」の4階フロアを利用して16年12月にオープン、7機種8台から開始、その後次第に数を増やしてきた(70分間、料金2,900円)。2店目の池袋店は「アドアーズサンシャイン」3階の広めのフロアに、10機種13台用意する(90分間、3,300~3,700円)。設置されるアトラクションには、ホラー系の「デスルーム」、「デッドプリズン」、戦闘系の「ゲットアウト・オブ・マイハウス」、「ブラックバッチ」、高所体験の「ダイブ・ハード2」、脱出系の「トリップトラップ・トラベラーズ」など新作7点が含まれている。同時利用人数は渋谷店(20名)の倍以上の43名となる。

 .ユニバーサルエンターテインメントは11月17日、米国ネバダ州地方裁判所が、保有株式の強制買い取りを巡る訴訟について略式裁判でなく、陪審員裁判とすると決定した、と発表した。アルゼUSA社を通じてユニバーサルが所有していた2,455万株を、ウィンリゾーツ社が市価の3割の価格で買い取ったことに対し、12年3月に起こした損害賠償請求訴訟で、ウィンリゾーツ社は事実審を省略する略式判決を求めていたが、ユニバーサルはあくまで陪審員裁判を求めていた。またウィンリゾーツ社がマカオ子会社の文書開示を拒否したことに関し、地裁は裁判所命令に違反したとして、その文書が「不利なものである」と陪審員が判断できる旨決定した。これらの決定に伴い、訴訟は18年4月に事実審理が再開される見通しになった。

 .オーストラリアのL&A社として古くからゲーム機販売業で知られ、また豪州と東南アジアにおいてFEC(ファミリーファンセンター)「タイムゾーン」を展開してきた、マルコム・スタインバーグ氏が「タイムゾーン」の株式の半分を11月15日、未公開株式投資会社のクォドラント社に売却したことが分かった。スタインバーグ氏はパースを拠点に1978年家族客向けゲーム場「タイムゾーン」を創設、息子アダムスたちとともに今ではフィリピンなど6ヵ国に200ヵ所の店舗を展開するに至っている。クォドラント社は近年、レジャー施設運営分野のうち娯楽・教育グループ「TEEG」事業への投資に力を入れている。スタインバーグ一家は「タイムゾーン」の株式をクォドラント社に売却したが、「TEEG」事業の役員にとどまり、協力する。

 .SDエンターテイメントは11月13日、第2・四半期までの半年間(4-9月)の中間決算を発表、売上高は3%増の38億9千百万円、経常損失は1億5千3百万円(前年同期は2千6百万円)、中間損失は1億4千5百万円(7千百万円)と連続赤字だった。事業別売上高はゲーム場が変わらずの11億円、フィットネスが1%減の10億円、ボウリング場が0.3%増の4億円、映画館を含む施設管理が0.4%増の1億円、カフェその他が16%増の6億円。大型複合施設「スガイディノス札幌白石」で大型ゲーム場を閉鎖、フィットネスの道内初出店の導入準備を進めたことなどにより、減収赤字になった。ネットキャッチャー事業の再構築のため、営業休止したことも影響した。セガ社「UFOキャッチャー9」の大量導入で盛り返した。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2017