2015年12月1日号 Last updated on November 15, 2015
特報
 バンナム9月中間決算、好調で通期予想を上方修正。

 セガサミーは減収ながら黒字回復、スクエニは大幅増益。

海外
 米国ディズニー社9月期決算は、史上最高に。

 上海ディズニーの完成近づき、中国政府がコピー退治を強化。

国内
 SNKプレイモアがゲーム事業強化、遊技機から撤退。

 通信カラオケの不正改造で、ボックス創始者が逮捕。


2015年12月1日号のニュースダイジェスト
 写真はバンダイナムコエンターテインメントの新作展(大阪会場)にて、上は「機動戦士ガンダム・エクストリーム・バーサス・マキシブーストON(オンライン)」を試しているようすと、そのオンライン/店内対戦の組み合わせイメージ。
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30年前の主なニュース

 米国AMOAエキスポ85(シカゴ)が開催、日米の多彩なTVゲーム機が出品され、日本のメーカーからの製品供給も安定していることを示した。いわゆる「遊技装置付きテーブル」実用新案権は無効、と東京高裁が判決を下した。(1985年12月1日号)

40年前の主なニュース

 米国MOAショー(10月17-19日、シカゴ)が開催され、TVゲームの新作も披露されたが、将来性にまだ確信が持てないとの声もあった。セガ社はTVガンゲーム機「バレットマーク」、タイトーは乗物機「サンタフェ」を出荷した。(1975年12月1日号)



【ニユースダイジェスト】

 1.建設に55億米ドルかけた「上海ディズニーランド」は、中国・上海の浦東(プートン)に16年上半期オープンする予定だが、中国の国家工商行政管理総局(SAIC)はこのほど、ディズニーのキャラクター商品の偽物を一掃するため、年間を通じて取り締まりを強化、この特別作戦を16年10月まで続けると発表した。当局によると、1914年中国のオンライン市場で販売されたキャラクター商品の40%以上が、まったくの無断コピー品か、粗悪な品質であったということで、これらの違法コピー商品が中国の評判を傷つけており、これを阻止したいというもの。中国・上海の経済情報委員会(SEIC)は9月、上海ディズニーランド周辺の、大気汚染物質を扱う150ヵ所の工場を年末までに閉鎖するか、別の場所に撤去するとの行政命令を出している。コピー品の取締り強化もこれと同様の方針で、上海ディズニーランドが出来て人気が集まるのは歓迎だが、無断コピー品の氾濫で評判を落とせば何にもならないから、と見られている。

 .バンダイナムコエンターテインメントは11月9-6日、東京で(9日に大阪、11日に福岡で)新作展を開催、「機動戦士ガンダム・エクストリーム・バーサス」シリーズの最新作「マキシブーストON(オンライン)」を披露した。これまでのシリーズのオンライン対戦化に伴う全面的なバージョンアップで、特に「店内対戦」と「オンライン対戦」が店側で任意に切り替えできる点などが特長。改造キットは3月出荷予定。ライブモニター付きで4席/6席セット、課金は1プレイ9円の通常プラン/30円のEXプランという選択肢があり、4席セットで通常プランだとOP価格は1,848千円となる。このほか発売中の2人協力の音楽ゲーム「シンクロニカ」、「湾岸ミッドナイトマキシマムチューン5DX」(12月)、「釣りスピリッツRev2.0」10円硬貨対応クレーン「クレナ2K」、フルカラーLEDの「スウィートランド5」、12月新曲追加の「太鼓の達人9」なども紹介した。

 .米国のウォルトディズニー社(ロバート・アイガー会長兼CEO)は11月5日、第4・四半期(7-9月)決算と15年9月決算を発表、史上最高の収益を示した。第4・四半期の売上高は9%増の135億千2百万ドル、純利益は7%増の16億9百万ドル、また通期の売上高は7%増の524億6千5百万ドル、純利益は12%増の83億8千2百万ドルだった。部門別の通期業績は、メディアネットワーク(ケーブルTV)の売上高が10%増の232億ドル、営業利益が6%増の77億ドル、パークス&リゾーツ(テーマパーク)の売上高が7%増の161億ドル、営業利益が14%増の30億ドル、スタジオエンタテインメント(映画とビデオ)の売上高が1%増の73億ドル、営業利益が27%増の19億ドル、インタラクティブ(ゲーム)の売上高が10%減の11億ドル、営業利益が14%増の1億ドルだった。前年ヒットした映画「アナと雪の女王」の反動減を受けた上での好調ぶりとなった。

 .バンダイナムコHDは11月5日、9月中間決算を発表、売上高は5%増の2,727億8千万円、経常利益は1%減の332億千5百万円、中間利益は7%増の227億6千2百万円と、「IP軸戦略」で好調に成果をものにした。部門別でトイホビーの売上高は2%減の1,039億円、営業利益は115億円、ネットワークエンターテインメントの売上高は10%増の1,472億円、営業利益は3%増の147億円、映像音楽プロデュースの売上高は5%増の235億円、営業利益は26%減の59億円、その他の売上高が変わらずの134億円、営業利益が43%減の5億円。ネットワークエンターテインメントのうち業務用販売は266億円(前年323億円)、ゲーム場は3増4減の236店で、売上高292億円(279億円)。16年3月期の業績予想は売上高5,600億円(5月の前回予想では5,300億円)、経常利益520億円(460億円)、最終利益340億円(300億円)と大幅に上方修正した。

 .セガサミーホールディングスは11月2日、9月中間決算を発表、売上高は3%減の1,543億2百万円、経常利益は124%増の58億6千7百万円、中間利益は9億6千4百万円(前年同期は28億5百万円の赤字)と減収ながら黒字回復した。部門別で、遊技機の売上高は7%減の569億円、営業利益は22%増の85億円、エンターテインメントコンテンツの売上高は0.2%減の906億円、営業利益は139%増の15億円、リゾートの売上高は11%増の74億円、営業損失は12億円(14億円)。コンテンツのうちAM機器の売上高は11%増の206億円、営業利益は2億円(ゼロ円)、ゲーム場は198店舗(変わらず)で売上高は6%増の189億円、営業利益は117%増の13億円。リゾートの利用客は、フェニックス・シーガイアが11%減の287千人、東京ジョイポリスが19%増の395千人、オービィ横浜が19%減の194千人だった。

 .タイトーの親会社、スクウェア・エニックスHDは11月6日、9月中間決算を発表、売上高は18%増の863億6千万円、経常利益は44%増の129億3千万円、中間利益は29%増の73億2千4百万円と大幅な増収増益だった。部門別で、デジタルエンタテインメントの売上高は38%増の601億7千7百万円、営業利益は63%増の129億千7百万円、アミューズメントの売上高は11%減の190億5百万円、営業利益は8%減の21億7千9百万円、出版の売上高は20%減の49億9千9百万円、営業利益は41%減の10億5千9百万円、ライツの売上高は33%増の25億7千8百万円、営業利益は45%増の8億8千6百万円だった。アミューズメントでは業務用販売が低調で売上高は減少したが、効率的なゲーム場運営に努め、業績は堅調に推移したとしている。タイトーはこれまで14店に導入している「マルチ電子マネー端子」を、16年3月までに直営44店に約9,800台導入する予定。

 .ラウンドワンは11月9日、9月中間決算を発表、売上高は3%減の407億7千5百万円、経常利益は47%減の18億2千4百万円、中間利益は74%減の5億9千4百万円と、大幅な減収減益だった。9月末の国内店舗数は113店、米国8店、計121店。サービス別の売上高は、ボウリングが8.5%減少、ゲーム場が2.7%減少、カラオケが2.4%減少と軒並み減らし、スポッチャのみが7.0%の増加となった。保有する固定資産について将来回収の可能性を考慮した結果、減損損失2億9千2百万円を特別損失に計上した。このため、5月にした前回中間期業績予想を大きく下回る結果となった。通期(16年3月期)業績についても前回予想を下回る見通しになったので、売上高837億円(5月の前回予想では850億円)、経常利益51億円(61億5千万円)、最終利益3億円(12億円)と大幅に下方修正した。

 .アドアーズは11月11日、9月中間決算を発表、売上高は5%減の111億5千8百万円、経常利益は53%減の53億4百万円、中間損失は4億2千9百万円の大幅赤字になった。7月に西池袋1丁目にあった8階建ての自社ビルを売却、2億8百万円を特別利益に計上したが、8月に日本介護福祉グループの全株式を譲渡、10億3千2百万円を特別損失に計上、介護事業から撤退した。部門別で、ゲーム場は2増3減の52店で、売上高は2%減の75億8千万円、営業利益は15%減の4億9千2百万円、不動産分譲・賃貸の売上高は17%減の28億7千7百万円、営業利益は26%減の2億6千9百万円、商業施設建設の売上高は86%減の8千2百万円、営業損失は3千8百万円、介護の売上高は6億8百万円、営業損失は1億千百万円。なお通期業績予想は8月11日に修正しており、今回は据え置いた。

 .SNKプレイモア(本社大阪府江坂市、外山公一社長)は11月2日、ゲーム事業の体質強化と、パチスロ事業からの撤退を決めた、と発表した。同社は8月に中国のオンラインゲーム企業「37ゲームス」とオリエンタル・セキュリティ社の合弁会社である、「レド・ミレニアム」が81%の大株主となっている。収益に大きく貢献しているスマホゲームで、親会社のレド社との技術提携を推進するなど、スマホゲームと家庭用TVゲームの開発に経営資源を集中、増員する。また中国市場でライセンスビジネスを展開、すでにレド社にスマホゲーム「拳皇97OL」(KOF97)、アウアパーム社に「拳皇98終極之戦OL」を許諾しており、中国を含む世界市場でさらに許諾ビジネスを拡大する。一方、創業以来手がけてきたパチスロ事業は遊技人口の減少に加え、遊技機規制の変更により先行きは不透明であり、将来性を見出すことは困難と判断、撤退することにした。当面故障・修理に対応するが、開発・製造・販売を終了する。

 10.ユニバーサルエンターテインメントは11月9日、9月中間決算を発表、売上高は18%増の451億6千5百万円、経常利益は45%減の51億4千4百万円、中間利益は13%減の37億7千5百万円と大幅な増収減益だった。部門別で遊技機の売上高は17%増の433億7千3百万円、営業利益は2%増の152億8千6百万円、その他の売上高は20%増の17億9千8百万円、営業損失は20億6千6百万円(前年同期は15億4千百万円の赤字)。遊技機は中間期で約10万5千台販売した。為替評価損17億円と持分法適用会社の損失10億円の計27億円を計上して、経常利益を大幅に減らした。米国のウィンリゾーツ社を訴えている訴訟は現在、まだディスカバリー(証拠開示手続き)の段階で、今後証人尋問を得てトライアル、判決へと向かうことになる。これとは別に今年2月、ウィンリゾート・マカオ社を相手に損害賠償請求訴訟をマカオの第1審裁判所に提出したことを明らかにした。

 11
.岡山県警中央署は10月30日、業務用通信カラオケ機器を、メーカーと契約しなくとも使い続けられるよう不正に改造し、販売した疑いで、岡山市のカラオケボックス経営の会社社長、佐藤洋一容疑者(73)を逮捕した。容疑は不正競争防止法(技術制限の解除)と商標法違反。9月に中古機約200台を押収していた。調べによると、カラオケ大手メーカー(東京)の中古通信カラオケ機器2台をネットオークションで落札、視聴制限機能を無断で解除し、14年7-10月に宣伝して、東京の男性ら2人に計134,600円で販売した。10年ごろから約700人にネット販売したとしている。佐藤容疑者はトラック運転手をしていた1985年、トラック用コンテナを改造し、日本で初めてカラオケボックスを開発、使用したことで知られている。今回の調べに対して「事実は間違いないが、お年寄りを楽しませようと改造したもので、違法と思っていなかった」と述べているとのこと。




 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2015