2015年11月15日号 Last updated on November 1, 2015
特報
 バンナムグループ、親子で楽しめる「アソミックス」開設。

 OLC中間決算、わずか減収で、予想上回る利益。

海外
 マカオに「8の字型観覧車」含む「スタジオシティ」が完成した。

 セガ社業務用ロンドン子会社、広範囲の市場対象に改称。

国内
 バンナムが開発中の業務用「リアルドライブ」、モーターショーで披露。

 9月中間決算、コナミは増益、カプコンは減益に。


2015年11月15日号のニュースダイジェスト
 写真は「あそぶ!ゲーム展-デジタルゲームの夜明け」(10月3日-2月28日、埼玉県川口市の映像ミュージアム)で、上は「テニス・フォー・ツー」、「スペースウォー」などの再現模型やオリジナル機と、プレイ可能にした装置展示のようす(写真提供;SKIPシティ映像ミュージアム)。
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30年前の主なニュース

 都道府県のゲーム場オペレーター協会による「全国連合会」が、まず30団体で発足した。これに伴い、NAOは事実上解散した。日本SC遊園協会は自主規制の検討を開始した。ナムコはアタリゲームズ社の「インディー・ジョーンズ」を発売した。(1985年11月15日号)

40年前の主なニュース

 警察庁・保安課はプライズゲーム機に関して、30円までの遊技料金の3倍までの菓子類に限り放任する、と通達した。任天堂レジャーシステムは「EVRレース」、フジ・エンタープライズは「ハーネスデラックス」、関西精機製作所は「ガンスモーク」を発売した。(1975年11月15日号)



【ニユースダイジェスト】

 1.バンダイナムコエンターテインメントは10月29日、同日開業の商業施設「ららぽーと海老名」(神奈川県海老名市)の4階に、親子で楽しめる遊び体験複合施設「アソミックス」をオープンした。2日前には関係者に披露した。ナムコが運営する「アソミックス」(890㎡)には、砂と映像・音響技術で砂浜を再現、プロジェクトにより潮の満ち引きや波、水しぶきなどを身近に表わし、専用の道具で魚をすくい上げたり、専用の土嚢を積んだり、小型車両を足でこいだりすることもできる「屋内砂浜・海の子」など有料ゾーンがある。入場料は子ども30分、延長10分ごとに150円。1日フリーパスなら1,500円。入場無料の物販ゾーンには写真シール機により記念写真を作る「キセカ」などがある。営業時間は10~19時。親子で楽しめる施設は、セガエンタテイメントが4月、横浜市に「キッズビー」を開設、イオンファンタジーも6月、東京・赤羽に「カフェもりっちゃ」を開設している。

 .マカオのコタイ地区に、ハリウッド映画をテーマにした統合型リゾート(IR)「スタジオシティ」が完成、有名スターらを招いて、10月27日に華々しくオープンした。「カジノ王」と呼ばれるスタンレー・ホー氏の息子で、このリゾートを経営する「新濠博亜娯楽」(メルコ・クラウン・エンタテインメント社)のCEOであるローレンス・ホー氏は、米国ラスベガスに匹敵するカジノ都市が、ここから本格的に始まることを強調した。総工費32億ドル、高さ130mのホテル(1,600室)の中央部分には、10人乗りのカプセル17個が、(遠方からみれば)「8の字型」のコースを移動していく、というインタミン社製「観覧車」の、「ゴールデンリール」を組み込んだ。また「バットマン4Dフライトライド」などのアトラクションや3,700㎡ある室内ゲーム場も特徴だ。マカオ市場でのカジノ収入は、04年の50億ドルから13年の450億ドルへと急拡大したが、中国政府による腐敗撲滅運動のために後退、今年は300億ドルと推定されている。

 .オリエンタルランドは10月29日、9月中間決算を発表、売上高は0.3%減の2,220億3千7百万円、経常利益は3%減の532億8千9百万円、中間利益は1%減の359億4千2百万円とわずかな減収減益だったが、利益面では従来予想を上回った。部門別ではテーマパークの売上高が1%減の1,826億7千5百万円、営業利益は5%減の439億3千9百万円、ホテルの売上高が3%増の305億7千8百万円、営業利益が4%増の71億3百万円、その他の売上高が3%増の88億8千2百万円、営業利益が9%増の9億9千8百万円。4月にパスポートを値上げ、天候不順で入場者数を約7万人減らしたが、客一人当たりの売上高は11,185円に増加し、7-9月期(第2・四半期)に業績は回復基調を強め増収増益になった。加えてホテルの客室単価は安定し、売り上げ増となった。16年3月期の業績予想は据え置いた。

 .コナミホールディングスは10月30日、9月中間決算(IFRS=国際会計基準)を発表、売上高は9%増の1,077億千8百万円、営業利益は92%増の124億4千4百万円、中間利益は102%増の78億4千7百万円と大幅な増収増益だった。部門別で、デジタルエンタテインメント(モバイル、家庭用、業務用、カードゲーム)の売上高は17%増の517億円、営業利益は72%増の126億円、健康サービスの売上高は3%減の358億円、営業利益は81%増の15億円、ゲーミング機の売上高は10%増の149億円、営業利益は14%減の17億円、遊技機の売上高は20%増の53億円、営業利益は3億円(前年同期は8億円の損失)で、特にデジタルエンタテインメントと遊技機での回復が目立った。業務用では「祭りフィーバー!」を出荷した。ゲーミングでは9月、米国ラスベガスに第2工場が完成、開発と生産能力を強めた。コナミは10月1日付でコナミホールディングスに社名変更した。

 .カプコンは10月29日、9月中間決算を発表、売上高は22%増の316億3千8百万円、経常利益は36%減の28億9千百万円、中間利益は34%減の19億5千百万円と、大幅増収に関わらず大幅減益だった。同社は売上原価率の増加により、大幅減益になったとしている。部門別では、デジタルコンテンツ(家庭用、PC用など)の売上高が6%増の143億4百万円、営業利益が29%減の15億3千3百万円、ゲーム場運営は1増1減の33店で、売上高が9%減の44億5百万円、営業利益が46%減の3億5千5百万円、パチスロ遊技機部品の売上高は76%増の121億3千2百万円、営業利益は19%減の25億5千百万円、その他(出版・物品販売)は売上高が6%増の7億9千5百万円、営業利益が12%増の2億5千3百万円。なお、遊技機部品には業務用「ルイージマンション・アーケード」、「クロスビーツレヴ」も含まれているが割合は不明(11月2日続報=遊技機部品対業務用の売上高構成比は9対1と変わらず))。

 .任天堂は10月28日、9月中間決算を発表、売上高は19%増の2,041億8千百万円、経常利益は26%減の164億3千6百万円、中間利益は20%減の114億6千6百万円と大幅な増収減益だった。営業利益は89億7千7百万円(前年同期は2億千5百万円の赤字)で、5年ぶりに黒字回復した。海外売上高は全体の71%を占める1,446億円で、円安の進行が落ち着き、これまでの為替差益が大幅に減少し、利益全体も減少した。ハンドヘルドの「3DS」は「ニューニンテンドー3DS」、「同LL」など新色を展開し、合わせて228万台(209万台)販売。ゲームソフトも「どうぶつの森・ハッピーホームデザイナー」、「リズム天国・ザ・ベスト+」など1,920万本(2,330万本)販売した。据置型「Wii U」では9月に「スーパーマリオメーカー」が188万本と好調なスタートを切った。ゲームに連動して遊ぶフィギュア「アミーボ」は出だし好調だった。

 .エスケイジャパンは10月14日、8月中間期(3-8月)決算を発表、売上高は31%減の26億3千4百万円、経常利益は千7百万円(前年同期は1億千5百万円の損失)、中間利益は4千6百万円(千4百万円の損失)と、減収で黒字回復した。キャラクターエンタテインメント事業では、アミューズメント(景品)の売上高が24%減の13億9千百万円、セールスプロモーションの売上高が39%減の2億2千6百万円で、合わせた売上高は27%減の16億千8百万円、営業利益は千万円。キャラクターファンシー事業の売上高は37%減の10億千6百万円、営業損失は千万円。前期爆発的なヒットになったキャラクター商品の落ち込みなどのため、前回の業績予想値を下回る結果になった。通期(16年2月期)業績予想は、売上高55億円(4月の前回予想では63億円)、経常利益5千6百万円(4千百万円)、当期利益7千4百万円(7千8百万円)と修正した。

 .バンダイナムコエンターテインメントは10月20日、「東京モーターショー15」(29日―11月8日、東京ビックサイト)に今年初めて協賛すると発表、業務用のスポーツ走行体感ゲーム機「リアルドライブ」を初披露、スマホ向けゲームアプリケーション「ドリフトスピリッツ」を参考出品した。「東京モーターショー」のイベント会場ある西3ホールで展示したもので、「リアルドライブ」は視界180度のドームスクリーン、可動シート、サラウンドスピーカーシステム、6速シフト&3ペダルで、スポーツ走行を体感できるというもの。試乗できる。出荷目標は来年4月。「ドリフトスピリッツ」はすでに40ヵ国以上で配信されている、ちょっとした待ち時間に画面タッチすることにより、迫力のある爽快ドリフトを楽しめる手軽な30秒レースで、5百万回ダウンロードされている。日本車を中心に人気の40車種から選択できる。試遊台を設置した。

 .米欧市場で業務用製品の販売を担当してきた、セガ社子会社のセガ・アミューズメンツ・ヨーロッパ社(本社英国ロンドン郊外、ポール・ウィリアムCEO)は10月14日、社名が「セガ・アミューズメンツ・インターナショナル社」に変わったと発表した。これに伴い、日本以外の世界市場(米国、欧州、中東、アフリカを含む)での製品販売を担当することが明確になり、それぞれの市場に適した製品を供給する態勢が整ったとしている。組織的な関係では、セガサミーホールディングスのAM事業子会社として15年4月に発足した、セガホールディングスの子会社、セガ・インタラクティブの完全子会社であり、上記地域のほかロシア、アジアも担当するとのこと。大型キャビネット付TVゲーム機「トランスフォーマーズ」、「レッツ・ゴー・ジャングル」などの開発で知られる、ロンドン在住の小笠原氏が開発チームを組んで、これらの市場向け製品の開発に当たるとしている。

 10.米国自治連邦区の北マリアナ諸島連邦(CNMI)で最大の島、サイパン島で14年にカジノが合法化されて以来、臨時ながら最初のカジノが7月15日にソフトオープンして、案外好調に運営されていることが分かった。これは香港のインペリアル・パシフィック・インターナショナル社の現地子会社である、ベストサンシャイン社がCNMI政府からライセンスを得て、本格的なカジノリゾートの建設に先立ち、デューティーフリーショップ(DFS)の1階「Tギャラリー」を借り受けて臨時カジノを開設、従業員300人、10台の賭博用テーブル、48台のスロットマシンの規模で営業開始したところ、1日当たり5,700~5,800人の客が集まり、11月28日にはテーブルを45台に増やすことになったという。本格的なカジノリゾートは25年間の許可契約で、テーブル300台、スロットマシン500台の規模で2016年末までに開業する予定。

 11.米国の通信社「ブルームバーグ」は10月17日、米国ウィンリゾーツ社の元役員で、ユニバーサルエンタテインメントのCEOである岡田和生会長が、裁判所の尋問を受けるため米国ネバダ州に10日間滞在するよう、ネバダ州の最高裁判所が命じたと伝えた。これは12年2月、ウィンリゾーツ社の約20%の株式を持っていたユニバーサルの岡田氏を「株主として不適当」と判断、持っていた株式を時価に比べ8億ドルほど安く、また長期の約束手形で強制的に買戻したところから、訴訟になっているもの。ネバダ州の地裁はラスベガスでの証人尋問を命じたが、岡田氏が回避し続けたため、最高裁が判断することになり、命令を下した。ウィンリゾーツ社は、ユニバーサルがフィリピンでのカジノ開設に便宜を図るための贈賄に、米国子会社のアルゼUSA社を使ったため、ウィンリゾーツ社の経営陣から追放した、と主張してきた。今回の決定に、米国司法省も重大な関心を持っているとのこと。




 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2015