2015年8月15日号 Last updated on August 1, 2015
特報
 「CEDEC2015」特別賞に、西角友宏氏、岩谷徹氏を選出。

 カプコンの4-6月期、遊技機「バイオハザード6」がヒット。

海外
 来春開園の「上海ディズニーランド」に最新のアトラクション。

 米国エキシディ社のピート・カウフマン氏が死去。

国内
 バンナムとセガ社、秋冬向けの新作展開く。

 SKジャパン3-5月期、大幅減収で赤字。


2015年8月15日号のニュースダイジェスト
 写真上はバンダイナムコエンターテインメントの新作展で、「機動戦士ガンダムU.C.カードビルダー」を試しているようす。下はセガ・インタラクティブの新作展(大阪会場)で、「艦これアーケード」を試しているようす。


30年前の主なニュース

 AMショーの出展申し込み、前年比22%減の47社に。都道府県のオペレーター協会の「連合会」の設立準備、難航続く。タイトーから、VDゲーム「宇宙戦艦ヤマト」が発売された。(1985年8月15日号)

40年前の主なニュース

 第13回AMショー(10月8-10日、東京・晴海)に、48社が出展を申し込んだ。遊園施設の展示に屋外を活用することも計画。中村製作所が本社ビルを取得し、旧本社は開発関係の中央研究所に。(1975年8月15日号)



【ニユースダイジェスト】


 1.セガ・インタラクティブは7月24日、東京で(28日大阪、30日福岡で)新作展を開催、オールネット/Pラスタイプの「艦これアーケード」(今秋発売予定)、「マリオ&ソニックATリオオリンピックアーケードエディション」(16年2月)などを披露した。うち「リオオリンピック」は任天堂とタイアップした、8種類のオリンピック競技大会を大型レバー2本と、足元のフットパネルを使って、キャラクターとともに楽しむもの。4PセットOP価格359万円。課金なし。「艦これアーケード」はPラスプラン4Pセットが411.2万円で課金30円~など。プッシャータイプのメダルゲーム機「バベルのメダルタワー」はジャックポットとなる、最大1,000枚、高さ30cmのタワーを特徴とするもの。本体、電子セレクター、Aimeキットの4人用セット価格538万円。「UFOボウル」は4Pドーム型小型クレーン機で、OP価格約80万円。

 .バンダイナムコエンターテインメントは7月21-22日、東京本社で新作展を開催、「機動戦士ガンダムU.C.カードビルダー」など披露した。これは「0079」、「0083」に続く、ガンダムカードビルダーシリーズの完全新作で、全面的に再構築したもの。上下の2画面方式で、カードは下側の画面上で使用する。「キャラクター」と「メカニック」の2種類のカードを駆使して戦うシステムとなっており、何十もの種類は、追加され増加していく。ゲームは全国ネットワーク対戦とCPU戦のいずれも店舗側で選択できる。サテライト4台とターミナルのセットで、OP価格は968万円。2セット以上は2月発売。このほか、10円硬貨が使えて多様な料金設定ができる、プライズ機の「クレナ2K」も披露された。今冬発売予定で、OP価格は98万円。「湾岸ミッドナイトマキシマムチューン5DX」(今冬予定)は、タイトルのみの紹介で価格未定。

 .東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド(OLC)は7月30日、第1・四半期(4-6月)決算を発表、売上高は1%減の1,032億9千4百万円、経常利益が8%減の232億6千6百万円、純利益が9%減の155億3千6百万円と減収減益だった。部門別ではテーマパークの売上高が2%減の847億6百万円、営業利益が12%減の193億2千百万円、ホテルの売上高が2%増の142億3千6百万円、営業利益が14%増の28億9千6百万円、その他の売上高が4%増の43億6千百万円、営業利益が4%減の3億3千9百万円だった。4月の悪天候と、昨年開始した「ワンス・アポン・ア・タイム」が2年目に入ったことにより、入園者が前年を下回り、減収減益になったが、チケット価格改定により1人当たり売上高は上回った。営業利益はほぼ予想通りだったとしている。

 .任天堂は7月29日、第1・四半期(4-6月)決算を発表、売上高は前年同期比21%増の902億2千3百万円、経常利益は142億8千6百万円(99億6千4百万円の赤字)、純利益は82億8千4百万円(99億2千4百万円の赤字)と、増収で2年ぶりに黒字回復した。「3DS」の本体は101万台(82万台)、ゲームソフトは792万本(857万本)販売、「Wii U」の本体は47万台(51万台)、ソフトは455万本(439万本)販売しており、期待されていたより低調だった。だが、これらゲームソフトに連動するキャラクター型フィギュアの新商品「アミーボ」が非常に好調に推移しており、今後もラインアップを拡充していく。海外売上高は650億円で、海外売上高比率は72%もあり、外国為替による差益が108億円発生した。なおスマートフォンなどスマホ用ゲームアプリは年内に配信を開始する予定となっている。

 .カプコンは7月30日、第1・四半期(4-6月)決算を発表、売上高は52%増の145億4千百万円、経常利益は75%増の21億3千5百万円、純利益は105%増の15億6千9百万円と、大幅な増収増益だった。部門別で家庭用などデジタルコンテンツの売上高は14%増の62億9千4百万円、営業利益は2%減の11億7百万円、パチスロ部品など機器販売の売上高は303%増の60億4千2百万円、営業利益は182%増の17億7千2百万円、ゲーム場は1店減の32店で、売上高は12%減の19億3千2百万円、営業利益は84%減の3千5百万円、その他の売上高は26%減の2億7千2百万円、営業利益は72%減の5千万円。デジタルコンテンツが増収減益だったが、「バイオハザード6」の遊技機部品で大幅に伸ばしたほか、業務用「ルイージ・マンション・アーケード」を発売した。

 .エスケイジャパンは7月14日、第1・四半期(3-5月)決算を発表、売上高は39%減の11億3千5百万円、経常損失は3千8百万円(前年は千7百万円の利益)、純損失は4千2百万円(千9百万円の利益)と大幅減収で赤字となった。キャラクターエンタテインメント事業の売上高は、アミューズメント部門が46%減の5億2千9百万円、セールスプロモーション部門が48%減の1億千万円で、合わせると46%減の6億3千9百万円で、営業損失は2千6百万円(2百万円の利益)。キャラクター・ファンシー事業の売上高は26%減の4億9千6百万円、営業損失は2千万円(3百万円の利益)だった。同社は4月21日に旧東京営業所の土地建物など固定資産の売却方針を決定、6月12日に売却しており、売却益約6千百万円を第2・四半期(6-8月)に計上する予定。

 .コンピューターエンターテインメント開発者向けカンファレンス「CEDEC」(セデック)の運営員会は7月17日、関連技術や開発者を表彰する「CEDECアワーズ2015」の特別賞に、業務用「スペースインベーダー」(78年)の開発者、西角友宏氏(元タイトー)と、「パックマン」(80年)開発者の岩谷徹氏(元ナムコ、現東京工芸大学教授)を選んだと発表した。特別賞選定作品について同委員会は、「(これらの作品は)アーケードゲームの黎明期において当時社会現象といえる一大ブームを起こした。その人気ぶりは世界中に広がり、今なおプレイされ続けているだけでなく、映画やアニメなどのモチーフにも使われるなど、幅広い世代に愛されており、まさに今日に続くゲーム業界の礎を築いた」、と説明している。また最優秀賞にノミネートされた「優秀賞」の5部門25組も明らかとなり、うちエンジニアリング部門でセガ社の「え~でるすなば」開発チームが選ばれた。授賞式と最優秀の発表・授賞式は8月27日の予定。

 .米国ウォルトディズニー社のボブ・アイガー会長兼CEOは7月15日、中国・上海のエキスポセンターで記者発表し、16年春上海の国際観光リゾート区域にオープンする、中国本土初の「上海ディズニーリゾート」は特に中国の客(ゲスト)のため、斬新なアトラクションとエンタテインメントで満たされる、と語った。リゾート全体は、上海ディズニーランド、「上海ディズニーランドホテル」、「トイストーリーホテル」、商業施設の「ディズニータウン」、庭園の「ウィッシングスターパーク」から成る。上海ディズニーランドの6つのテーマランドには、メインエントリー「ミッキーアベニュー」、初の海賊船テーマの「トレジャーコーブ」などがあり、トゥモローランドにはスリルに満ちたアトラクション、「トロン・ライトサイクル・パワーラン」まである。またディズニーランド中央にある城はこれまでで最大となり、パレードも最長になる予定だ。

 .マカオのコタイ地区で建設が進められている、映画をテーマにした統合型リゾート(IR)「スタジオシティ」に、世界初の「8の字型」観覧車「ゴールデンアイ」が姿を現した、と話題になっている。カジノ運営で知られるメルコ・クラウン・エンターテインメント社が今年後半の開業を目指して進めているもので、客が乗るカプセルもすでに取り付けられ、試験運転が行なわれている。メルコ社によると、客室が1,600ある2棟のホテルの中間、高さ130mに二つの円が交わる形で、コースが設定された観覧車で、定員10名のカプセル17個がそれぞれ、15分かけて一周する。乗り場はホテル棟の23階。この観覧車(と言っても観覧できる光景は限られているが)を設計、施工したのはインタミン・アミューズメント・ライド・インターナショナル社で、今秋にも完成する予定。「スタジオシティ」ではこのほか、「バットマン・ダーク・フライト」などのアトラクションも同時に建設中とされている。

 10.北マリアナ諸島連邦(CNMI)のテニアン島でほぼ独占的にカジノを運営してきた、テニアン・ダイナスティ・ホテル&カジノに対し、米国連邦政府の司法省は304万ドルを没収することで、同ホテルも同意した。7月23日までに政府側が発表したが、ホテル側はコメントを出していない。米国の自治連邦区(コモンウェルス)であるCNMIでは米国連邦の法令が適用されており、カジノ客が1日1万ドル以上の現金取引をした場合、カジノは当局に報告しなければならないが、2009年から13年までの期間、意図的に報告していないとして、米国財務省金融犯罪取締り局(FinCEN)が「悪質でとんでもない」マネーロンダリングの容疑で調べを進め、6月3日に7千5百万ドルの制裁金を課していた。テニアン・ダイナスティは香港の上場会社の北マリアナ諸島における子会社が運営しており、近年マカオにおけるカジノ市場が異常に拡大して、そのため中国からの不正な資金が一部マカオから北マリアナ諸島に流れている、と見られている。

 11.英国で「キーマスター」(キーキャッチャー)や「バーバーカット」などの景品提供ゲーム機は、これまで「D類」の「スキル・ウィズ・プライズ」(SWP)に分類されてきたが、来年1月1日からクレーンゲーム機と同じ「D類略式」に再分類し、これまで賭金(遊戯料金と見なさない点に注意を払う必要がある)は30ペンス以下、賞品は8ポンド未満に規制されてきたのを、賭金1ポンド以下、賞品50ポンド未満へと制限が引き上げられる見込みとなった。英国のゲーミング法(最終改正2005年)の下で、遊技機営業などを規制する公的機関、「ギャンブリング・コミッション」(賭博委員会)が7月初め、遊技機業者団体のBACTAに通知してきた。BACTAは8月末までに返答する予定。英国では「C類」の「アミューズメント・ウィズ・プライズ」(AWP機、実質は現金を払い出す、賭金と賞金の制限付きスロットマシン)が市場の圧倒的部分を占めている。

 12.スマートフォン向けのゲーム「パズル&ドラゴンズ」(パズドラ)のデータを改ざんする不正プログラム「チートツール」(チートソフトとも言う)を販売などしたとして、神奈川県警サイバー犯罪対策課と加賀町署は6月30日、さいたま市緑区の会社経営、柴田大容疑者(39歳)を著作権法違反(技術的保護手段を回避するプログラムの複製物譲渡)の疑いで逮捕した。横浜区険は7月10日、同容疑者を同容疑で略式起訴し、横浜簡裁は同日、罰金50万円の略式命令を出した。起訴状などによると、会社役員は昨年11月、自宅のパソコンを使って「パズドラ」を自分に有利に進めることができるようにするチートツールを作成し、ネットオークションに複製物を出品。12月、落札者2人にメールで送信し、譲渡したもの。「パズドラ」メーカーのガンホー・オンライン・エンターテイメントは6月30日、この事件の摘発時に、「引き続き不正行為の取締りに積極的に取り組む」と発表している。

 13.米国エキシディ社の創業社長だった、ピート・カウフマン氏が7月3日、死去した(死因、年齢などは明らかにされていない)。「クリーンスウィーブ」(74年)を開発したラムテック社から独立し、1973年6月に設立された新興のTVゲームメーカーで、アタリ社に対抗して次々と新ゲームを開発した。主なものに「デスレース」(76年)、「カーポロ」(77年)、「ロボットボウル」(同)、「サーカス」(78年)、「スターファイアー」(同)、「クロスボウ」(83年)、「トップシークレット」(86年)などがあり、当時の業務用TVゲーム市場で各社の開発意欲を大いに刺激した。78年には家庭用コンピューターシステム「ソーセラー」を発売したこともあるが、90年以降は業界から姿を消していた。古いTVゲームをパソコンで再現する「MAME」(マルチプル・アーケード・マシン・エミュレーター)を通して非商業的に利用することを、メーカーとして承認したことでも知られている。




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