2015年7月15日号 Last updated on July 1, 2015
特報
 風俗営業の構成変える、改正風営法が成立、公布。

 丸亀の「ニューレオマワールド」のコースターで骨折事故。

海外
 ディズニーランドは「自撮り棒」持ち込み禁止。

 テキサス州の賭博機対策に業者団体も協力。

国内
 ユニバーサル役員に対し、投資家から株主代表訴訟。

 ザ・サードプラネット、負債60億円で民事再生申請。


2015年7月15日号のニュースダイジェスト
 写真は台湾のGTI台北2015で、上はアジアアミューズメント(錏州娯楽機械)のキディライド、下はゼロプラステクノロジー(孕龍科技)が展示した、大きさの異なるブロックを受け止めるTVゲーム「パイリング・アップ」。


30年前の主なニュース

 参議院文教委員会で審理中のプログラム著作権法案について、JAMMAの中村雅哉会長が参考人意見陳述した。東京地裁は、ナムコ「ポールポジション」の無断コピー品に対する仮差押えを執行した。セガ社はバイクゲーム機「ハングオン」を出荷した。(1985年7月15日号)

40年前の主なニュース

 エース電研グループの10周年謝恩展示会で、藤商事はチャレンジボール、雀球などを出品した。シグマは「ゲームファンタジア」ミラノ店でビンゴ専用のフロアを設けた。本紙発行所が独立、「アミューズメント通信社」として発足した。(1975年7月1日号)



【ニユースダイジェスト】


 1.これまでの風俗営業の種別構成を大きく変える「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部改正する法律」(改正風俗営業法)が6月17日に参議院で、原案どおり可決成立した(3月3日に衆議院に政府案として提出、5月29日に可決された)。これにより風俗営業の区分別取扱いが大きく変化する予定。大きく変わるのは現行法の風俗営業のうち3号営業(ダンスホール等)を含め、「ダンス」を要件とする飲食営業が風俗営業から外れることになった。店内照度が10ルクス(映画館の上映前後の明るさ)以下の飲食店は従来からある「低照度飲食店」として風俗営業に残す。低照度でなく、酒類提供をする「特定遊興飲食店営業」は風俗営業と同じく許可制とするが、深夜営業ができる。その結果、現行法の1~5号の風営飲食店は客に接待、遊興させる新1号営業と、低照度の新2号営業だけになり、(個室喫茶など)6号の区画席飲食店は新3号営業に、パチンコ屋など7号は新4号に、ゲームセンター等の8号は新5号にそれぞれ風俗営業の号数が変わることになる。

 .【改正風俗営業法関係の続き】改正風俗営業法は6月24日に公布され、一部を除いてこの日から1年以内の政令で定める日から施行されることになり、また改正風俗営業法の施行政令(施行令)と施行規則(国家公安委員会規則)なども同日公布され、いずれもこの日から施行された。これらに伴い警察庁は同日、改正後の風俗営業法に伴う2つの通達と、法律の解釈運営基準(行政解釈)を出すともに公表した。これは改正風俗営業法の附則第1条の定めるところにより、「ダンスホール等営業の規制対象からの除外に係る規定」が、この日から施行されるため。これについては特に「ダンスホールその他設備を設けて客にダンスをさせる営業」が、「風俗上の問題を生じているとの実態はほとんどなく、当該営業に対する法の規制を撤廃しても特段の支障は生じないと考えられることから、法の規制の対象から除外することにした」と説明している。

 .【改正風俗営業法関係の続き】「ゲームセンター等」の旧8号=新5号の風俗営業では、風俗営業を営む者は、18歳未満の者を営業所に客として立ち入らせことが原則的に禁じられており、都道府県が条例で18歳未満の者の年齢と、立ち入りを制限する時刻を定めた場合、その年齢および時刻まで入場を認めるが、反対にその時間以後は入場禁止となっていたのを、保護者同伴の場合認めることができるようにするもので、いわば例外の例外を定めたことになる。それでも、「ゲームセンター等」を風俗営業として規制することになった、1984年の大改正以来の「8号営業」に関する改正となる。今回の「改正風俗営業法」では、都道府県の条例でこれらに、「保護者の同伴を求めなければならないものとすることその他必要な制限を定めることができる」という条文を加えており、都道府県がこの旨で施行条例を改正するなどして初めて、その都道府県で、例えば「保護者の同伴」がある場合だけ、客としての立ち入りが禁じられないことになる。

 .米国テキサス州で「エイトライン」などの違法TVゲーミング機が横行している問題について、ゲーミング機の製造・販売・運営に携わる全米及び国際業者団体が、取り締まりに協力することになった。名乗りを上げたのは、40州にまたがるオペレーター団体、「アメリカン・ゲーミング・アソシエーション」(AGA)と製造販売業者の国際団体「アソシエーション・オブ・ゲーミング・エクイップメント・マニュファクチュアラーズ」(AGEM)。テキサス州でTVスロットマシンなど、ゲーミング機10-15万台が違法営業に使用されており、これら違法営業との戦いを進める州議会並びに州政府に協力する、と6月3日に共同発表した。同州内の「スウィープステークスカフェ」と称する賭博営業店舗が主な対象となるが、スポーツ賭博、オンライン賭博、インターネット賭博などにも対象を広げるとのこと。AGAによると、40州にあるカジノ産業は2,400億ドル規模で、千百万人分の雇用を支えており、違法賭博によりこれらの産業が脅かされる、とのこと。

 .米国フロリダ州オーランドにある「ウォルトディズニー・ワールド」(WDW)は6月26日、そのテーマパークでの「自撮り棒」(自分撮りスティック。英語で「セルフィー・スティック」という)の使用を禁止することにしたと発表した。地元の「オーランドセンティネル」などが伝えた。ディズニー社では、乗物アトラクションに乗る際など、自撮り棒の使用を自粛するよう求めてきたが、西海岸にある「ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー」で、乗客が自撮り棒を取り出し、そのため1時間も運転を止める騒ぎが起こったため、持ち込み禁止を決めたもの。米国の東西にあるディズニーのテーマパークで6月30日から、パリと香港では7月1日から、自撮り棒の園内持ち込みが禁止され、発見されるとホテルなどどこかに預けなければ入場できなくなる。なお東京ディズニーリゾートも使用を禁止している。米国のユニバーサルスタジオ社はアトラクションでの使用を禁止、シーワールドも持ち込みを禁止している。

 .遊園地「ニューレオマワールド」(香川県丸亀市)のミニコースターで6月13日午前11時過ぎに、客が骨折する事故が起こった。丸亀署や運営会社のレオマユニティーによると、事故が起こったのは「レディーバードコースター」というアトラクションで、テントウムシの形をした2人乗りの車両が約280mのコースを最高時速35㎞で上下左右に1分間走行するもので、急カーブが多いのが特長。松山市のパート従業員の女性(42歳)が1人で乗車、安全バーを装着していたが、降車直後に痛みを訴え、病院で左肋骨骨折と診断された。同様の事故は5月18にも起こっており、1人で乗車した小学1年の女児が左鎖骨を骨折している。14日以降は運転を中止している。「ニューレオマワールド」は、1991年4月開園の「旧レオマワールド」が2000年8月に休園、03年に民事再生法適用を申請、04年に現遊園地名として再開した(2010年に運営会社が大江戸温泉物語に買い取られた)。事故を起こしたミニコースターは91年の開園当時からある。

 .ユニバーサルエンターテインメントは6月15日、個人投資家である一株主から、同社の取締役4名、元取締役6名、元執行役3名の計13名に対し、損害賠償を求める株主代表訴訟を東京地裁に起こされた、と発表。同25日には、同社が補助参加することを決めたことを明らかにした。同社は株主代表訴訟が提起された日付を明らかにしていないが、「ファイナンシャルニュース」(SFN)によると、4月27日に提訴されており、7月3日に第1回口頭弁論が開かれる予定。提訴理由として、同社が間接的に所有していた米国ウィンリゾーツ社の持株を強制的に償還されたのは、被告らに法令順守義務違反があったため、など7項目を挙げており、4,215億円の損害賠償を役員らに求めている。またSFNによると、同社がトムソン・ロイター通信社を相手に訴えていた名誉棄損訴訟は昨年の8月1日、東京地裁がユニバーサルの訴えを退ける判決を言い渡した、とされている。

 .パチンコ店大手のひとつ「ダイナム」の親会社、ダイナムジャパンホールディングス(本社東京、佐藤公平取締役会議長兼代表執行役)は6月23日、リゾーツ開発事業に本格的に参入することを決めたと発表した。48年間もパチンコ施設経営に携わり、培われた接客経験と、1989年以来200~300人の大卒者を採用してきており優秀な人材を確保していること、12年8月の香港市場への株式上場で財務体質が一段と安定していることなどを理由に、リゾート事業参入を決めたもの。手始めに、山口県下関市豊浦町大字湧田後地にある元リゾート施設の「マリンピア黒井」(現マリンピア豊浦研修所)を起点に、7月1日から開発を開始、15年度中にリゾート開発基本計画を立案、16年度の予算化を目指すとしている。日本でのカジノを含む統合型リソート(IR)の開発について同社は、関連法の整備を前提に積極的に取り組む姿勢で、具体的に進めていくものとみられる。

 .㈱ザ・サードプラネット(静岡市駿河区中田、長野和史社長)が6月29日、民事再生法の適用を申請、東京地裁は7月6日に手続き開始決定を出した。負債総額は60億円、うち金融債務は45億円。83年8月に静岡県榛原郡相町(現・牧之原市)で創業、05年3月に法人成りしたゲーム場オペレーター会社の長野興産(長野一郎社長)を基に、会社分割により05年3月に設立、事業を継承したオペレーター会社。97年静岡市に本社ビルを完成、98年に「ザ・サードプラネット」の商標登録を申請、04年に東京の六本木ヒルズに「東京本社」を開設、07年に横浜市都筑区に移転し、直営店18店とフランチャイズ店5店を展開していた。07年3月期は99億千2百万円の売上高を計上したが、14年3月期の売上高は52億8千4百万円まで減少していた。これまで展開した店舗は地元の長野、静岡、神奈川から、東北、関東、近畿、中国、九州に及んでいる。市場縮小に加え、不採算店の増加などにより、資金繰りが悪化したとのこと。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2015