2015年7月1日号 Last updated on June 15, 2015
特報
 米国博物館で最初のビデオゲーム6タイトルが殿堂入りした。

 チームプレイ社リデムプションゲーム機をAM機として認定。

海外
 ラスベガスでゲンティング社のカジノホテル着工。

 テニアン島のカジノ、米国法令違反で制裁金を課される。

国内
 セガサミーで初のカジノ用機器「SBJ」がマカオに。

 バンナムグループは「パックマン」35周年を内外で祝った。


2015年7月1日号のニュースダイジェスト
 ナムコUSA社の「レベル257」で写真上は(左から)「パックマン」開発者の岩谷徹氏、最高得点保持者のビリー・ミッチェル氏、公式記録店ギャラクシーツィンのウォルター・デイ氏。下は夕暮れ時の外観。


30年前の主なニュース

 新風営法により新たに風俗営業となったゲーム場は5月12日現在、全国で25,552ヵ所だった。JAMMA理事会は「賭博機の基準」を改正した。ナムコは設立30周年を迎え、記念レセプションを開催した。セガ社は「ユーフォ―キャッチャー」を発売した。(1985年7月1日号)

40年前の主なニュース

 米国コングロマリット、G+W社の子会社である米国セガ社は、ロサンゼルスに製造販売拠点を設け、日本のセガ社と国際展開を図ることになった。旅館ホテル近代化設備展にさとみが出展、クレーン機など紹介した。TVゲーム機製造のパッション貿易が倒産した。(1975年7月1日号)



【ニユースダイジェスト】


 1.玩具など「遊び」に関する博物館として知られる米国の「ストロング国立博物館」(ニューヨーク、マンハッタンスクウェア)は、玩具の「栄誉の殿堂」(98年から)で有名だが、今年から「世界ビデオゲーム栄誉の殿堂」を発足させており、最初の殿堂入りを果たした6ゲームを6月4日に発表した。15のノミネート作品から選ばれたもので、アタリ社「ポン」(1972年)、ナムコ「パックマン」(80年)、旧ソ連科学アカデミーと任天堂「テトリス」(84年)、任天堂「スーパーマリオブラザーズ」(85年)、idソフトウェア社「ドゥーム」(93年)、ブリザード・エンタテインメント社「ワールド・オブ・ウォークラフト」(04年)。5-6作目はパソコン用でそれぞれ古典的なFPSゲーム、参加者の多いオンライン戦闘ゲーム。ここでビデオゲームの範囲は業務用から、家庭用、PC用と幅広く、その中から長年にわたる影響力や人気の強さなどを評価して選定したとのこと。今後、毎年増やして行く予定で、16年度のノミネートは16年3月末に締め切られる。

 .バンダイナムコエンターテインメントは5月22日、「パックマン」生誕35周年記念企画を国内外で繰り広げた。1980年のこの日当時のナムコが渋谷で「パックマン」のロケテストを開始したところから、初めてデビュー、誕生したことになる。それから7年間で293,822台も販売され、「世界で最も成功した業務用TVゲーム機」としてギネスの世界記録に認定された。今年8月19日に公開される映画「ピクセル」に登場することから、総勢300人を動員して東京タワーに「最多人数で作ったパックマンのイメージ」を出現させたほか、全国5大都市で「50名のパックマン隊」が登場し、ビジョンをジャックした。米国シカゴ郊外の大型SCでは、ナムコUSA社が運営するFEC「レベル257」(パックマンの最終画面は256面なので、「次のレベルのパックマン」を意味する)が3月にオープンしており、5月22日に開発者の岩谷徹氏を含め関係者が招かれ、「パックマン・バースデーパーティー」が開かれた。

 .米国チームプレイ社(本社シカゴ郊外)のTVリデムプションゲーム機「フィッシュボウル・フレンジィ」がワシントン州の賭博監督委員会に5月、純然たるアミューズメントゲーム機だと認められ、話題を集めている。「フィッシュボウル・フレンジィ」は65インチの透過型液晶画面をプレイフィールドに、一定タイム上方から絶え間なく落ちるボールの位置のタイミングを決めるゲームで、盤面の中央と下部に金魚が泳いでいる入賞穴があり、そこに入るとリデムプションチケットを獲得できるというもの。昨年11月のIAAPAエキスポ2014で披露され、IAAPAの賞を受賞し、今年に入って「D&B」などのチェーン店やFECに導入され、人気を集めている。4月にニュージャージー州の委員会によって承認されていた。シアトルのあるワシントン州では当初、ゲーミング機ではないのかと見られていたが、調査・分析したところ、プレイヤーのスキル(技量)によって結果が左右されることが認められ、ゲーミング機でないと判定された。

 .セガサミーホールディングスの子会社で、カジノ向けゲーミング機の開発、マーケティングを担当するセガサミークリエイション(本社豊島区東池袋3丁目、小口久雄社長)は6月2日、同グループでは初のカジノ向けゲーミング機「シックボー(大小)・ボーナス・ジャックポット」(SBJ)をマカオにある大型カジノ「ザ・ベネシアン・マカオ」に設置したと発表した。同社は13年6月の設立以来カジノ用ゲーミング機の開発を進め、「SBJ」を製品化、ゲーミング機の国際認証機関であるBMMから14年5月に認可を得て、14年5月開催の「G2Eマカオ」などに出展してきた。マカオでは政府の監督機関DICJから今年5月にカジノ使用の承認を得て、5月29日からベネシアンでの運用を開始した。「大小」遊技はマカオで伝統的なカジノ遊技で、それを機械化した「SBJ」は全長4m以上と大型で、端末機を増やしていくと、最大100人が同時に賭金をBET(ベット=賭けること)ができるのが特徴。

 .米国ラスベガスにまた一つ大型カジノホテルの建設が開始された。建築主はシンガポールに拠点を持つ複合リゾート(IT)大手のゲンティング社グループで、建設地は大通り(ストリップ)の北側、「スターダスト」カジノホテルの跡地。スターダストリゾートは07年3月に解体され、「オーリンズ」ホテルなどを持つボイドゲーミング社が、「エシュロン」の建設を開始したが、08年8月に工事が止まってとん挫、その跡地をゲンティング社が13年3月に3億5千万ドルで購入、新たなリゾートホテルの建設を発表し、このほどやっと本格的に着工したもの。建築されるのは中国をテーマとする「リゾート・ワールド・ラスベガス」で、第1期工事で6,583室設けられ、カジノフロア16,300㎡にゲーミング機器が約3,500台設置され、劇場とレストラン、商業施設も建設される。建築費用は3億5千万ドルの予定。基礎工事は14年に始まっており、開業予定は早くて16年だが、本当のところいつになるか注目される。

 .北マリアナ諸島連邦(CNMI)のテニアン島には1998年に開業したテニアン・ダイナスティ・ホテル&カジノがあるが、CNMIは米国の自治連邦区(コモンウェルス)であり、米国政府は6月3日、マネーロンダリング対策規則に違反したとして同ホテルとオーナー会社の「香港エンタテインメント・インベスト社」に対し、7千5百万ドルの制裁金を課した。制裁金の金額は過去3番目の大きさで、カジノ運営の許可も取り消される可能性があるが、まだそこまではいっていない。カジノ自体は40台以上のテーブルと260台のスロットマシンを持つ程度。米国の銀行秘密法によれば、カジノ客の取引が1日1万ドルを超えると当局に報告する義務があるが、このカジノホテルは2008年以来、意図的に報告しなかったとして、米国財務省金融犯罪取締り局(FinCEN)が取り調べを進めていた。テニアン島はサイパン島のすぐ南にある島で、ここのカジノはサイパン島のカジノ開発とは別扱いとなっている。




 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2015