2014年12月1日号 Last updated on November 15, 2014
特報
 ダンス営業を外すための「改正風俗営業法案」は国会審議待ちに。

 JAEPO15は、さらに出展規模を縮小する見通しに。
海外
 米国ミッドウェー社のマロフスキー元社長(77歳)が死去。

 米国ウォルトディズニー社、絶好調の9月決算。
国内

 バンナム、コナミなど9月中間決算は好調。

 ラウンドワンのゲーム場売上高8%増、アドアーズは景品とで12%減。


2014年12月1日号のニュースダイジェスト
写真はバンダイナムコゲームスの新作展(大阪会場)で、上は2月出荷予定の「鉄拳7」、下は3月出荷予定の「タイムクライシス5」を試しているようす。


20年前の主なニュース

 カプコン対データイースト著作権訴訟、侵害認定は困難と日米両国で取り下げ、和解した。和歌山の「ポルトヨーロッパ」営業再開。ソニーは「PS」を39,800円で12月発売と発表。ナムコはヤオハンと提携、中国進出を加速。ジャレコ、テクモが通期予想を大幅に下方修正。(1994年12月1日号)

30年前の主なニュース

 米国AGMAがAVMDAを吸収し、AAMAになった。都道府県による風営法施行条例改正進む。オペレーターの都道府県協会設立進み、「全国連合会」が課題に。テーカンが「ポーカー」などTVメダルゲームの新作展開く。宝化学が2回目の不渡り出して倒産。(1984年12月1日号)



【ニユースダイジェスト】

 .政府は10月24日、主に「客にダンスをさせる営業」の規制を緩和する「改正風俗営業法案」を閣議決定し、衆議院に提出したが、この法案ではこれまで「8号営業」として規制されてきた「ゲームセンター等」も影響を受けることが分かった。同法案は現在提出されているだけで、審議に入っておらず、廃案になる可能性もある。法案では、法第2条第1項「風俗営業の定義」で「ダンスホール」と「ダンスをさせる営業」を削除するのに伴い、旧1-6号営業を新1-3号営業とし、旧7号遊技場を新4号、旧8号ゲームセンター等を新5号営業と整理する。法第22条「禁止行為」の第4号「年少者の立ち入り」について、新5号営業は午後10時から午前6時まで入場禁止だが、都道府県の条例で必要に応じ、「午前6時以後午後10時以前の時間において」の入場禁止と「保護者の同伴を求め」ることが可能になる。旧5号(低照度飲食店)と旧6号(区画席飲食店)を温存する理由は不明。法案の附則で、旧4号営業「ダンスホール」が規制から外される部分が公布と同時に施行され、それ以外は公布から1年以内に施行されることになっている。

 .ジャパンアミューズメントエキスポ(JAEPO)2015(2月13-14日、幕張メッセ)には実質35社が590小間に出展することが分かった。会場も前回の2.5ホールから2ホールに縮小する。伝統的なアミューズメントマシン(AM)ショーとAOUエキスポを統合した、2回目のJAEPO2014は41社、638小間だったので、出展社数で15%、小間数で8%減少することになり、統合後もいぜん減少傾向が続いている(同資本の合同出展や、「プライズフェア」にも出展している場合は1社と数える)。主な出展小間数は「プライズフェア」143(前回142)、バンダイナムコゲームス120(130)、セガ社110(120)、コナミデジタル50(72)、スクウェア・エニックス/タイトー40(50)、ユウアイ販売/ユンカース18(24)、フリュー12(12)、アドアーズ/ブレイク10(10)、北日本通信工業10(6)など。前回まで出展したエスケイジャパン(10)、ホープ(6)は今回出展せず、乗物機の「ファミリーゾーン」はなくなった。海外分は世宇科技(UNIS)など中国から3社13小間出展する予定。

 .日本が開発したTVゲームのアップライト型許諾品の製造で業績を驚くほど伸ばした、米国ミッドウェー・マニュファクチュアリング社の元社長、デビッド・マロフスキー氏(77歳)が14年間にわたる膵臓がんとの闘いを終え11月2日、シカゴ郊外の自宅で死去した。葬儀は6日に葬儀場で行われた。業界歴は50年以上とされている。1958年設立のミッドウェー社は69年にバリー社の子会社となるが、マロフスキー氏は60年ごろ製造部門に入社、80年2月に副社長から社長に昇格した。85年にミッドウェー社を退社、業務用TVゲーム機のキャビネットを専業とする、グランドプロダクツ社を設立しており、これは息子のデビッド・マロフスキー・ジュニア社長が継承している。ミッドウェー社はタイトーから許諾を得て「スペースインベーダー」(78年)を4万台製造、ナムコから許諾を受けて「ギャラクシアン」(80年)を4万5千台製造、さらに「パックマン」(80年)を10万台、「ミズ・パックマン」(82年)を11万5千台製造して、業務用TVゲーム機の製造記録を残した。

 . 米国のウォルトディズニー社(ロバート・アイガー会長兼CEO)は11月6日、第4・四半期(7-9月)決算を発表、売上高は7%増の123億8千9百万ドル、純利益は8%増の14億9千9百万ドルと好調だった。その結果、通期(13年10月-14年9月)決算は売上高が8%増の488億千3百万ドル、営業利益が21%増の130億5百万ドル、純利益が22%増の75億百万ドルと過去最高を記録することになった。通期の部門別ではメディアネットワーク(ケーブルテレビ)の売上高が4%増の211億ドル、営業利益が7%増の73億ドル、パークス&リゾーツの売上高が7%増の150億ドル、営業利益が20%増の26億ドル、スタジオ・エンタテインメント(映画)の売上高が22%増の72億ドル、営業利益が135%増の15億ドル、消費者向け製品の売上高が12%増の39億ドル、営業利益が22%増の13億ドルなど。映画「アナと雪の女王」が世界的なヒットとなり、映画館収入だけでなく、関連グッズの販売なども伸ばしたため。

 .バンダイナムコHDは11月6日、9月中間決算(第2・四半期までの6ヵ月、4-9月期)を発表、売上高は14%増の2,593億3千3百万円、経常利益は17%増の333億8千9百万円、中間利益は9%増の212億7千2百万円と増収増益だった。部門別でトイホビーの売上高は32%増の1,063億円、営業利益は79%増の97億円、コンテンツ(TVゲーム)の売上高は6%増の1,304億円、営業利益は2%増の221億円、ゲーム場の売上高は4%減の279億円、営業損失は1億円(前年同期も同)、その他の売上高は5%増の134億円、営業利益は7%増の9億円だった。コンテンツのうち業務用の売上高は国内293億円と海外3億円の計323億円。直営ゲーム場は国内が5増13減の203店、海外が3減の33店で計236店。国内トイホビーなどが伸ばしたため、15年3月期の業績予想を売上高5,200億円(8月の前回予想では5,000億円)、経常利益520億円(450億円)、最終利益300億円(280億円)と上方修正した。

 .コナミは11月6日、9月中間決算(第2・四半期までの6ヵ月、4-9月期、米国基準)を発表、売上高は1%増の987億千9百万円、営業利益は55%増の58億5千8百万円、株主帰属の中間利益は63%増の32億7千6百万円と増収で大幅増益だった。部門別でデジタルエンタテインメント(家庭用と業務用)の売上高は1%減の439億円(以下で1億円未満は切り捨て)、営業利益は68%増の62億円、健康サービスの売上高は4%減の369億円、営業利益は60%減の3億円、カジノ機器の売上高は0.1%増の136億円、営業利益は34%減の20億円、遊技機の売上高は3倍の44億円、営業損失は6億円(前年同期は11億円)だった。コナミはまた米国ニューヨーク証券取引所(NYSE)における米国預託証券(ADR)上場廃止と米国証券取引委員会(SEC)への登録廃止を決めたことを明らかにした。当初の上場目的の達成、証券市場の変化によるもので、15年4月から手続きを進める。ロンドン証券取引所には従来通り上場を継続する。

 .タイトーの親会社、スクウェア・エニックスHDは11月6日、9月中間決算(第2・四半期までの6ヵ月、4-9月期)を発表、売上高は19%増の731億3千万円、経常利益は59%増の89億9千7百万円、中間利益は119%増の57億2百万円と回復した。分野別でデジタルエンタテインメントの売上高は43%増の437億5千7百万円、営業利益は129%増の79億2千8百万円、アミューズメント(ゲーム場、業務用)の売上高は15%減の212億9千8百万円、営業利益は36%減の23億6千4百万円、出版の売上高は35%増の62億千6百万円、営業利益は81%増の17億8千9百万円、ロイヤリティの売上高は19%増の19億4千万円、営業利益は73%増の6億千百万円で、アミューズメント以外のすべての事業で伸ばした。このため15年3月期業績予想を売上高1,500~1,600億円(5月の前回予想では1,400~1,500億円)、経常利益110~160億円(50~100億円)、最終利益70~102億円(35~65億円)と上方修正した。

 .ラウンドワンは11月7日、9月中間決算(第2・四半期までの6ヵ月、4-9月期)を発表、売上高は0.1%減の418億4千9百万円、経常利益は6%減の34億7百万円、中間利益は23億5百万円と、わずか減収ながら経常増益となったが、これはロケーションである不動産のセール&リースバックに伴う、減損損失の計上がなかったため。サービス別売上高はゲーム場が8%増の185億円、ボウリング場が12%減の120億円、カラオケが5%増の43億円、スボッチャが6%増の56億円、その他が7%減の13億円で、ボウリング場を除き概ね伸ばした。ゲーム場では時間内定額で人気機種を貸切できる「遊び放題プラン」などの企画を実施、増収となった。9月末店舗数は日本111店、米国3店の計114店。同社は15年3月期業績予想を売上高855億円(5月の前回予想では同額)、経常利益80億円(90億円)、最終利益45億円(50億円)と大幅に下方修正した。

 .アドアーズは11月11日、9月中間決算(第2・四半期までの6ヵ月、4-9月期)を発表、売上高は4%増の117億8千2百万円、経常利益は10%減の6億5千3百万円、中間利益は22%減の5億6千7百万円と増収大幅減益だった。部門別でアミューズメント(ゲーム場と景品販売)の売上高は12%減の77億2千5百万円、営業利益は37%減の5億8千2百万円、不動産事業は71%増の34億8千百万円、営業利益は122%増の3億6千4百万円、商業建築の売上高は17%増の6億3千6百万円、営業利益は344%増の3千5百万円。ゲーム場は6月に調布店閉鎖、7月に船橋店開設して9月末で56店だが、その後カラオケ新大久保店を開設しており、現在は57店。なおシグマ時代からの最初の店である新宿ミラノ店、クレーンゲーム専門のミラノ2号店を12月に閉鎖することになっている。同社は韓国のカジノを手掛けるJBアミューズメントに出資、資本提携し、また日本介護福祉グループを買収するなど、経営の多角化を模索している。

 10.ユニバーサルエンターテインメントは11月7日、9月中間決算(第2・四半期までの6ヵ月、4-9月期)を発表、売上高は31%増の384億2千8百万円、経常利益は123%増の94億4百万円、中間利益は544%増の43億2千7百万円と回復してきた。パチンコ・パチスロ遊技機は9万千台販売し、売上高は32%増の369億4千3百万円、営業利益は38%増の150億2千7百万円になった。メディアコンテンツなどその他の事業の売上高は20%増の15億5百万円、営業損失は15億円(前年同期は8億円)だった。なお、同社グループがフィリピンで進めているカジノリゾートプロジェクト「マニラベイリゾーツ」の建設工事の進捗状況について、同社は「現在、カジノフロアを含むホテルタワーを手掛けており、9階部分まで躯体が立ち上がっている」とし、今後、開業スケジュールや資本政策を含め、このプロジェクトの開発戦略について整理して公表すべく精査している、としている。

 11.アドアーズは10月30日、全国で介護事業を展開する㈱日本介護福祉グループ(本社東京都墨田区両国、小柳壮輔社長)を買収した。買収金額は明らかにしていない。日本介護福祉グループは05年設立で、藤田英明会長が株式をすべて所有してきたが、11月5日付でアドアーズが100%株主になる。通所介護直営45事業所、FC710事業所、コンサルティング33事業所など797拠点で展開している。14年3月期の売上高は29億7千2百万円、純損失は2千2百万円で、2年連続して赤字決算になっている。アドアーズは「主力事業のゲーム場運営が業界全体の低迷に加え、消費増税により、厳しい状況が続いており、こうした変化に対するため」事業の多角化を進めることになったとしている。このため6月の株主総会で定款改正を済ませ、介護福祉事業に乗り出す姿勢を示していた。




 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2014