2014年7月1日号 Last updated on June 16, 2014
特報
 バンナムに続き、セガ社、タイトーも初夏の新作展。

 ゲーム場引き継いだ旧UCO、現MIAが自己破産を開始。
海外
 サイパン島カジノに、2社が開設を申請。一方、反対署名も。

 米国オクルス社のVRヘッドセットを使ったゲーム機。
国内

 ユニバーサルの第三者委員会、会社の報告未公表を理由に解散。

 セガ社系のCG制作、マーザが「ヘッジホッグ」の映画制作へ。


2014年7月1日号のニュースダイジェスト
写真は台湾GTI2014で、上はバンダイナムコゲームス社の小間で(左から)相木伸一郎アミューズメント事業統括本部長、石淵日出樹同副本部長。下はインジョイモーション社(領航)の小間で同社「アライド・タンク・アタック」を背にしたシンシア・ライ業務マネージャー。


20年前の主なニュース

 海外家庭用の不振により、セガ社、タイトー、コナミの3月期決算は後退。タイトーで中村紘一氏が社長に、コナミで上月景正会長が社長兼務に。セガ社新作展で「デイトナUSAツイン」を披露。ナムコは販売謝恩会で「リッジレーサー2」発表。SCEは家庭用の名称を「PS」と決定。(1994年7月1日号)

30年前の主なニュース

 風営法改正案に反対するJAMMAは戦術を正副会長に一任した。「特定遊技場」を届け出制にした福井県青少年条例では、賭博遊技を内容とする「特定機」をAM機と区別して、7月から施行する。米国任天堂は「VSシステム」で独特のアップライトを展開している。(1984年7月1日号)



【ニユースダイジェスト】

 .セガ社は6月6日、東京(10日に大阪、12日に福岡)で新作展を開催、初のマルチプレイヤー・オンライン・バトルアリーナ(MOBA)系戦略アクションゲーム「ワンダーランドウォーズ」(今冬出荷未定)を披露した。これは8台のサテライトから成る多人数参加型ゲームで、キャラクター戦士が兵を引き連れ、「闇の力」に立ち向かう、という戦略ゲームで、経験値を増やしてより強くなっていく。コントロールに「神筆」と呼ばれるペンを操作するのが特徴。サテライト1台OP価格65万8千円。音楽ゲーム「マイマイオレンジ」(9月)は、楽曲、機能を増やして、遊びの幅を広げた。CVTキット32万8千円。100円硬貨またはメダルを投入するメダルゲーム機で、火山、氷山に続く銀河をテーマにしたシリーズの最新作「ギンガーン」(11月)は、改造キット約5万円。「UFOキャッチャー9」(11月)は多彩なフィールドレイアウト、タッチパネル設定などを特徴にしたクレーン機で92万円。

 .タイトーは5月30日、東京(6月2日福岡、4日大阪、6日仙台)で新作展を開催、ファーストパーソンシューター(FPS)ゲーム「レフト4(フォー)デッド-生存者たち」を披露した。これはFPS「ハーフ-ライフ」シリーズなどを開発した米国バルブコーポレーション社の同名PC(パソコン)ゲームシリーズ(08年)に基づく業務用TVゲーム機。米国東北部を舞台にウィルスに感染、凶暴化してゾンビとなった感染者が徘徊する都市から脱出するゲームで、襲い掛かるゾンビに対して4人協力して銃で撃ちまくり、脱出を図る。攻撃用マウスとグリップコントローラーを操作する。生き残りを図るプレイヤー側に4人のキャラクターが用意されており、ゲームは仲間との協力プレイが必須となる。このため4台セットが基準となるが、6台、8台の組み合わせも可能。NESYS(ネシス)光で通信回線につなぐ。12月出荷予定で、クレジット課金によりOP価格は2種類用意されており、課金27円では1台約70万円、15円では100万円となっている。

 .ユニバーサルエンターテインメントは5月16日、フィリピンでのカジノリゾート計画に関連して支出された4千万ドルの支払いについて、関係者の責任を調べるために設置した第三者委員会(現在は第二次、委員長は金重凱之国際危機管理機構代表・警察庁OB)から(5月14日に)活動を停止したとの通告を受けた、と発表した。同委員会によると、3月18日に中間報告書を同社に提出したのに、会社側はその内容を開示していないため、活動を停止したとのこと。これに対してユニバーサルは、中間報告を受けた事実を認めた上で、同社が同委員会へ調査を委託した目的は、「合計4千万ドルの外部への不正資金流出事件について、首謀者等の特定を含めた告訴環境構築のみを目的とする徹底した事案の調査解明」という個人責任追及であるため、その内容は当然に特定個人の刑事責任に関わるものであり、捜査開始以前に開示する性質のものではないため、開示することを見送ったとしている。なお、同委員会の取扱いについては、「当社としての方針を可及的速やかに決定したいと考えている」としている。

 .北マリアナ諸島連邦のサイパン島でこの春、カジノ開設が可能になり、マリアナス・スター・エンタテインメント社と、ベスト・サンシャイン・インターナショナル社の2社が競うように4月21日までに申込金百万ドルを支払い、それぞれカジノ開設を申し込んだ後、さらに3千万ドルの前払い金を支払うことになった。ところがカジノ合法化法案が議会で成立した後に、カジノ開設に反対する住民たちが法律施行を阻止しようと立ち上がり、6月初めには3千人の署名を集めた、と地元報道は伝えている。それよると、7月6日までに有権者の20%または3,600人の署名が集まれば、今秋にも住民投票にかけることになり、その結果カジノ開設反対票が多数を占めた場合、カジノ法の施行は阻止することができるという。しかし連邦政府は申込金を、カジノ開設により入ってくるお金を当てにして25%の未払い年金にすでに使ってしまっているらしく、住民投票で法律がひっくり返るなら、たちまち年金運営は破綻することになる、と問題にしている。

 .中国市場で家庭用TVゲーム機の販売が近く始まる、との見通しが現地メディアなどを通じて次第に明らかになってきた。それらによると、米国マイクロソフト社が上海に設立した「微軟遊戯遊芸設備」社が営業許可を取得したのに続き、5月29日に上海東方明珠集団とソニーが合弁会社を設立する、と公告した。中国では少年がゲームに没頭するのを防ぐという理由で2000年6月以来、家庭用TVゲーム機の生産・販売が禁じられてきたが、この1月にゲーム機販売禁止規定を正式に解除していた。だがそれでも、具体的な解禁はいっこうに進められなかったが、やっと実現する見通しになったもの。マイクロソフト社は上海自由貿易特区で「Xbox One」を生産、9月にも発売する見通し。家庭用TVゲーム機で再建を図るソニーは、子会社SCEの生産する「PS4」を発売するもよう。だがコピー問題が解決されていない市場で、うまく行くのかという疑問が付きまとっている。

 .セガ社系のCG映像制作会社、マーザ・アニメーションプラネット(MARZA、本社東京都品川区東品川、前田雅尚社長)は6月11日、米国ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント(SPE)と共同で、家庭用ゲームソフト「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」(1991年)の人気キャラクター、「ソニック」を主人公にした劇場映画を製作することになった、と発表した。この映画は、トップクラスのCGアニメーションと実写を組み合わせたものになるとされている。マーザは06年4月に発足した、セガ社内のCG映像制作部門が09年6月に分社化、10年7月に社名変更したもので、13年公開の長編映画「キャプテンハーロック」で受賞したりしている。「ソニック」を主人公とする映画制作発表の中で、ハリウッド映画のプロデューサー、脚本担当などはすでに決まっているが、いつ公開されるのかという予定などはすべて未定。

 .ピザとゲームの複合店チェーン「チャキーチーズ」を展開する、CECエンタテインメント社はこのほど、米国オクルスVR社が開発したバーチャルリアリティ(VR)用ヘッドマウンテッド・ディスプレイ、「リフト」を利用したハイテク・リデムプションゲームを展開することになったと発表した。オクルスVR社のVR技術はソニー・コンピュータ―エンタテインメント(SCE)が「PS4」用の周辺装置に採用しているもので、つばの大きなヘッドセットを使用している。飲食とゲームの577店を展開するCEC社では、人が一人入れるブース内で風に巻き上げられる現金を掴むゲームの代わりに、リデムプションチケットを掴むゲーム機、「バーチャル・チケット・ブラスター・エクスピアレンス」を、当面サンディエゴ、ダラスなど29か所で設置する予定。CEC社は1977年にノーラン・ブッシュネル氏が創業したもので、さまざまな経緯をたどって今年2月14日、アポロ・グローバルマネジメント社に買い取られ、3月に経営陣が入れ替わっている。

 .ゲーム場経営の㈱MIA(エムアイエイ、東京都台東区蔵前、清算人小谷野充弘)は5月23日に自己破産を申請、東京地裁は6月4日に破産手続き開始決定を出した。負債は35億千万円とされている。同社は2001年2月設立、06年1月に㈱UCOに社名変更し、同2月にグループの旧日本ユニカからオペレーター事業を引き継ぎ、13年9月に現社名に改称したもの。「タカラ島」、「パラボランド」などの名称で、主に関東、東北、北陸、近畿地区でSC内のゲーム場を運営してきており、07年12月期には売上高58億7千万円を計上していた。しかし業界環境が悪化の一途をたどり、このため不採算店を閉鎖するなど後退を続け、12年ごろから会社分割、既存のオペレーター会社に譲渡したりして、本体自体は13年12月に解散を決議していた。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2014