2014年4月1号 Last updated on Narch 15, 2014
特報
 豪州の観覧車正式オープンを、サノヤスが関係者に披露した。

 警察庁、遊技機賭博の件数は減少、ゲーム場は減少続く。
海外
 米国フロリダ州の州法には問題点多く、改正案を作成中。

 サイパン島カジノ導入可決するも、見通し立たず。
国内

 遊園施設の事故対策目的に、政府は法改正を計画。

 セガサミー通期予想を大幅下方修正。セガ社は岡村秀樹社長に。


2014年4月1日号のニュースダイジェスト
写真はAOU/JAMMAの第2回JAEPOで、上は人気を集めたバンダイナムコゲームス「スーパーアルペンレーサー」(4台セット360万円、7月出荷予定)。下はコナミデジタルエンタテインメント「スティールクロニクル・ヴィクトルーパーズ」(1人用、年内出荷予定)。



20年前の主なニュース

 AOUエキスポで、CGゲーム機など適切な遊技設備が紹介された。タイトーは三洋電機の技術を導入し、3Dゲーム開発進める。テクノスジャパンの米国子会社が、立体音響の「SRS」独占販売権を取得した。PC基板製造の近江電子工業が会社整理を申請した。(1994年4月1日号)

30年前の主なニュース

 米国アタリ社が同社家庭用を業務用に改造した業者を提訴した。警察庁はゲームセンターの風俗営業化方針を固め、6月5日に法改正の原案を発表した。規制理由は遊技機賭博と少年の非行化を防止するため。NAOは当初「絶対反対」と反発、その後は条件闘争に転向。(1984年4月1日号)



【ニユースダイジェスト】  

 .セガサミーホールディングスは2月28日、14年3月期業績予想を、売上高3,770億円(13年5月の前回予想では4,850億円)、経常利益390億円(720億円)、最終利益300億円(470億円)と大幅に下方修正した。主に遊技機部門で政策的に販売計画を次期に延期したことによる。業務用AM機器販売もオペレーターの投資控えを受け営業赤字になる見込み、ゲーム場運営も計画を下回っている。ただし家庭用は計画通りの見込みとしている。業績予想の大幅下方修正を受けて、主な子会社の代表者を4月1日付けで異動することになった。セガ社では鶴見尚也社長が副会長となり、社長にトムス・エンタテインメントの社長だった岡村秀樹氏が就任する予定。トムス・エンタテインメントではセガトイズの社長だった鈴木義治氏が社長に就任する。セガ社の新社長となる岡村秀樹(おかむら・ひでき)氏は78年に法政大法卒、87年にセガ・エンタープライゼス(現セガ社)入社、97年取締役、04年トムス・エンタテインメント取締役、08年セガ社取締役兼トムス社長。埼玉県出身。59歳。

 .警察庁・保安課は3月7日、2013年中の風俗事犯の概略を発表、遊技機使用の賭博犯は66件(12年中は82件)、306人(453人)検挙し、賭金1億589万円(1億335万円)を押収した。主な検挙例として、①岡山県警が10月に検挙した、「ホットドッグ店を仮装したゲームセンターにおける無許可営業事件」のほか、②福岡県警が1月に検挙した、「『金スロ』と称する違法パチンコ営業に係る無許可風俗営業・常習とばく事件」、③福岡県警による7月、「賭博店における賭博場開帳図利・不動産仲介業者らによる同ほう助等事件」、③大阪府警による7月、「暴力団組長らが経営するゲーム機賭博店における常習賭博事件」、④福井県警による11月、「インターネット賭博店における常習賭博事件」を挙げた。風営法に基づく営業許可の必要な「8号営業」(ゲームセンター等)の営業所数は昨年末現在、7%減の5,772店(6,181店)、うち専業店は6%減の3,300店(3,506店)で、5年前と比べ25%減少した。遊技設備の設置台数は3%減の432,351台(446,225台)だった。

 .国土交通省はエレベーターや遊園施設での事故防止のための調査権限の強化を掲げる、条文を盛り込んだ建築基準法改正案をまとめ、内閣は2月7日、これを政府提出議案として国会に提出することを決めた。建築基準法改正案は木造建築関連基準の見直しなど7項目あり、うちエレベーターや遊園施設(同法で定める「昇降機等」)については、事故があった場合にこれまで、専門知識を持つ職員が不足しがちな都道府県などが原則的に立ち入り調査し、原因究明に当たるとしてきたが、国(国土建設省)が立ち入り検査できるようにする、と改正案をまとめた。これまで国の調査は拒まれても強制できなかった点については、拒んだりすると1年以下の懲役または100万円以下の罰金などの罰則を定め、調査権限を強化する。また事故の調査対象となるものは、昇降機等の所有者にとどまらず、メーカー、建築主、設計者、工事施工者など幅広く関係者から調査、聞き取りできるようにする。その他具体的な仕組みは、追って示される施行令(政令)案、施行規則案により定める予定。

 .オーストラリアのメルボルンにある観覧車「メルボルン・スター・オブザベイション・ホイール」(MSOW)は修理を完了し、12月23日に営業運転を開始しているが、3月12日に内外の関係者を招いて正式に完成を祝った。この観覧車は当初「サザンスター」と名付けられ08年に運転を開始したが、回転軸に不具合が見つかり、09年初めに運転を中止、その後修理費を巡り訴訟が起こされるなどしたため、結局13年9月にサノヤスホールディングスが買い取り、現地子会社のサノヤスライド・オーストラリアが運営することになったもの。今年1月末にサノヤスライド・オーストラリアが、運営スタッフを雇用・管理しているメルボルンスタースタッフ社の株式を買い取り、サノヤス側の手続きはこれで完了した。観覧車自体は「ロンドンアイ」方式で、キャビンはサノヤスが製作を担当した。高さ117mで南半球ではトップ、全世界でも現在「シンガポールフライヤー」(165m)、「ロンドンアイ」(135m)などに次ぐ10位以内に入ることは確実(中国のデータが未確認なので特定できない)。

 .サイパン島は米国の自治領である北マリアナ諸島に属しているが、カジノの合法化をめぐる長年の論争がついに終わり、合法化が見えてきたはずが、またしても霞みつつあり、まだ先は読めていない。近年最後の住民投票は2007年に行われ、反対票が2,600票上回ってカジノ導入は否決された。ところが今回、未払い年金と健康保険を支える財源になるという見通しから、下院では11対6で可決、さらに上院でも3月4日に5対4の票差で可決した。これでエロア・イノス知事の署名を待つのみとなったが、票差がわずかということもあり、慎重を期す知事の署名の見通しは立っておらず、ここで足踏み状態が続くことになった。しかし長年の夢である、カジノ合法化を進めたい推進グループは、「マリアナ経済総合研究所財団」を通じて署名運動を開始する構えで、これを通じて住民投票に持ち込みたいとしている。なお北マリアナ諸島でテニアン島にはカジノがあり、もしサイパン島にカジノができると、カジノのないのはロタ島だけとなる。

 .米国フロリダ州で「インターネット・スウィープステークス・カフエ」という賭博TVゲーム営業を封じ込めるはずの州法「HB155」が昨年4月に成立、施行されたが、通常のアーケードゲーム機営業まで厳しく規制することになったため、業者と住民が反発、是正に向け州議会が動き出すことになった。主な変更点は、まず硬貨作動式以外にも前払い式カードなどが許されるようにする、次に提供される景品は、現行法で1個75セント以下となっているのを、5ドル25セント以下に引き上げるか、リデムプションチケットを使用する場合プレイ料金の15倍以下などと緩和するというもの。これらの案をまとめ今年、州議会に提出するとしている。なおこの州法誕生の原因となった、退役軍人のための非営利法人「アライド・ベテランズ・オブ・ザ・ワールド」が賭博営業をしたとして昨年、摘発された事件に関連して、違法営業を主導したとして起訴され、有罪となった弁護士に対する刑の宣告が2月12日にあり、6年間の禁固刑が言い渡された。この弁護士以外にこの事件で56人が公判を受けているとのこと。

 .米国ウォルトディズニー社の業績は順調だが、その中でも最も低調な「インタラクティブ」部門で2月から3月にかけて、約700人の人員削減を実施していることが判明した。08年に発足したこの部門では、抜本的リストラとして「PS」および「Xbox」シリーズ対応の家庭用ゲームソフト制作からすでに撤退、次にソーシャルネットワークサービス(SNS)用ゲーム製作と家族向けPCコンテンツも削減する。ディズニー社は10年にSNSゲーム製作会社のプレイダム社を5億6千万ドルで買収したが、これが足を引っ張ることになり、大幅縮小を余儀なくする結果となったため。このあたりの経緯は日本のコンテンツメーカーにも、良いヒントを与えるかもしれない。ディズニー社インタラクティブ部門で唯一順調に伸ばしているのは、動画ゲームと玩具を組み合わせて展開している「ディズニー・インフィニティ」で、これについてはさらに投資を続行するとしている。しかしそれでも同部門の第2・四半期(1-3月期)は営業赤字が必至とされている。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2014