2013年5月15日号 Last updated on May 1, 2013
特報
 オリエンタルランドの3月決算、収益ともに過去最高に。

 「ハーフパイプ」訴訟でドン・キホーテが全面勝訴した。

海外
 米国フロリダ州の賭博機営業規制に対し、施行停止の訴え。

 米国ジョージア州は法改正し、「大人のリデムプションゲーム」制限。

国内

 セガサミー、3月期予想を上方修正、今年度から特別賞与も。

 任天堂、海外売上高比率は67%、円安で一転、黒字回復した。


2013年5月15日号のニュースダイジェスト
写真はAOU/JAMMA「ジャパンアミューズメントエキスポ(JAEPO)2013」の加賀アミューズメントの小間で、上は台湾の尚芳国際興業(セイントファンインターナショナル)のTVレーシング機「環状ファストビート・バトルライダー」を試しているようす、下はエウレカコンピューターによる上方からの投影式「Eスポーツグラウンド」。


20年前の主なニュース

 米国ルイス・ガルーブ・トイ社製ゲーム条件変更装置「ゲームジーニー」事件で、連邦最高裁が上告受理を認めず、米国任天堂の敗訴が確定した。トーゴ運営の「アリバシティ神戸」がオープンした。大阪・新世界に97年完成めざし、屋内遊園地「フェスティバルゲート」建設中。(1993年5月15日号)

30年前の主なニュース

 米国メスキート市の17歳未満の少年のアーケードゲーム禁止条例は無効、と連邦控訴裁判決。アタリ社家庭用「2800」、日本でも販売へ。米国業務用展示会、第4回AOEに「ドラゴンズレア」など意欲作多数発表される。テーカンが初めて新作展を開いた。(1983年5月15日号)



【ニユースダイジェスト】

 .オリエンタルランドは4月26日、13年3月期連結決算を発表、売上高は10%増の3,955億円、経常利益は22%増の808億円、最終利益は60%増の514億円と、売上高、経常利益、最終利益はいずれも過去最高となった。イベントとアトラクションが好調で、TDLとTDSを合わせた入園客数は9%増の2,750万人、1人当たり売上高も3%増の10,601円とともに過去最高になったためで、今期も30周年記念で業績を伸ばし、過去最高になる見通し。部門別業績では、テーマパークの売上高が11%増の3,298億円、営業利益が21%増の684億円、ホテルの売上高が16%増の489億円、営業利益が26%増の120億円、その他(イクスピアリ、ディズニーリゾートラインなど)の売上高が16%減の167億円、営業利益が17%減の6億円だった。14年3月期の業績は売上高4,137億円、経常利益823億円、最終利益522億円を見込んでいる。

 .任天堂は4月24日、13年3月期決算を発表、売上高は2%減の6,354億円、経常利益は104億円(前年は608億円の赤字)、最終利益は70億円(432億円の赤字)と、円高による巨額赤字から一転、黒字回復した。「3DS」ではワイド判の「3DSLL」を発売、「ニュースーパーマリオブラザーズ2」などがヒットし、世代交代が進んだ。画面付き操作盤を特徴とする「WiiU」を「ニュースーパーマリオブラザーズU」などとともに発売したが、「Wii」本体、ゲームソフトとともに伸び悩んだ。海外売上高は4,294億円で、海外売上高比率は67%(前年77%)。しかし、ドル高が進行して、395億円の為替差益が発生、黒字に転換した。14年3月期は為替レートを1ドル90円、1ユーロ120円と設定し、売上高9,200億円、経常利益900億円、最終利益550億円へと回復を見込んでいる。

 .セガサミーホールディングスは4月26日、13年3月期の業績予想を、売上高3,214億円(2月の前回予想では3,200億円)、経常利益205億円(160億円)、最終利益330億円(125億円)と大幅に上方修正した。米国子会社の一社の清算に伴い法人税法上の欠損金が発生することになり、その欠損金の一部について繰延税金資産を計上することにより、法人税等合計額が約145億円減少する見通しになった。また確定給付企業年金法の施行に伴い、一部子会社の厚生年金基金の代行部分について過去分返上の認可を受け、代行返上益63億円を特別利益に計上することになった。これらにより最終利益は前回予想を大きく上回る見込みになった。同社の13年3月期決算は5月10日に発表する予定。

 .カプコンは4月18日、13年3月期の業績予想を売上高940億円(12月の前回予想では935億円)、経常利益109億円(100億円)、最終利益29億円(65億円)と修正した。売上高と営業利益については、パチスロ用液晶表示装置の「バイオハザード5」が続伸したため、前回予想を上回る見通しになったが、デジタルコンテンツ部門で開発体制の見直しを進めた結果、事業構造改善費用として69億4千9百万円の特別損失を計上することになったため、最終利益は前回予想を下回ることになった。なお、同社が示す部門別売上高、営業利益で「業務用機器」とあるのは、主に遊技機用液晶表示装置を指しているそうであり、13年3月期でもアミューズメントマシン対パチスロ遊技機の割合は1対9になったとしている。前期決算発表は5月8日に行われる予定。なおカプコンは、最大150万株を25億円で自己株式として取得することも合わせて発表した。

 .量販店「ドン・キホーテ」六本木店の屋上に05年11月に設置され、翌月に運転を開始するはずだった、インタミン社製遊園施設「ハーフパイプ」の営業ができなかったのは、設計会社のミスが原因だったとして、ドン・キホーテがインタミン・ジャパンを訴えた損害賠償請求訴訟で、東京地裁(伊藤繁裁判長)は3月29日、ドン・キホーテの訴えを全面的に認め、インタミン・ジャパンに対し約8億5千9百万円の損害賠償を命じたことが分かった。この「ハーフパイプ」については、営業開始前に騒音などを理由に住民と対立し、開業を断念したいきさつがある。ドン・キホーテがその後、運転すると建物に震度3の異常な揺れが発生することが分かり、営業ができないまま、インタミン・ジャパンに代金返還を求める裁判を起こしていた。判決では試運転で建物が異常に揺れたのは、建物にかかる水平外力を誤って振動解析したのが原因として、契約解除できると判断した。

 .ソーシャル(SNS)ゲームの推進力となった魚釣りゲームの類似性を争う訴訟は4月16日、上告を棄却するという最高裁第3法廷(大橋正春裁判長)決定により、原告グリーの敗訴で終わった。ソーシャルゲーム大手のグリーは同社が配信する「釣り★スタ」の著作権が侵害されたとして、「釣りゲータウン2」を配信するディー・エヌ・エー(DeNA)とORSOを09年9月に訴えたのが、この訴訟の始まり。東京地裁は12年2月、著作権侵害を認める判決を出し、DeNAは控訴。知的財産高等裁判所は12年9月、著作権侵害を認めない逆転判決を出し、グリーは上告した。最高裁は上告を受理せず、棄却したため、結果的に、両ゲームには「表現上の創作性がない」とした控訴審判決が確定することになったもの。両社ではそれぞれ17日、業績に与える影響がないか、軽微との見通しを明らかにした。

 .米国フロリダ州のTVギャンブル営業を封じ込めるための法案「HB155」は4月4日に成立した後、10日にリック・スコット知事が署名して発効した。この法案は元をただせば、退役軍人のための非営利法人が「インターネット・スウィープスティクス・カフェ」と称するTVゲーム賭博営業に手を染めていたことが発覚、しかも女性副知事まで巻き込み、辞任に追い込む原因になったため、それらの違法営業をすべて禁止する決意で法制化したもの。ところが、新法はショッピングセンターのファミリー・エンタテインメント・センター(FEC)などでの機械運営についても、キャッシュレスカードの使用やリデムプションゲームなどを意味なく規制する、あまりにもずさんな法律であるとして、反対運動が起こるなど前途は困難なことが分かってきた。スロットマシンやその他の賭博遊技機を、賭博に関係のないアミューズメントマシンと同様にとらえているから、取締りはいっこうに進まないと地元の業者は指摘している。

 .【米国フロリダ州HB155の続き】退職者に人気のあるゲーミングタイプの機器を設けた遊技場のことを最近、「シニアアーケード」と呼ぶらしいが、そのオペレーター協会、「フロリダ・アーケード&ビンゴ協会」(ゲール・フォンティーン会長)が4月18日、この州法の施行に待ったをかける訴えを同州南部のブロワード巡回区裁判所に提出した。地元紙「サンセンチネル」などが報じた。この訴訟は、この州法により閉鎖を余儀なくされた2ヵ所の「シニアアーケード」のオーナーを原告とし、あいまいで問題となる法律規定問題に詳しいとされているブルース・ロゴウ弁護士が訴訟代理人になって、この州法の施行禁止を求めるもの。例えば遊技者が紙幣やカードではなく、硬貨しか使うことはできない、と州が規定する場合、守ろうとする州の正当な利益は何か、あるいは州法は何から市民を守ろうとしているのか、が問われるとしている。

 .米国ジョージア州でTVポーカーなど賭博機遊技への規制強化を目的とする法案「HB487」が議会で成立、4月10日にネイサン・ディール知事が署名して発効した。ゲーム機運営の規制を、州の独立法人である宝くじ運営会社「ジョージアラッタリー」に委託する法律で、州議会では上院が個人情報漏えいを防ぐ条項にこだわったが、規制最少台数を9台から6台に広げることで妥協した。許可年度が始まる7月1日以後、クレジットを持ち越すことのできる「大人のリデムプションゲーム」(州法ではB類という)機を6台以上設置運営する者は、1台当たり年間125ドルの許可料を支払い、許可を受け、遊技データをジョージアラッタリーに(電子通信網を通じて)送信しなければならない。遊技の結果何も出てこないか、出ても1ゲーム当たり5ドル以下の景品か、またはクレジットを残せないアミューズメントゲームは「A類」として1台当たり25ドルの許可料で済む。

 10.ユニバーサルエンターテインメントは4月22日、訴訟で対決している米国ウィンリゾーツ社とそのCEOのスティーブ・ウィン氏がその主張の根拠としている、ルイス・フリー氏による報告書には「まったく信憑性がない」とする、マイケル・チャートフ氏による評価を紹介し、これを「当然の結果であり、大変喜ばしい」評価だと、支持表明した。ユニバーサルによるとこの評価は、フリー氏が元連邦捜査局(FBI)長官であるのに対し、国土安全保障省長官、連邦第三巡回区控訴裁判所判事、米国司法省刑事局長を歴任してきたチャートフ氏に「フリー報告書」の評価を依頼した結果、得たもの。しかしこれはあくまでも評価であり、紹介されたチャートフ氏の評価では、フィリピンでの贈賄疑惑を示唆したと伝えられる「フリー報告書」の核心部分に具体的に触れているかどうかさえ不明で、もっぱら「事実の認定および推定は客観性と事実的根拠を欠いている」などとする、抽象的な評価に終始している。

 11.セガサミーホールディングスは4月18日、同社と国内子会社37社の執行役員を除く正社員約6千名を対象に、4月から始まる13年度から「生活支援の特別賞与」を支給することにしたと発表した。夏冬に支給される一時金とは別に、「基本年収の3%相当」を基準に9月に支給される予定で、会社単位および扶養家族の有無などにより支給基準は変動するとのこと。セガサミーグループでは、企業の社会的責任の遂行を経営の重要課題の一つに掲げており、安部現政権が取り組んでいる「デフレ脱却」に向けた経済政策の一つである、「賃金アップ要請」に賛同、この生活支援特別賞与の支給を実施することにしたもの。原則として継続的に実施し、持続的な経済成長に向けた健全な消費サイクルづくりに寄与していくと説明している。

 12.セガサミーホールディングスは4月23日、韓国・釜山広域市に計画している複合施設開発を目的に子会社「セガサミー釜山」(代表理事里見治)を18日に設立、設立登記を完了したと発表した。資本金は1,240億ウォンで、資本構成はセガサミー75%、同社の完全子会社であるフェニックスリゾート25%で、セガサミーグループの完全子会社となる。事業内容は、現地でのホテル、エンタテインメント、商業施設等からなる複合施設の開発・運営、となっている。
  

 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。